配賦率
配賦率では、どのように配賦元取引金額を処理して、転記する配賦金額を計算するのかを定義します。たとえば、元の配賦元金額のうち 45% だけを配賦することができます。
仕訳配賦設定 (CAD) で配賦率コードを配賦に割り当てないと、配賦元金額の 100% が配賦先の勘定科目に転記されます。
比率の定義方法
配賦率は、比率勘定科目または比率勘定科目範囲に転記することによって管理し、指定します。このため、配賦率を定義する場合は、比率勘定科目を指定する必要があります。通常はメモ勘定科目を使用します。
比率勘定科目に転記された取引を使用して、比率金額が決められます。配賦率定義は、比率勘定科目から取得される取引を識別します。該当する取引が合計され、比率金額が決められます。たとえば、比率勘定科目の累計取引または現在会計期の取引を取得します。
比率が配賦元の金額に適用され、配賦先の転記金額が決められます。選択した比率基準に応じて、次のいずれかの方法で比率が適用されます。
固定金額
どの配賦でも同じ金額を配賦するには、固定金額の比率を使用します。比率勘定科目の取引から計算された比率金額が、配賦金額として使用されます。この方法では、配賦元の金額は使用されません。
たとえば、ビルのメンテナンス費用のうち、まず GBP 1500 を本社に配賦し、定義済みのパーセンテージを使って残りの金額を配賦します。固定金額の配賦を定義するには、GBP 1500 という金額をビルメンテナンス配賦率のメモ勘定科目に転記します。これは、配賦率で参照される比率勘定科目です。
絶対パーセンテージ
配賦基準が月ごとに変動しない場合は、固定パーセンテージの配賦を使用できます。固定パーセンテージの配賦では、定義済みのパーセンテージに基づいて費用を分割できます。
絶対パーセンテージの比率基準を選択すると、比率勘定科目の取引から計算される比率金額によって、各配賦先の勘定科目に適用される配賦元の金額のパーセンテージが決まります。
たとえば、電話料金の 60% を営業部に配賦するには、60 の値を電話料金配賦率のメモ勘定科目に転記します。また、メモ勘定科目の転記で、営業部の部署コードを分析コードとして入力することもできます。元帳分析要素は、配賦率でフィルタ選択分析要素として参照する必要があります。
相対パーセンテージ
相対的な配賦方法を使用すると、元帳の他の場所で保存されている異なる 2 つの値の間の比率に基づいて配賦元の金額を配分できます。
相対パーセンテージの比率基準を選択すると、比率勘定科目の取引合計として計算される比率金額が、比率計算の合計として使用されます。比率勘定科目から選択される取引は、分析コードのフィルタ選択基準に従って分類され合計されます。比率計算は次のとおりです。
(配賦元金額 x 比率) ÷ 比率合計 = 配賦先金額
配賦率の例
各比率基準の使用について、例を挙げて説明します。
次の転記は、人数のメモ勘定科目に、各部署ごとに 1 つずつ転記されます。部署コードは、各取引の分析要素に入力されます。
元帳分析要素 1 (部署) | 転記金額 |
1 | 20 |
2 | 10 |
3 | 10 |
4 | 10 |
配賦率を定義します。人数を記録するメモ勘定科目が比率勘定科目です。フィルタ選択で元帳分析要素 1 を選択します。
消込みを実行する際に、会計期で消込まれる人件費は GBP 200 です。これが配賦元の金額です。
固定金額の比率基準
配賦率の [比率基準] を [固定金額] に設定する場合、部署 1 に配分される金額は GBP 20 です。この金額が、部署 1 の比率勘定科目に転記されます。
固定パーセンテージの比率基準
配賦率の [比率基準] を [固定パーセンテージ] に設定する場合、部署 1 に配分される金額は次のとおりです。
配賦元金額 (200) x 20 % = GBP 40
相対パーセンテージの比率基準
この場合、各部署の相対的な人数に従って、人件費を 4 つの部署に配賦します。人数のメモ勘定科目への転記は、各部署の社員数を表します。
各会計期に人数の増減だけを転記するには、配賦率設定で [残高] の [比率金額] オプションを選択します。
比率合計は、人数合計の 50 になります。これは、元帳分析要素 1 で入力されている分析コードを参照する、メモ勘定科目のすべての取引の合計として計算されます。
配賦率の [比率基準] を [相対パーセンテージ] に設定する場合、部署 1 に配分される金額は次のとおりです。
(配賦元金額 x 部署 1 の比率) ÷ 比率合計 = 部署 1 の配賦先金額
200 x 20 ÷ 50 = 80