元帳換算
元帳換算 (LCN) は、元帳取引、アーカイブ取引、予算取引を既存の元のビジネスユニットから新しい対象ビジネスユニットに転送します。これによって追加の通貨値を生成したり、既存の通貨値を置き換えたり、対象ビジネスユニットのピボット通貨を変更したりできます。
元帳換算 (LCN) は、指定される換算ルールに従って、元のビジネスユニットのすべての取引をコピーまたは変換します。静的データは、どちらのビジネスユニットでも作成されず、修正されません。このため、元帳換算 (LCN) を使用する前に、対象ビジネスユニットに静的データが存在している必要があります。新しいビジネスユニットを作成して設定し、静的データを定義する必要があります。
元帳換算の選択肢
元帳換算 (LCN) を使用して、通貨値の置換と生成、ピボット通貨の変更を行うことができます。次の 3 つの換算シナリオを使用できます。
- ピボット通貨を変更しないで、値の置換または生成を行います。
- 値の置換または生成と、ピボット通貨の変更を行います。
- 値フィールドの使用設定を変更しないで、ピボット通貨の変更だけを行います。
値を生成する
元帳換算 (LCN) では、元のデータベースの各取引の選択した値に換算レートを適用することによって、対象ビジネスユニットで新しい値を生成することができます。たとえば、基本通貨値にレートを適用して、値 3 としてユーロの値を作成できます。
メモ値を生成することはできません。置換を使用する場合にのみ、メモ値を指定できます。
対象ビジネスユニットの財務データの整合性を保つために、元帳換算 (LCN) は、生成される取引の貸借が一致することを確認し、必要な場合は調整取引を生成します。この差額調整は、対象ビジネスユニットで、合計、年度、会計期による 3 つのレベルのいずれかで実行できます。調整取引は、元帳設定に基づいて正式転記または仮転記として生成できます。
値を置き換える
元帳換算 (LCN) は、元のビジネスユニットの値から対象ビジネスユニットの値へ、値を置き換えることができます。たとえば、ユーロの値を、元のビジネスユニットの値 1 から対象ビジネスユニットの値 3 に置き換えることができます。
実行できる置換には次のルールが適用されます。
- 値 1 は、値 3 またはメモ値に自由に置き換えることができます。
- 値 2 の元金額がすべて同じ通貨で保存されている場合にのみ、値 2 を値 1 または値 3 に置き換えることができます。
- 値 2 は、メモ値に自由に置き換えることができます。
- 値 3 は、値 1 とメモ値に自由に置き換えることができます。
- 固定資産モジュールを使用しない場合にのみ、値 1 または値 3 を値 2 に置き換えることができます。これは、資産では財務勘定科目での値 2 の扱い方が異なるためです。
- メモ値は、値 4 にのみ置き換えることができます。
元帳換算レポート
元帳換算 (LCN) ではレポートを 3 つまで作成できます。
- エラーレポート - 必要な換算レートが見つからない項目、勘定科目コードが見つからない例外、特定の金額を転記するためにオープンでない勘定科目または資産い、その他の検出されたエラーなどが表示されます。少なくとも 1 つのエラーが出力されると、他の 2 つのレポートは作成されません。
- 元のビジネスユニットの取引に関する取引一覧
- 生成される対象ビジネスユニットの取引に関する取引一覧
元帳換算 (LCN) は、多数の取引を生成し転記することを可能にする効果的なユーティリティです。このため、妥当性検査のみ オプションを使用して元帳換算処理をチェックすることができます。[妥当性検査のみ] オプションでは、エラーレポートは作成されますが、取引の生成や対象ビジネスユニットへの転記は行われません。
エラーが解決したら、元帳換算 (LCN) を再び実行して換算を行い、対象ビジネスユニットの取引を生成できます。