Mongoose の更新

Mongoose バージョン

CloudSuite Business の本バージョンは、バージョン 9.03 の Mongoose を使用しています。

ユーザインタフェースの拡張

全ての Mongoose のフォーム、コンポーネント、および管理を、現在の Infor のスタイルの標準へと更新することで、ユーザインタフェースを改装しました。

ソフトウェアの更新と認定

Infor Mongoose の本リリースは、Windows 10、Windows Server 2012 R2、SQL Server 2014 のシステムで正常に動作することが認定されています。また、Web クライアントをアップグレードし、Ext JS 5.1 を使用するようにしました(以前は 3.4)。これを実装するために、Web クライアントのリソースを単一の javaScript に構築し、スタイルシートのファイルをリリースファイルのセットに含めるように構築しました。また、本リリースでは、Mongoose は、フレームワーク全体に渡って、連邦情報処理標準(FIPS)140-2 に準拠しています。この準拠により、アプリケーションデータベース内のライセンスのレコードが、正しいレベルで暗号化 / 暗号化解除されるようになります。これによって、FIPS 用のローカルのセキュリティポリシーを有効にする必要がある環境で、Mongoose ベースのアプリケーションを実行できるようになります(「システム暗号化:暗号化、ハッシング、署名に、FIPS 準拠のアルゴリズムを使用します」)。この変更は、ライセンスのデータが、FIPS に準拠していないアルゴリズム(MD5 ハッシュ)で暗号化されている、アプリケーションデータベースへの後方互換性もサポートしています。MD5 アルゴリズムのみで暗号化されているアプリケーションデータベースと共にフレームワークが実行される場合、ライセンス確認はまだ成功するはずです。しかし、この場合には、FIPS に準拠したアルゴリズム用のローカルのセキュリティポリシーを無効にする必要があります。Mongoose ベースのアプリケーションのユーザ / 管理者は、完全にアップグレードされたアプリケーションデータベースにおいて、「システム暗号化:暗号化、ハッシング、署名に、FIPS 準拠のアルゴリズムを使用します」というローカルのセキュリティポリシーを有効にできるようになったという事実以外には、変更に気づきません。完全にアップグレードされたアップグレードデータベースには、全ての Mongoose 9.03 のアップグレードと、[ライセンスマネージャ] フォームの [ライセンスを適用] 処理を使用した、既存(または新規)のライセンス文書の適用が含まれます。

変換可能な文字列ラベルの変更

変換可能な文字列ラベルの「ハンドコード」という用語の全てのインスタンスが、「.NET」に変更されました。変換可能な文字列ラベルの「カスタムアセンブリ」の全てのインスタンスが、「IDO 拡張クラスアセンブリ」、またはこれが長すぎる場所では「IDO アセンブリ」に変更されました。

高速構成オプション

基本機能のみを必要とし、デフォルト値を受け入れるユーザのために、基本インストールの構成を簡素化しました。この新たなオプションによって、選択すべきコンポーネントを決定する必要なく、Mongoose を構成できます。

[コレクションをソート] オプションでのキャプションの表示

[システム] メニュー > [編集] > [コレクションをソート] オプションから表示できる [ソート] ダイアログボックスは、コレクションをソートするためのプロパティの一覧を常に提供してきました。[コレクション内の値を検索] または [コレクション内の値を置き換える] オプションに表示される同様のダイアログボックスとは異なり、これらのプロパティに関連する変換されたキャプションも、ドロップダウンリストには表示されません。[コレクションをソート] ドロップダウンリストを修正し、[ソート] ダイアログボックスにキャプションをプロパティ名と共に表示するようにしました。

カレンダコンポーネントの拡張

カレンダコンポーネントを拡張し、WinStudio クライアントと Web クライアントの両方でエンドユーザが外観を更に制御できるようにしました。テーマエディタに、カレンダの全ての要素で使用される色とフォントを管理するオプションが追加されました。また、WinStudio クライアントと Web クライアントの両方でカレンダコンポーネントのレンダリングを拡張し、両者の一貫性を向上させました。

グリッド管理の改良

WPF グリッド管理を新たな WPF グリッド管理に置き換え、グリッドのパフォーマンスが最適化および改良されました。サブコレクションと垂直グリッドに使用されるグリッドを含む、全てのグリッドが改良されます。

ビューを持つテーブルの自動再生成

ビューを持つテーブルについて、テーブルまたはそのカラムの一部が変更されると、ビューが自動で再生成されるようになりました。テーブルとそのカラムを修正するユーザは、 [ビューの管理] フォームを呼び出してビューを再生成する必要がなくなりました。また、ビューを持つテーブルが削除されると、そのビューも削除されます。

Actipro スタック / 整列オプションの無効化

WinStudio スマートクライアントである Actipro の、フォームをスタックまたは整列するオプションが無効化されました。つまり、[ユーザ設定] で [タブレイアウト] オプションが選択されている場合に、Actipro のドックのオプションが無効化されます。

DataView の結果を Excel にエクスポートする機能

DataView の結果を Web クライアントから Excel ファイルにエクスポートする機能を追加しました。この機能は既に存在するスマートクライアントの機能に似ていますが、グループ化を含む DataView の結果はエクスポートできないほか、Web クライアントでは Excel のみにエクスポートできます(XPS は非対応)。

SQLCLR コードの削除

アプリケーションデータベース内の SQLCLR コードは、クラウドでセキュリティ上の問題の原因となっていたほか、インストールされたコード内の破損という進行中の問題がありました。これらの問題により、SQLCLR コードをアプリケーションデータベースから削除しました。

サービスが新しいコンフィギュレーションを再起動せずにロード

主にクラウドの運用を容易にするために、Infor Framework サービスの多くは、新たなコンフィギュレーションや修正されたコンフィギュレーションを、再起動することなくロードできるようになりました。これらのサービスには、Taskman サービス、イベントサービス、レプリケーションサービス、ReplQListener サービス、およびインバウンドバスサービスが含まれます。

MARS 接続のデフォルトの解除

本リリースでは、SQL サーバの接続を行う際に、複数のアクティブな結果セット(MARS)接続がデフォルトではなくなりました。一部の Mongoose ベースのアプリケーションで、移動オーダ処理を行う際に、MARS 接続がエラーを起こしていました。MARS 設定は通常の Mongoose の運用では必要ありません。特定の Mongoose ベースのアプリケーションで MARS を使用する必要がある場合は、システム管理者が、コンフィグレーションマネージャ内の [Misc. Connect Info] フィールドの値を「;MultpleActiveResultSets=True」に設定します。

コンフィギュレーション用の単一のデータベースのオプション

クラウドのインストールの簡素化に対するニーズに応えて、全てのメタデータに対して単一のデータベースを使用して Mongoose を構成するオプションを提供します。このオプションには、単一のデータベース内の全てのフォーム、フォームテンプレート、オブジェクト、およびアプリケーションのメタデータが含まれます。このオプションは、コンフィギュレーションウィザードを使用して初期構成中に選択する必要があります。インストールが完了すると、同じデータベースを使用して、コンフィギュレーションマネージャ内で全てのデータベースのアクセスを構成できます。

クラウド内の監視を記録する新たな Windows サービス

ログモニタユーティリティ(logmonitor.exe)と同じトラフィックを監視する Windows サービスを作成しました。この新しいサービスは、クラウドのログ管理ツールとして SumoLogic を使用する Cloud 2.0 ツールに受信した全てのデータを記録します。この新たなサービスは、Windows サービス管理コンソールに「Infor Framework Log Monitor Service」として表示されます。このサービスを使用するには、SumoLogic Collector ツールも構成する必要があります。このツールについての詳細は、SumoLogic の Web サイトを参照してください。

XPAB と RSDAO オプションの削除

スマートクライアント経由サーバ(XBAP)クライアントは廃止となり、関連する全てのオプションが削除されました。加えて、RSDAO に関連する全てのプロジェクトも削除されました。

システムの健全性チェック用の CLI オプション

多数の Infor Framework サービスで、システムの健全性チェックを実行する機能を追加しました。これらの健全性チェックは、コンフィギュレーションマネージャの実行ファイル(ConfigManager.exe)でコマンドラインインタフェース(CLI)オプションを使用して実行できます。コンフィギュレーションマネージャのヘルプ「CLI options with Configuration Manager」を参照してください。

ライセンス消費フォームにサイトカラムを追加

[ユーザ接続別ライセンスモジュール] フォームに表示されるグリッドに、サイトカラムを追加しました。マルチサイトの設定で、どのサイトユーザが接続しているのかをシステム管理者が監視したい場合に便利です。

潜在的な BOD の順序のエラーの防止

受信した BOD の順序が異なるという潜在的な問題を防止するために、新たなストアドプロシージャを追加しました。新たな処理により、受信した BOD の最新バージョンのみが確実に処理されます。このために、全ての受信 BOD から特定のデータを収集する BOD 情報テーブルを追加しました。また、新たなコアフォーム(BOD 情報のパージ)を作成しました。これにより、管理者はこのテーブル内の情報を自動または手動でパージできます。

IncDateSp のコア関連の SQL モジュールを処理するための新たなストアドプロシージャ

IncDateSp と呼ばれるストアドプロシージャのアプリケーション固有のバージョンを改訂し、核となる Mongoose に追加しました。ストアドプロシージャの当社のバージョンは、EventHandlerState.RetestAtDate および EventTrigger_mst.RetestAtDatecolumns を無視します。同時に、コア内の基本プロセスを維持し、他のアプリケーション固有のストアドプロシージャに対する様々な呼び出しを使用して、特定の操作を実行します。

Infor Ming.Le での実行時のアプリケーションのロケールと言語の設定

Infor Ming.le 内で起動している Mongoose ベースのアプリケーションが、ユーザのブラウザのロケールと言語の設定を、Ming.le 環境で指定された値で上書きできるようになりました。これらの値は URL パラメタとして指定されます。

Visual Studio 2015 のサポート追加

スクリプトのオーサリングと編集用に、Visual Studio 2015 がサポートされるようになりました。Visual Studio 2013 のサポートも継続します。これらのオプションは [ユーザ設定] にあります。

複数のデバイス区分のフォームでのチャートとゲージのサポート

フォーム上のチャートとゲージのコンポーネント区分を「非共有」する機能を追加しました。これにより、フォームの開発者が、これらのコンポーネントを含むフォームの、異なるデバイス区分のバージョンを作成できるようになります。

タブオーダの自動番号付与

以前は、設計モードで新たなコンポーネントを作成する際は、デフォルトのタブオーダの設定は常に 0(ゼロ)でした。デフォルトの動作を変更し、新たなコンポーネントのタブオーダ設定の値が、フォーム上で現在使用されている最も大きい値に 1 を足した値になるように自動で設定されます。マルチビューフォームの場合には、このタブオーダの自動番号付与機能は、コンポーネントが作成されたビューにのみ適用されます。

リストからのみ設定バリデータの重複

リストからのみ設定バリデータが重複し、[バリデータプロパティ] ダイアログボックス上の [区分] ドロップダウンリストから利用できなくなりました。しかし、後方互換性のために機能は継続してサポートされます。検索するコレクションバリデータ区分を代わりに使用してください。

IDO プロパティから HTML 属性を削除

HTML 属性が廃止されたため、IDO プロパティから削除しました。[HTML] フィールドは [IDO プロパティ] フォームに表示されなくなります。

複数選択のリストボックス用のデータ変更イベントの生成

選択されたレコードに対して、複数の選択をするために、Ctrl + クリックやその他のキーボードでの方法が使用される場合、リストボックスコンポーネントに定義された任意のデータ変更イベントを生成します。

標準またはカスタムのメソッドを作成する際に IDO メソッドを選択するための新たなオプション

標準またはカスタムロードの .NET メソッドを使用して IDO メソッドを作成する際、Mongoose は [新規メソッド] フォーム上にメソッドを選択するドロップダウンリストを提供します。メソッドが選択されると、WinStudio が [IDOメソッド] フォームにパラメタを入力します。

コンテキストメニュー上の実行メニューの配置

従来は、コンテキスト(右クリック)メニュー上の実行メニューの項目は、常にコンテキストメニューの項目のリストの最初に追加されました。この拡張により、フォームの開発者はこれらのコンテキストメニューの項目がリスト内のどこに表示されるのかを制御できるようになります。開発者は StdCurCompAction インベントをメニュー項目のプレースホルダとして使用できます。これを、メニュー項目のリスト内の希望の場所に配置します。また、名前に「実行」を含む全ての標準のコンテキストメニューを並べ替え、StdCurCompActionitems をコンテキストメニューの最後にデフォルトで表示するようにしました。これらの項目の配置が望ましくない場合、開発者はメニューを並べ替えたりカスタムのメニューを使用したりできます。

SaaS の確認のための IDO メソッド

ライセンスが SaaS(サービスとしてのソフトウェア)のライセンスなのかどうかを確認するために使用する IDO メソッドを作成しました。このメソッドは、値 IDORuntime.Context.LicenseInfo.SAASEnabled プロパティを返します。

管理クライアント内の BUS ツール

既存の開発ツールである BusInboxHost.exe および BUSPrototype.exe の 2 つを、開発者が使用する管理クライアントのインストールに組み込みました。これらのツールはアプリケーションサーバのインストール内に既に存在します。

「\n」を改行コマンドまたはリテラル値として解釈するオプション

文字を含めることができるコンポーネントについて、キー順序 \n を、改行のエスケープシーケンスまたはリテラル値のいずれかとして解釈させるオプションが追加されました。影響を受けるコンポーネントには、スタティック、オプションボタン、チェックボックス、およびボタンコンポーネントが含まれます。このオプションは、個々のコンポーネントレベルでの新たなプロパティを使用して設定されます。

新たな FORMONLYMODE キーワード

フォームが FormOnly モードで現在開かれてるかどうかを判断するために使用できる、新たな FORMONLYMODE 置換キーワードを追加しました。

条件アクションの編集に対する警告

設計モードで、開発者が以下に該当する条件アクションに対して変更を加えようとした際に、条件アクションのエディタが検知する機能を追加しました。
  • 以前に条件アクションの通常の機能を超える方法で編集されたことがあり、
  • 開発者に対して、続行すると元の式を失う原因になると警告を発するもの。この警告は、編集操作をキャンセルする方法も提供します。

このようなケースでは、開発者の次の選択肢として、条件アクションの式を直接編集します。

グリッドのコンポーネント用にカラムを拡大するプロパティを追加

カラムの拡大という、[グリッド] フォームのコンポーネント用の新たな属性が追加されました。この新たなプロパティにより、通常はグリッドを目一杯表示できない場合に、横方向で空いているスペースを埋めるようにグリッドの表示を拡大できます。この新たなプロパティは、[コンポーネント] プロパティシートの [その他] > [特有の属性] セクションにあります。

[ユーザ名] フィールドの文字数の増加

UserNameType の長さを、以前の 30 文字制限から 128 文字に増加させました。UI のこれらのフィールドの外観は変更していません。代わりに、長い値に対応するためにスクロールします。

メニューを非表示にするための新たな URL パラメタ

Web クライアントセッションの URL に追加できる、新たなセッションスタートアップパラメタを追加しました。これにより、クライアントのウィンドウを開いた際にメインメニューを非表示にできます。このパラメタは menu=hidden です。

ドロップダウンリスト内の変数名の表示

アプリケーションイベントシステムにおいて、変数の任意のドロップダウンリストが、ハンドラ内の任意の通知またはプロンプト操作に対して [変数アクセス] タブに入力された、変数名を表示するようになりました。選択したハンドラに対して変数名のリストを表示しようとも、これらの変数名は表示されます。従来は、[イベント実行] フォームの [パラメタ] タブを使用して入力および保存された変数のみが、変数のドロップダウンリストに含まれていました。この変更により、[変数アクセス] タブで入力および表示された変数も、これらのリストで表示されるようになります。つまり、現在のイベントハンドラについて、任意の通知またはプロンプト操作で定義された全ての変数の名前が、以下に表示されるようになりました。
  • イベント実行値設定のエディタ上の変数名のリスト
  • イベント式エディタ上の式リスト
  • [イベント実行] フォームの [変数アクセス] タブの [名前] カラム(適切な場合は、ペイロード変数も表示します)

外部アプリケーション内の IDO 上で操作されるイベント実行

外部の Mongoose アプリケーションで IDO 操作を実行するために使用できる、4 つの新たなイベント実行を作成しました。4 つの新たな実行とは、差立 IDO メソッド、差立ロードコレクション、差立ロード IDO 行、および差立コレクション更新です。これらの新たな実行は、対応するその内部アプリケーション(それぞれ IDO 呼出メソッド、ロードコレクション、ロード IDO 行、およびコレクション更新)と似た方法で機能します。新たな実行はそれぞれ、独自の関連するイベント実行フォームを持っています。