リンク取引の分割
Pay As Paid 環境で使用するブローカー元帳の要件の 1 つに、関連するサードパーティから該当する現金を受領した場合にのみ、取引を支払にリリースする点が挙げられます。たとえばクライアントから保険料が支払われた後にのみ、新しい保険契約に適用される金額を引受会社に支払います。
これを実現するために、財務モジュールでは、取引間参照を使用して特定の業務取引 (支払請求または保険料) を構成する一連の元帳取引を識別します。取引間参照は、グループ内の各元帳取引の [リンク参照 2] フィールドで管理されます。
リンク取引セット内の取引が分割される場合、Pay As Paid の原則を適用する必要があります。リンク取引の 1 つが分割されると、セット内の残りの取引が自動的に同じ割合で分割されます。たとえば、クライアントが未払い保険料の半分だけを支払う場合、これを反映するために保険料転記を手動で分割します。この分割が転記されると、対応する引受人取引と手数料取引は、同じ割合、すなわち半分に自動的に分割されます。
場合によっては、すべてのリンク取引が分割されなかったり、分割される前にリンク取引がグループにまとめられます。
その後、分割取引の 1 つがさらに分割されると、同じ方法で関連取引が自動的に分割されます。これを実現するために、分割リンク参照がそれぞれの分割取引セットに割り当てられ、必要に応じてさらに処理できるようにグループにまとめられます。
この処理を例を挙げて説明します。関連する取引とリンクは、異なる色で識別されています。
ステージ 1: 新規保険料が支払われ、その結果次の新しい仕訳が転記されます。この仕訳のすべての取引には、同じ取引参照と取引間参照が割り当てられます。
取引参照 | 勘定科目 | 金額 | 取引間参照 (リンク参照 2) | 分割リンク参照 |
---|---|---|---|---|
ABC | クライアント | 100 DR | 1 | |
ABC | 引受会社 | 90 CR | 1 | |
ABC | 手数料 | 10 CR | 1 |
ステージ 2: クライアントは未払保険料のうち GBP50 だけを支払います。これは、 [元帳入力] を使用してクライアントの勘定科目に転記されます。現金転記にも同じ取引間参照が割り当てられます。
取引参照 | 勘定科目 | 金額 | 取引間参照 (リンク参照 2) | 分割リンク参照 |
---|---|---|---|---|
ABC | クライアント | 50 CR | 1 |
ステージ 3: 個別消込み (ACA) で元のクライアント保険料転記が分割され、一部支払が記録されます。その結果、次の新しい取引セットがクライアント勘定科目に転記されます。各分割取引には、分割リンク参照が割り当てられます。
取引参照 | 勘定科目 | 金額 | 取引間参照 (リンク参照 2) | 分割リンク参照 |
---|---|---|---|---|
ABC | クライアント | 50 DR | 1 | 1 |
ABC | クライアント | 50 DR | 1 | 2 |
ステージ 4: 同じ取引/取引間参照が割り当てられたその他の転記は、自動的に分割されます。各分割取引には該当する分割リンク参照が割り当てられ、関連する各分割取引セットがグループ化されます。
取引参照 | 勘定科目 | 金額 | 取引間参照 (リンク参照 2) | 分割リンク参照 |
---|---|---|---|---|
ABC | 引受会社 | 45 CR | 1 | 1 |
ABC | 引受会社 | 45 CR | 1 | 2 |
ABC | 手数料 | 5 CR | 1 | 1 |
ABC | 手数料 | 5 CR | 1 | 2 |
ステージ 5: クライアントの現金受領は未払い保険料と照合されます。
取引参照 | 勘定科目 | 金額 | 取引間参照 (リンク参照 2) | 分割リンク参照 | 消込みマーカー |
---|---|---|---|---|---|
ABC | クライアント | 50 DR | 1 | 1 | 消込み済 |
ABC | クライアント | 50 DR | 1 | 2 | 消込みなし |
ABC | クライアント | 50 CR | 1 | 消込み済 |
リンク取引分割の例外
一般的に、取引が分割されると、システムによって同じ取引間リンクを含む取引が同じ割合で自動的に分割されます。ただし、次に示すようにこのルールには例外があります。
- 完全に照合されていて実質レートのフラグが付けられているリンク取引は、分割されません。
- 同じ取引間リンクを含む再評価転記は消込みマーカーによって累計され、消込みマーカーによる合計のみが分割されます。再評価転記の消込みマーカーは、再評価された取引から取得されます。
元の分割取引と各リンク取引の [エージェンシー/ブローカー勘定科目タイプ] によっても、リンク取引を分割するのかどうかが決まります。
分割取引の [エージェンシー/ブローカー勘定科目タイプ] | 分割処理 |
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クライアント | [エージェンシー/ブローカー勘定科目タイプ] に関係なく、すべてのリンク取引が分割されます。 |
キャリア | [エージェンシー/ブローカー勘定科目タイプ] に関係なく、すべてのリンク取引が分割されます。 |
その他 | クライアントとキャリアの両方にリンク取引が存在する場合、これらのリンク取引は分割されません。
リンク取引がクライアントに存在し、キャリアには存在しない場合、クライアントのリンク取引が分割されます。 リンク取引がキャリアに存在し、クライアントには存在しない場合、キャリアのリンク取引が分割されます。 リンク取引がクライアントにもキャリアにも存在しない場合、その他および名目勘定科目タイプのリンク取引が分割されます。 |
名目 | リンク取引は分割されません。 |