実現/未実現の換算差異を転記する

通貨の換算差異は SunSystems によって自動的に生成されます。この換算差異には、実現差損益と未実現差損益が含まれます。

未実現の換算差異は、必要に応じて為替再評価計算 (LER) によって計算されます。

実現差益と差損は、次の機能によって自動的に生成されます。

  • 元帳入力のオンライン消込み
  • 個別消込み (ACA)
  • 取引照合 (TRM)
  • 調整マネージャ (RCM)

換算差異の勘定科目を指定する

実現および未実現の換算差異に使用する勘定科目は、個別に定義できます。必要に応じて、差益と差損をそれぞれ別の勘定科目に転記することもできます。

換算差異の勘定科目は、次の 2 つの異なるレベルで定義できます。

  • 通貨コード (CNC) を使用して通貨で定義する。
  • 会計期換算レート (CNP) または日次換算レート (CND) を使用して通貨レートで定義する。

会計期レートまたは日次レートで定義した勘定科目によって、通貨に定義した勘定科目全体が上書き変更されます。または、これらのフィールドを空欄にして、実行時に換算差異の勘定科目を入力することもできます。

注: 日次レートに関しては、実現換算差異の勘定科目のみを定義することができ、未実現の勘定科目は定義できません。これは、未実現換算差異を計算する為替再評価計算は、会計期レートを使用しないと実行できないためです。

実現差損益

実現差益と差損は、取引を取引通貨で消込んだり照合するときに生成されます。照合された取引で異なる換算レートが使用され、基本通貨金額と第 2 基本/レポート通貨金額に違いが生じた場合に、差益や差損が発生します。

実現差益または差損は、取引照合における基本通貨金額間の差異、または第 2 基本/レポート通貨金額間の差異に相当します。

通貨レートレベルと通貨コードレベルの両方で次の 2 つの異なる実現換算差異勘定科目を定義できます。

  • 実現正味/差損勘定科目 - 会計期レート、日次レート、または通貨を使用して計算された正味の実現金額または実現差損の転記先となる勘定科目のコード
  • 実現差益勘定科目 - 会計期レート、日次レート、または通貨を使用して計算された実現差益の転記先となる勘定科目のコード

実現差益勘定科目を定義しない場合、実現金額はすべて実現正味/差損勘定科目に転記されます。

注: 支払を取引通貨で支払ったり集金する場合は、支払実行および入金調整実行によって、過去の取引レートを使用して支払取引が作成されます。

これらの支払に続いて銀行口座が異なるレートで決済される場合は、調整マネージャまたは照合機能の 1 つを使用して、実現換算差異を計算したり転記できます。

未実現差損益

未実現差損益は為替再評価計算 (LER) で計算されます。これらを定期的に計算し、通貨変動の結果発生する「予期される」差益や差損を記録できます。

通貨会計期レートと通貨コードの両方のレベルで次の 2 つの異なる未実現換算差異の勘定科目を定義できます。

  • 未実現正味/差損勘定科目 - 会計期レートか通貨を使用して計算された、正味の未実現金額または未実現差損の転記先となる勘定科目のコード。この勘定科目に正味金額が転記されるのか、または差損のみが転記されるのかについては、以下に説明する元帳設定 (LES) での換算差益/差損転記ルールの設定によって異なります。
  • 未実現差益勘定科目 - 会計期レートまたは通貨を使用して計算された未実現差益の転記先となる勘定科目コード。

これらのいずれかで勘定科目が指定されていない場合は、為替再評価計算 (LER) での入力内容によって決められます。

換算差益/差損転記ルール

元帳設定の [換算差益/差損転記ルール] では、再評価の差損や差益を転記する方法を指定します。次の 4 つのオプションがあります。

  • 正味差益/差損 - 正味の差益または差損を、同じ換算差異の勘定科目に転記します。
  • 差益のみ - 差益のみを同じ勘定科目に転記します。
  • 差損のみ - 差損のみを同じ勘定科目に転記します。
  • 差益と差損を分離 - 差益と差損が別々の勘定科目に転記されます。