特別償却の実行

拡張減価償却方法の 1 つである特別減価償却では、資産寿命の一定期間の間に、標準減価償却額に係数を乗算します。特別減価償却計算に使用する乗算係数と年数条件は、 [資産レコード (FAS)] で各資産レコードに定義します。

通常の減価償却額をすべて計算した後に、SunSystems [特別償却計算 (FAA)] を使用して年度末に特別減価償却額を計算できます。特別減価償却は標準減価償却と同じ会計期に転記されるため、同年度の前の会計期にさかのぼって転記できます。[特別償却計算] フォームで [取引転記] オプションを [いいえ] に設定すると、元帳転記を行わずに計算だけすることができます。計算結果を表示するレポートを何度か出力して、資産グループを最終計算に含めるかどうかを決めることができます。

注:  特別減価償却を計算する前に、 [特別償却選択 (FDA)] を使用して計算に含める資産を選択し、 [資産レコード (FAS)] の [適用開始] と [年数条件] の設定に応じて [当年度適用] オプションを設定します。 [特別控除計算 (FAR)] で既に処理されている場合と [当年度適用] チェックボックスがオフにされている場合は、当年度の資産の特別減価償却は計算されません。

特別減価償却の詳細については、『財務管理者ガイド』の「拡張減価償却の要素」を参照してください。特別減価償却の設定と実行方法については、『財務管理者ガイド』の「拡張減価償却の設定」を参照してください。

特別償却計算 (FAA)

資産クラス 始め/終り
処理対象となる資産クラスまたは資産クラス範囲。すべての資産を選択したい場合、または次のフィールドで特定の資産コードを選択したい場合は、空欄のままにしておきます。
資産コード 始め/終り
減価償却する資産コードまたは資産コード範囲。すべての資産を選択するには、これらのフィールドを空欄にします。
分析要素
資産を選択するために使用する分析要素。分析要素に関係なくすべての資産を選択するには、このフィールドを空欄にします。
分析コード 始め/終り
上記の選択基準で [分析要素] を選択している場合、この分析コードまたはコード範囲で資産が選択されます。選択した分析要素の中で、ここで指定する分析コードを参照している資産だけが特別償却で選択されます。
減価償却会計期
当年度の最終会計期を入力します。
取引転記
特別償却のレポート出力だけを行い、転記しない場合は、[いいえ] を選択します。特別償却を計算して転記するには、[はい] を選択します。必須またはオプションで仮転記を使用できる場合は、[仮転記] を選択して取引を仮取引として転記できます。特別償却レポートは常に生成されます。
転記会計期
計算されたすべての特別償却を [減価償却会計期] フィールドで指定した会計期に転記するには、[単一] を選択します。計算された特別償却を該当する会計期に転記するには、[会計期ごと] を選択します。
取引詳細出力抑制
今回の実行によって生成された資産取引だけを印刷するには、[はい] を選択します。前回の減価償却取引や資産および除却取引を含む、すべての資産取引を印刷するには、[いいえ] を選択します。
貸借対照表
特別償却の転記先となる貸借対照表の減価償却勘定科目。通常、特別償却は、 [資産レコード] で資産に設定されている [貸借対照表] 勘定科目に転記されます。 [資産レコード] で勘定科目が空欄にされていると、このフィールドで入力する勘定科目が使用されます。
注:  SunSystems は、入力される勘定科目のタイプが [貸借対照表] であるかどうかのチェックはしません。
損益
特別償却の転記先となる損益計算書の減価償却勘定科目。通常、[特別償却] は、 [資産レコード] で資産に設定されている損益計算書勘定科目に転記されます。 [資産レコード] で勘定科目が空欄にされていると、このフィールドで入力する勘定科目が使用されます。
注:  SunSystems は、入力される勘定科目のタイプが [損益] であるかどうかのチェックはしません。
損益統合
通常は、1 つの資産の特別償却計算で、貸借対照表の減価償却勘定科目と損益計算書の減価償却勘定科目に対する 2 つの転記が生成されます。このフィールドで [はい] を選択することにより、損益転記の統合方法を指定できます。

特別減価償却計算の統合

[損益統合] フィールドで [はい] を選択して [OK] をクリックすると、 [減価償却計算統合] フォームが表示されます。このフォームを使用して、損益特別償却取引の統合方法を定義できます。

資産コード 始め/終り
資産コードごとに損益計算書への転記を 1 つの取引行にまとめるには、[資産コード] チェックボックスをオンにします。統合する資産コードの範囲を指定するか、すべての資産コードをまとめたい場合は 始め と 終り のフィールドを空欄にしてチェックボックスをオンにします。
分析要素
分析コードごとに損益計算書への転記を 1 つの取引行にまとめるには、各分析要素のチェックボックスをオンにします。統合する分析コードの範囲を指定するか、すべての分析コードをまとめたい場合は [始め] と [終り] のフィールドを空欄にしてチェックボックスをオンにします。特別償却勘定科目で分析コードの入力が許可されない場合は、分析コードは削除されます。
注:  資産コードまたは分析コードで統合すると、資産コードと分析コードは統合された取引行に表示されません。

統合機能のほかにビジネスルールを使用することにより、生成取引の分析コードを設定したり、妥当性検査したりできます。これを行うには、[特別償却/控除計算] の [機能コード] をチェックする [イベントプロファイル] を作成し、[00015 挿入] または [00016 システム生成取引の分析を検証] の [呼出ポイント] を定義します。「分析コード統合」と「ビジネスルール」を参照してください。

この機能で [統合] とビジネスルールの両方を使用する場合は、ビジネスルールによって妥当性検査され設定された分析コードが優先されます。分析コードが異なる場合は、[統合] によって設定された分析コードは上書きされます。これは、統合処理の後にビジネスルールが実行され、ビジネスルールによって生成取引の分析コードが設定されるためです。

注:  呼出ポイント [0015] または [0016] を使うビジネスルールの妥当性検査に取引が失敗すると、デフォルトでは取引レポートにエラーメッセージが表示されません。これは、SunSystems サンプルレポートに含められていないためです。分析コードの妥当性検査に関するエラーを表示するには、該当する列を減価償却取引レポートに追加します。