個別決済上書き
[個別決済上書き] 機能を使用すると、仕入先勘定科目に調整を転記し、この取引を支払実行に含めると同時に、仕入先勘定科目から調整を自動的に逆仕訳して実際の勘定科目残高を合わせることができます。たとえば、個別決済上書きを入力して、商品を受領するために緊急に支払う必要があったものの、郵送で紛失してしまった請求書を記録することができます。
[個別決済上書き] 機能は、 [元帳設定 (LES)] で有効にされている場合のみ使用することができ、許可されているユーザーだけが使用できます。
個別決済上書きと相殺取引を記録する
個別決済上書き取引は、コントロールデスク処理オプションを使って勘定科目に入力します。取引自体は [元帳入力] フォームに入力しますが、[元帳入力] フォームにはコントロールデスクからアクセスします。
ユーザーが入力する必要があるのは、選択した仕入先勘定科目の個別決済上書き取引だけです。この取引を転記すると、残高調整相殺取引が自動的に生成されます。どちらの取引も仕入先勘定科目に転記されます。これにより、仕入先勘定科目の残高が正しく保持され、複式簿記の原則が保たれます。
個別決済上書き取引は、ただちに支払対象にすることができます。相殺取引には [保留] の消込みマーカーが自動的に割り当てられ、支払対象として選択できません。
個別決済上書き取引を支払う
個別決済上書き取引は、通常どおり仕入先に対する支払実行に含められます。相殺取引には [保留] の消込みマーカーが割り当てられるため、選択できません。
ただし、ここで実行される支払処理には、通常とは異なる点がいくつかあります。
支払取引と、支払対象として選択された取引は、自動的に照合されません。照合は、 [個別消込み (ACA)] 、 [オンライン消込み] 、 [取引照合 (TRM)] のいずれかの照合機能を使用して、手動で実行する必要があります。
支払実行によって個別決済上書き取引が支払われると、相殺取引の [保留] 消込みマーカーは自動的に削除されます。
通常どおりに支払が生成されますが、送金通知書は生成できません。
仮/正式個別決済上書き
個別決済上書き取引を、正式取引または仮取引として仕入先勘定科目に生成することができます。これによって、支払が生成された後も、決済上書き取引が仕入先勘定科目に表示されるかどうかが決まります。これは [元帳設定] で指定できます。
取引を正式取引として処理する場合は、取引が常に勘定科目に表示されます。
取引を仮取引として処理する場合、支払実行に上書き取引が含まれていると、取引とその相殺取引に [訂正] の消込みマーカーが割り当てられます。このマーカーが付けられた取引は管理レポートや照会で除外されるため、表示されません。
消込みマーカーの詳細については、「消込みマーカー」と「使用可能な消込みマーカー」を参照してください。
実績請求書を記録する
実績請求書またはクレジットノートが受領されると、これらは通常どおり仕入先勘定科目に転記されます。この取引は、仕入先勘定科目で未処理のままの個別決済上書き相殺取引によって相殺されます。
次に勘定科目の支払実行が行われるときに、相殺取引と実績取引が自動的に支払対象として選択されて相互に相殺するため、次の仕入先の支払に影響しません。