スケジュール決済
スケジュール決済設定 (SCH) で設定したスケジュールのパーセンテージや日付情報に基づいてスケジュール決済機能を使用し、取引行を自動的に分割できます。
スケジュール決済では、債権、債務、両建勘定科目タイプの取引を分割できます。該当する取引が元帳入力 (LEN) と元帳インポート (LIM) の際に分割されます。
スケジュール決済を使用することにより、債務支払または債権回収の処理を自動化できます。これは、請求書を何回かに分けて支払うのが商習慣となっている国で特に便利です。たとえば、債権者が請求書の支払を 12 か月の分割払いで希望します。この場合、元帳入力で請求書を 1 つの取引として入力するだけですみます。設定されているスケジュール決済の詳細に基づいて、システムは自動的に請求書行を 12 の取引行に分割します。仕訳を転記する前に、分割された取引を確認できます。
定義する分割パーセンテージは、常にできるだけ合計が 100 になるようにします。また、[
] オプションを設定して、端数処理のために発生する端数を最初の分割に加算するのか最後の分割に加算するのかを定義します。上記の例では、各分割のパーセンテージは 8.333 になります。決済スケジュールのパーセンテージと期日情報の組み合わせに基づいて、債権取引行または債務取引行をどのように分割するのかが決まります。つまり、生成される分割行数、期日、金額などが決まります。
元の取引行を上書き変更するのか、または元の取引行をそのまま保持して分割行を別に作成するのかを選択します。上書き変更を選択すると、元の取引行は、最初の分割行によって上書き変更されます。元の行を保持するように選択すると、逆仕訳の行が作成されます。この場合は、元の行と逆仕訳の行の両方に [訂正] の消込みマーカーが付けられ、すべての分割行は別に作成されます。さらに、1 つの参照の行番号が続き番号でまとめられるように、仕訳内のすべての行の番号が変更されます。元の取引行を保持するか上書きするかの設定は、元帳設定 (LES) の [取引ルール] タブの [元の行値を保持] オプションを使用して、元帳全体に対して設定する必要があります。
スケジュール決済レコードを使用したら、まず決済条件グループのレコードに割り当て、さらに顧客レコードまたは仕入先レコードに割り当てます。
スケジュール決済によって分割処理を行う
分割処理は、特定の条件を満たす場合に元帳入力 (LEN) と元帳インポート (LIM) で行われます。
- 使用する仕訳タイプで、スケジュール決済が許可されている必要があります。これを設定するには、仕訳タイプ (JNT) で [スケジュール決済許可] オプションをオンにします。
- 勘定科目は [債権]、[債務]、または [両建] タイプでなければなりません。
- 顧客レコードまたは仕入先レコードに [決済条件コード] が割り当てられている必要があります。また、決済条件コードに [決済スケジュールコード] が割り当てられている必要があります。
元帳入力で顧客または仕入先の勘定科目に仕訳行を入力すると、上記の条件を満たしている場合に、分割行が [元帳入力] フォームで生成されます。
仕訳行の番号付けは、税金が自動生成されるときと同じように処理されます。たとえば、元の取引行の仕訳行番号が 1.0 だとすると、分割行には 1.1、1.2、1.3 というように行番号が付けられます。元帳設定で [元の行値を保持] を設定して元の取引行をそのままにする場合は、仕訳行 1.0 がそのまま残され、逆仕訳の行 1.1 と、番号が 1.2 から始まる分割行が作成されます。元の取引を上書き変更する場合は、行番号 1.0 はなくなり、行番号 1.1 で始まる分割行が作成されます。
分割行に含める情報
分割行に含められる情報は、元の取引情報とスケジュール決済設定 (SCH) で設定するオプションの組み合わせによって異なります。
- 取引参照、会計期、日付、勘定科目、説明、分析コードなどの仕訳行詳細が、元の取引行から分割行にコピーされます。
- [ ] オプションの設定に基づいて、端数金額の調整が最初または最後の分割行に適用されます。
- [ ] オプションを使用して、税額すべてを最初の分割に加算し、残りの債権または債務金額に分割を適用できます。一部の国ではこの方法が義務付けられています。または、税額をすべての分割行に均等に加算するか、最後の分割行にだけ加算できます。
スケジュール決済とその他の処理
スケジュール決済機能は、元帳入力と元帳インポートで行われるその他の自動処理機能とともに機能します。
- スケジュール決済の分割処理は、自動税金と仮処理計算 (元帳入力でのみ適用) の後に行われます。これにより、取引分割を行う前に、債権または債務行にすべての税金が含められることになります。
- スケジュール決済による分割は、通常の決済条件の計算よりも前に行われます。このため、書類日付、割引日付、利息日は、生成された分割行ごとに計算されます。
スケジュール決済によって取引に分割が適用される場合は、仕訳保留した後に実績元帳に転記するなど同じ取引を複数回処理する場合でも、分割は 1 回だけ行われます。取引行がまだ分割されていない場合は、元帳入力の際に分割行が生成されます。
例:
元帳入力で次のエントリを作成し、受注請求書を記録するとします。
債権 117.5
債務 (売上) 100
債務 (税金) 17.5
(自動税金機能によって生成)
スケジュール決済を適用すると、分割回数、分割パーセンテージ、分割取引に割り当てられる期日が決められます。
この例では、25 % ずつの 4 つの分割を生成し、[最後] と [すべての分割に適用] に設定します。また、通貨に使用する小数点以下の桁数は 2 桁に設定します。
] と [税金処理] の設定は標準の [分割金額は次のように計算されます。
期日 1 の分割金額:29.38
期日 2 の分割金額:29.38
期日 3 の分割金額:29.38
期日 4 の分割金額:29.36
(最後の分割で端数調整が行われます)
この時点で追加の元帳行が生成されますが、転記は行われません。転記する前に、各分割行に決済条件が適用され、書類日付、割引日付、利息開始日などの日付が生成されます。これらの日付は、各行に生成された期日に基づいて決まります。