多通貨仕訳の入力
元帳取引には、基本通貨、取引通貨、第 2 基本/レポート通貨、第 4 通貨の 4 つの通貨値を入力できます。組織で使用する通貨と転記ルールは [ビジネスユニット設定] によって決まります。また、基本通貨、取引通貨、第 2 基本/レポート通貨を計算する際の基準となるピボット通貨もビジネスユニットで定義します。
[ビジネスユニット設定] は仕訳タイプ定義とともに使用され、多通貨取引で必要な情報を制御します。 [仕訳タイプ (JNT)] を使用すると、特定の仕訳タイプに対してビジネスユニット通貨転記ルールを上書きできます。
通常、 [元帳入力 (LEN)] では以下の通貨レートと金額フィールドが表示されます。表示される内容は、フォームのデザインや転記ルールによって異なります。
- 取引通貨コード、ピボット通貨からの換算レート、金額
- 基本通貨コード、ピボット通貨からの換算レート、金額
- 第 2 基本/レポート通貨コード、ピボット通貨からの換算レート、金額
- 第 4 通貨コード、計算元通貨からの換算レート、金額
仕訳タイプに仕訳プリセットを適用すると、通貨コードとレートの一部をプリセットできます。
通貨コードの入力
基本通貨コードと第 2 基本/レポート通貨コードは、ビジネスユニットに固定の通貨です。このため、これらのコードは自動的に表示され、変更できません。 [ビジネスユニット設定] で第 4 通貨が指定されている場合は、第 4 通貨コードをビジネスユニットで固定にすることもできます。
金額を入力できる場合は、取引ごとに異なる取引通貨を使用できます。取引通貨のコードは必ず入力する必要があります。取引通貨コードは、仕訳プリセットで設定できます。プリセットコードの上書きが可能かどうかは、プリセットが強制されているかどうかによって異なります。たとえば、特定の仕訳タイプをユーロで受領する請求書だけに使用し、仕訳プリセットの標準取引通貨を EUR にします。
各取引で第 4 通貨として異なる通貨を使用し、同じルールを適用できます。
標準通貨コードは、1 つの勘定科目または資産に設定することもでき、またはビジネスルールから設定することもできます。標準コードは、プリセット通貨コードを上書きします。
通貨レートの入力
通貨レートは、 [通貨コード (CNC)] の通貨の [日次換算レート使用] 設定に基づいて、 [会計期レート (CNP)] または [日次換算レート (CND)] のいずれかから選択されます。必要に応じて、レートを [仕訳プリセット (JNP)] で事前に設定できます。通貨レートが指定されていない場合は、 [仕訳タイプ (JNT)] で定義されている [通貨レートタイプ] が使用されます。[通貨レートタイプ] が設定されていない場合は、標準通貨レートタイプが使用されます。さらに、レート許容差チェックが必要な場合は、 [仕訳タイプ (JNT)] のレートタイプが使用されます。
取引に 4 つのすべての通貨値が必要な場合は、4 つのレートが入力または表示されます。ピボット通貨のレートは常に 1.0 です。値 1、2、3 などの他のレートは、ピボット通貨から目的の通貨に換算するために必要になります。たとえば、ピボット通貨が基本通貨 ([GBP]) で、[EUR] の取引通貨が入力されると、GBP から EUR への換算レートが取引通貨換算レートとして使用されます。「通貨レートの表し方」を参照してください。
第 4 通貨レートは、第 4 通貨の計算元通貨値から第 4 通貨値への換算レートで、 [ビジネスユニット設定] で定義します。
日次レートまたは会計期レート
日次換算レートは、選択した通貨のいずれかに対して、 [通貨コード (CNC)] の [日次換算レート使用] フィールドが [はい] に設定されている場合に使用されます。取引行に入力されている取引日または日数許容範囲限度内に日次レートが定義されていないと、通貨詳細を入力できません。「日次換算レートの適用のしくみ」を参照してください。
日次レートを使用していない場合は、 [会計期レート (CNP)] レコードの会計期レートが使用されます。1 つの通貨コードに対して複数の通貨会計期レートを定義できます。たとえば、1 つの通貨コードに対して、勘定科目範囲と会計期ごとに異なるレートを適用できます。システムによって適切な換算レートが選択され、適用されます。「会計期レートの適用のしくみ」を参照してください。
レートが見つからない場合、通貨コードは [元帳入力] で拒否されます。
スポットレート
[会計期レート (CNP)] または [日次換算レート (CND)] に保存されるレートのほかに、取引のスポットレートを入力できます。スポットレートを入力して許容差チェックを適用すると、入力したレートがチェックされて、元の会計期レートまたは日次レートに設定されている許容差範囲内であるかが確認されます。入力したレートと定義済みの換算レートとの差異は、許容率内でなければなりません。これにより、極端に不正確なレートが誤って入力されることが防止されます。「レート許容差チェック」を参照してください。
通貨金額の入力
取引には少なくとも 1 つの金額を入力しなければなりません。この金額を基に通貨レートを使用して、別の取引金額が計算されます。この金額をピボット通貨で入力しない場合は、まずピボット通貨に換算されます (最初の 3 つの通貨はピボットを介して換算されるためです) 。この計算の詳細については、「通貨換算のしくみ」を参照してください。
通常は、計算された値を受け入れます。計算された値を修正する場合は、それに従って換算レートが再計算されます。
計算値の調整
入力した金額とレートが矛盾する場合は、どちらかの入力を変更するように求められます。たとえば、基本金額 100.00 と 取引金額 150.00 を入力し、レートを 2.0 と入力した場合は、金額とレートのどちらかを変更しなければなりません。
計算されたレートと値が適切でなく、取引で使用したくない場合は、値またはレートを変更する必要があります。その他の値は空欄にします。指定されたレートを基に、正しい値が自動的に計算されます。