請求書と借方伝票の複数納期について
複数納期の支払条件を作成することで、顧客に対して請求支払スケジュールを設定できます。
複数納期は以下に対して設定できます。
- 受注オーダから生成され、 [請求書、借方伝票、返品伝票] フォーム に手動で入力される請求書。
- [請求価格調整] フォームから生成され、 [請求書、借方伝票、返品伝票] フォームに手動で入力される借方伝票。
複数納期をうまく利用するには、複数の納期と比率で請求条件を作成すること、および顧客および受注オーダについて適切な請求条件を選択することが必要です。
請求条件の設定
複数納期を使用するには、 [請求条件] フォームで新しい条件コードを作成します。このフォームでは、[複数納期の使用] チェックボックスをオンにすることで、複数納期の使用を指定できます。複数納期を使用する複数の条件コードを作成できます。
[請求価格調整] フォームから自動的に生成された借方伝票は、使用されている条件コードが複数納期条件コードである場合は複数納期を持ちます。
複数納期条件コードでは、月締日と [先行条件]を使用できます。ただし、[値引日数] 付きの請求条件は作成できません。
複数納期条件コードには次が含まれます。
- 順序順序は複数納期レコードの順序を追跡するために内部的に使用され、システムによって割り当てられます。最初の順序は 10 で開始され、次のまたは後続の順序は 10 ずつ増分された数で開始されます。納期の計算は請求条件の支払日数を使用して通常どおり実行されます。順序は 2 つ以上入力する必要があります。
- 支払日数オフセット請求条件に記載された前回の納期からの日数。最初の順序のオフセット日は常にゼロです。
- 率(%)請求条件内の複数の納期に対する全ての順序レコードの合計が 100% になる必要があります。
顧客と受注オーダ
新しい条件コードは作成と同時に使用できます。デフォルトの請求条件コードは [顧客] フォームで設定されますが、 [受注オーダ] フォーム、 [請求価格調整] フォーム、または [請求書、借方伝票、返品伝票] フォームで変更できます。
次のオプションが使用されている場合は、顧客および受注オーダに複数納期条件コードを割り当てないでください。
- 信用状要求
- 一括請求
- 支払い区分がドラフト
これらのオプションを選択すると、エラーメッセージが表示されます。
請求
受注オーダが出荷されると、請求書が生成され、条件コードの設定に従って請求支払スケジュールが計算されます。複数納期レコードは、請求書が存在する限りは請求書に割り当てられます。請求書が削除されると、システムはその請求書の納期レコードを全て削除します。条件コードが修正されている場合、システムは納期を計算し、その請求書に対して新しい納期のレコードを作成します。
[請求書、借方伝票、返品伝票] フォームでは、請求書が作成された後でも金額と納期を調整できますが、その合計未払額は請求書の合計未払額と等しくしておく必要があります。 [売掛転記済トランザクション詳細] フォームでは、納期の更新のみを行えます。
[請求書、借方伝票、返品伝票] フォームの複数納期で請求書または借方伝票を作成するには、[配賦生成] 機能を使用して納期と金額の順序を作成します。
以下の例は、複数納期が設定され、請求される方法を示したものです。2 番目の例では、月締日と締コードが使用されています。
例 1 :4 つの順序が定義されているとします。請求日は、5 月 5 日です。[請求条件] については、支払日数オフセットは 30 日間です。以下の表は、システムが納期をどのように計算するかを示しています。
順序 | 支払日数オフセット | 率(%) | 最終納期 |
---|---|---|---|
10 | 0 | 25 | 6 月 5 日(5 月 5 日プラス 30 日) |
20 | 30 | 25 | 7 月 5 日(5 月 5 日プラス 60 日) |
30 | 30 | 25 | 8 月 3 日(5 月 5 日プラス 90 日) |
40 | 30 | 25 | 9 月 1 日(5 月 5 日プラス 120 日) |
例 2 (先行条件):3 つの順序が定義されているとします。請求日は、5 月 5 日です。[請求条件] については、支払日数は 30、締コードは 2 (システムは納期を月末に設定します)、月締日は 15 (当該月の日付)です。以下の表は、請求書を分割する方法、および支払額と納期がどのように計算されるかを示しています。
順序 | 支払日数オフセット | 率(%) | 請求書の納期 | 適用される締コード | 締コードが適用された最終納期 |
---|---|---|---|---|---|
10 | 0 | 30 | 6 月 4 日 | 6 月 30 日 | 7 月 15 日 |
20 | 30 | 30 | 7 月 3 日 | 7 月 30 日 | 8 月 15 日 |
30 | 30 | 40 | 8 月 3 日 | 8 月 31 日 | 9 月 15 日 |
請求書の納期レコードの表示
以下のフォームの [
] をクリックすると請求書の納期を一覧表示できます。- [請求書、借方伝票、返品伝票]
- [売掛転記済トランザクション詳細]
- [売掛即時支払配賦]
請求書への支払の適用
[売掛支払] フォームを使用して支払を行うと、同じ請求書に複数の納期の金額が適用されている場合、請求書ごとに支払 1 つにつき 1 つのレコードが作成されます。
[売掛即時支払配賦] フォームを使用して支払を行うと、受入日付に関係なく、各納期に日付順で支払が適用されます。常に最も早い納期から支払われます。
例 3:たとえば、請求書 I101 に次の 3 つの納期レコードがあるとします。
- 納期 = 5 月 10 日が期限の金額 = $200
- 納期 = 6 月 10 日が期限の金額 = $100
- 納期 = 7 月 10 日が期限の金額 = $100
$250 の支払がこの請求書に適用され、区分が [支払] の 1 つのレコードが請求書 I101 の $250 に対して作成されます。未払いがある請求書の年齢を表示する必要がある場合は、システムは、次の操作を行います。
- 請求書 I101 の全レコードを調べます。
- 支払と返品伝票を取得します。
- 金額を合計します。
- 合計額を最も早い納期に適用します。
この例では、$250 の支払レコードを設定し、それを最初の納期レコードに適用した後で、2 番目の納期レコードに適用します。 [売掛年齢調べレポート] には、請求書 I101 に対する次の納期レコードが表示されます。
- 納期 = 6 月 10 日が期限の金額 = 50
- 納期 = 7 月 10 日が期限の金額 = 100
借方伝票の請求書への適用
複数納期のある借方伝票を作成することもできます。これは手動で行うことも自動的に行うこともできます。借方伝票が自動的に生成された場合、転記前に [請求書、借方伝票、返品伝票] フォームでその伝票を更新できます。転記後は、請求書の場合と同様に、 [売掛転記済トランザクション詳細] フォームで表示できます。借方伝票が請求書に適用されると、レポートと顧客計算書のための売掛支払処理/年齢調べのために請求書で処理されます。
請求書と借方伝票のどちらか、または両方が複数納期を持つ場合は、借方伝票を請求書に適用する方法は 3 とおりあります。
- 納期が 1 つの借方伝票を納期が複数の請求書に適用すると、借方伝票は最初の納期に適用されます。
- 納期が複数の借方伝票を納期が複数の請求書に適用すると、借方伝票の合計が請求書の最初の納期レコードに適用されます。
- 納期が複数の借方伝票を納期が 1 つの請求書に適用すると、借方伝票の合計未払額が請求書の最初の納期レコードに適用されます。