プロンプトの投票ルールについて

プロンプトが 1 名の受信者に送信される場合、プロンプトの結果は、その受信者の選択からの戻り値です。ただし、プロンプトを複数の受信者に送信する場合は、プロンプトの結果を判別するための投票の集計方法を選択して、イベント実行定義に投票ルール(VOTINGRULE)パラメタを含める必要があります。

使用可能な投票ルールについて、以下の表に一覧と説明を示します。

Rule 説明
過半数 ある選択肢が選ばれるには 50% を超える投票数を得る必要があります。

50% を超える受信者が特定の選択肢を選んで応答し次第、その選択肢がプロンプトの結果として確定されます。

たとえば、プロンプトが 9 人の受信者に送信されたとします。最初に応答した 6 人のうち、5 人が賛成投票をしました。5 人の投票数で 50% を超えることになるため、このオプションではこの時点で投票が終了します。他の 3 人の受信者の応答には関係なく、イベントハンドラは次の手順に進みます。

この投票ルールを使用する場合、得票数が同点になった場合の処理方法についてシステムに指示するために、同点投票(VOTINGTIE)パラメタを使用する必要があります。詳細は 『Guide to the Application Event System』 の「Dealing with Indeterminate Voting Results」を参照してください。

多数決 たとえ 50% を超える投票数を獲得していなくても、最も得票数の多い選択肢がプロンプトの結果として確定します。

たとえば 3 つの選択肢があるとします。

  • 第 1 の選択肢は 24% の得票を獲得しました。
  • 第 2 の選択肢は 43% の得票を獲得しました。
  • 第 3 の選択肢は残りの 33% の得票を獲得しました。

この場合、第 2 の選択肢は得票数が全体の 50% を下回りますが、第 2 の選択肢がプロンプトの結果として決定します。

この投票ルールを使用する場合、得票数が同点になった場合の処理方法についてシステム指示するために、同点投票(VOTINGTIE)パラメタを使用する必要があります。詳細は 『Guide to the Application Event System』 の「Dealing with Indeterminate Voting Results」を参照してください。

条件付多数決 得票数の最も高い選択肢が、指定された最小得票率に達している場合に限り、プロンプトの結果として確定されます。

このルールを使用する場合、最小率(MINIMUM)パラメタも含める必要があります。

たとえば 3 つの選択肢が 19 人の受信者に提示され、確定条件として最小得票率 40% を指定した場合、次のようになります。

  • 8 票、7 票、4 票と分かれた場合、8 票を獲得した選択肢は最小得票率を満たしているため、これに確定します。
  • 7 票、6 票、6 票と分かれた場合は、どの選択肢も最小得票率を満たしていないため、どの選択肢にも確定しません。この場合、システムは投票を未確定の結果として処理する必要があります。未確定の結果に関する詳細は Guide to the Application Event System の「Dealing with Indeterminate Voting Results」を参照してください。

(単純な相対多数投票では、7 票、6 票、6 票と分かれた場合、7 票を獲得した選択肢に確定します。)

この投票ルールを使用する場合、投票の処理方法についてシステムに指示するために、同点投票(VOTINGTIE)パラメタまたは投票差異(VOTINGDISPARITY)パラメタを使用する必要があります。詳細は 『Guide to the Application Event System』 の「Dealing with Indeterminate Voting Results」を参照してください。

最小得票数 指定された最小得票数に最初に達した選択肢が、プロンプトの結果として確定されます。

このルールを使用する場合、最小得票数(MINIMUM)パラメタも含める必要があります。

たとえば 3 つの選択肢が 13 人の受信者に提示され、最小得票数を 5 に指定した場合、5 票を最初に獲得した選択肢が自動的にプロンプトの結果として確定されます。

注: 最小得票数に達すると即座に、イベントハンドラの実行が次の処理へと進みます。この場合、システムはまだ受信していない応答を全て無効にし、それ以上の投票は受け付けません。
最小得票率 指定された得票率を最初に獲得した選択肢が、プロンプトの結果として確定されます。得票率は応答者の数ではなく、プロンプトの受信者数に基づきます。

このルールを使用する場合、最小率(MINIMUM)パラメタも含める必要があります。

注: 選択肢が最小得票率に到達すると即座に、イベントハンドラの実行が次の処理へと進みます。この場合、システムはまだ受信していない応答を全て無効にし、それ以上の投票は受け付けません。
最初の応答 どの選択肢であるかに関わらず、プロンプトに対して最初に応答があった選択肢がプロンプトの結果として確定します。
注: 最初の応答が受信されると即座に、イベントハンドラの実行が次の処理へと進みます。この場合、システムはまだ受信していない応答を全て無効にし、それ以上の投票は受け付けません。
優先選択 応答者が 1 人でも優先選択に投票すると、その選択肢がプロンプトの結果として確定します。応答者が誰も優先選択を選択しなかった場合、このルールは残りの選択肢に対して多数決ルールと同じように機能します。

このルールを使用する場合、どの選択肢を優先選択とするか指定するために、優先選択(PREFCHOICE)パラメタを含める必要があります。

たとえば 3 つの選択肢があり、第 1 の選択肢を優先選択として指定したとします。

  • 第 1 の選択肢に誰かが投票すると、この選択肢がプロンプトの結果として確定します。
  • 最終的な投票数が 0 票、6 票、5 票と分かれた場合、第 2 の選択肢に決定します。
注: 優先選択に投票されると即座に、イベントハンドラの実行が次の処理へと進みます。この場合、システムはまだ受信していない応答を全て無効にし、それ以上の投票は受け付けません。
最小得票数優先選択 指定された選択肢に指定された票数が投票されると、その選択肢が勝ちます。このルールを使用する場合は、最小得票数を指定する最小(MINIMUM)パラメタと、どの選択肢を優先選択とするか指定する優先選択(PREFCHOICE)パラメタを含める必要があります。たとえば、優先選択肢「Approve」の最小得票数を 3 に設定し、3 人の受信者が「Approve」と応答した場合は、この優先選択肢が勝ちます。全ての受信者が応答した後で、その優先選択肢に投じられた票数がその最小得票数より少ない場合は、多数決に戻ります(その場合も、優先選択肢が勝つ場合があります)。ただし、最小パラメタを 1 に設定すると、このルールは優先選択とまったく同じように機能します。
最小得票率優先選択 指定された選択肢に指定された比率の投票があると、その選択肢が勝ちます。このルールを使用する場合は、最小得票率を指定する最小 (MINIMUM) パラメタと、どの選択肢を優先選択とするか指定する優先選択 (PREFCHOICE) パラメタを含める必要があります。たとえば、優先選択肢「Approve」の最小得票率を 25% に設定し、8 人中 2 人の受信者が「Approve」と応答した場合は、この優先選択肢が勝ちます。全ての受信者が応答した後で、その選択肢に投じられた投票率がその比率より少ない場合は、多数決に戻ります(その場合も、優先選択肢が勝つ場合があります)。
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