資産一部除却

[資産一部除却 (FAF)] では、資産を選択して除却対象の数量を入力することにより、資産の一部を除却できます。これは、選択した資産の現在の資産数量のすべてまたは一部となります。関連する除却転記が生成され、取引がレポートに表示されます。

たとえば、会社で同じ椅子を 100 脚購入し、資産コード CH01、数量 100、当初取得金額 10,000 ユーロという資産レコードを 1 つ作成したとします。1 年後に 20 脚を売却または除却すると、資産台帳から削除しなければなりません。資産台帳では、元の資産数量 100 脚のうち 20 脚が一部除却されます。 [資産除却 (FAF)] を使用して、一部除却分の転記を自動生成し、資産 CH01 の資産数量を 80 に設定して、金額と償却累計額を 20% 削減します。これにより、100 脚のうち除却された 20 脚が反映されます。

資産数量の使用

資産の一部を除却するには、 [元帳入力 (LEN)] で資産数量を転記する必要があります。 [元帳入力 (LEN)] で資産数量を記録するには、事前に次の設定を確認する必要があります。

  • [元帳設定 (LES)] の [全般] タブで [資産数量の使用] チェックボックスをオンにする必要があります。
  • [フォームデザイナ (FRD)] を使用して、メモ金額を含む [元帳入力 (LEN)] フォームを使用できるようにする必要があります。[メモ金額] は、資産数量の入力に使用します。
  • [ビジネスユニット設定] の [メモ値] タブで [非通貨値転記ルール] が [0-未定義] に設定されていないこと
  • [仕訳タイプ設定 (転記上書き)] で [メモ転記ルール上書き] が [0-未定義] に設定されていないこと

資産数量の一部除却

資産の一部除却には次の 2 つのステージが必要です。

  1. 資産の一部を売却した場合は、 [元帳入力 (LEN)] で資産の一部の売上処理を手動で転記します。
    注:  資産の一部を除却する前に、売却金額を転記する必要があります。
  2. [資産一部除却 (FAF)] を使用して資産を選択し、除却する数量を入力します。

資産が [資産一部除却] によって処理されると、 [資産レコード (FAS)] の資産に [一部除却済] フラグと [一部除却会計期] が設定されます。

注:  一部除却では、資産の予算はチェックまたは修正されません。超過経費チェックを使用している場合、予算が超過しても、 [資産一部除却] 時に取引は転記されます。

一部除却会計期を指定する

除却会計期が資産一部除却処理で選択されている会計期範囲内であれば、取引は、資産レコードに指定されている一部除却会計期に転記されます。資産レコードの一部除却会計期が空欄の場合、生成される一部除却取引は、入力範囲の最後の会計期に転記されます。資産レコードの一部除却会計期も、この会計期に更新されます。

一部除却転記

次の転記が生成されます。

  • 除却数量分の資産金額を、貸借対照表の資産勘定科目に貸方計上する転記。この取引には、資産コードと [当初取得価額] の資産記号が含まれます。
  • 同じ除却償却分の資産金額を、 [資産一部除却] で指定されている損益勘定科目に借方計上する転記
  • 除却数量分の償却累計額を、貸借対照表の償却累計額勘定科目に借方計上する転記。この取引には、資産コードと [減価償却額] の資産記号が含まれます。
  • 除却数量分の償却累計額を、 [資産一部除却] で指定されている損益勘定科目に貸方計上する転記

資産転記プリセット

[資産転記プリセット] を使用して資産取引に分析コードを割り当てている場合は、一部除却を行った後にどのように変更するか考えなければならない場合があります。 [資産レコード (FAS)] から [資産転記プリセット] にアクセスして、分析コードに配分する各資産取引にそれぞれ異なる資産補助コードを使用できます。詳細については、「資産転記分析コードをプリセットする」を参照してください。

たとえば、[資産転記プリセット] によって、資産取引の 20% は会社の所有でなくなった場所の分析コードに既に配分されているとします。資産一部除却を行った後は、この場所分 20% の資産補助コードを削除し、残りの資産補助コードが残りの場所分析コードに比例して再配分されるようにする必要があります。

注:  資産転記プリセットの補助コードを使用してプリセット係数に基づいて償却金額を複数の分析コードに配分している場合は、累計償却の一部除却でも同じ係数が適用されます。「資産転記分析コードのプリセット」を参照してください。除却取引に転記される分析コードは、必要があれば [個別消込み] を使って後で変更できます。

ビジネスルール

資産と転記する際の分析コードをプリセットするほかにも、ビジネスルールを使用する方法で、資産除却で生成される取引に分析コードを設定し、妥当性を検証することができます。これを行うには、[減価償却] の [機能コード] をチェックする [イベントプロファイル] を作成し、[00015 挿入] または [00016 システム生成取引の分析を検証] の [呼出ポイント] を定義します。

注:  この機能で [資産転記プリセット] とビジネスルールの両方を使用する場合は、ビジネスルールによって妥当性検査および設定された分析コードが優先されます。[資産転記プリセット] によって設定された分析コードは上書きされます。これは、 [資産一部除却] 処理の後にビジネスルールが実行され、ビジネスルールによって生成取引の分析コードが設定されるためです。
注:  呼出ポイント [0015] または [0016] を使うビジネスルールの妥当性検査に取引が失敗すると、デフォルトでは取引レポートにエラーメッセージが表示されません。これは、SunSystems サンプルレポートに含められていないためです。分析コードの妥当性検査に関するエラーを表示するには、該当する列を資産除却取引レポートに追加します。