必要な分析のタイプ

SunSystems 実装時に実行する最も重要な手順として、分析要素の前提条件を決めることが挙げられます。分析機能をよく理解して使用することにより、システムで利用できる情報とレポートの効果が大幅に向上します。

分析の前提条件は、時間をかけて検討する価値があります。計画過程の早い段階でレポートや情報のニーズを見極め、その内容に応じて分析構成を設計します。

静的分析または取引分析のどちらによって必要な情報を最も効率的な方法で得られるかを判断する必要があります。

たとえば、エリア別の販売実績のレポートが必要な場合は、最初に「エリア」という分析要素を定義し、要素の分析コードとしてすべての販売エリアコードを設定します。この分析は次のいずれかの方法で適用できます。静的データを分析するには、元帳勘定科目および顧客ごとに、適切なエリアコードを入力します。または、販売に関連したすべての元帳取引を分析して、販売に関連した転記ごとにエリアコードを入力することによっても、同じ結果を得ることができます。どちらの方法でも、エリア別の販売実績レポートを作成できます。

これら 2 種類の分析の違いを理解することが重要です。

  • 1 つ目の方法による元帳勘定科目の分析は、「静的分析」の例です。各々の元帳勘定科目には、販売エリアコードが 1 つだけ割り当てられます。これは、販売エリアごとに異なる販売勘定科目を作成して、元帳取引を適切な販売エリアの販売勘定科目に転記する必要があることを意味します。この方法を使用すると、1 つの勘定科目に対する転記はすべて同じ販売エリアに関する転記となり、販売エリア別の合計売上を簡単に確認できます (売上合計が勘定残高となるためです)。ただし、販売エリアの数が多かったり、エリアが頻繁に変更される場合は、作成する勘定科目の数が不必要に多くなります。
  • 2 つ目の方法による元帳取引の分析は、「取引分析」の例です。販売勘定科目は 1 つで、その勘定科目に対する転記ごとに、適切な販売エリアを分析コードとして入力します。勘定残高となる合計売上金額は、いつでも確認できます。また、照会やレポートのフィルタ機能を利用して、特定の販売エリアに関する転記を分析することによっても、エリア別の合計売上が得られます。