クリアされる取引

元帳クリアダウンは、過去の取引または不要になった取引をビジネスユニットの元帳から削除し、集計した残高取引で置き換える処理です。元帳クリアダウンは必ずしも実行する必要はありません。ただし、取引が累積すると、処理やレポートの速度が低下します。パフォーマンスを最適化するためには、可能な頻度で更新を行う必要があります。

元帳クリアダウン (LCL) 機能では、選択した会計期 (その会計期も含む) までの、勘定科目コード範囲内の選択した勘定科目の (クローズ取引も含む)、すべての取引が消去されます。現在の会計期の取引は削除できません。前年度の取引を削除するように選択すると、前年度の金額をレポートで表示しなければならない場合があるため、警告が表示されます。

勘定科目表コードの残高タイプ設定によって、会計期クリアダウンで勘定科目の取引をどのように処理するかを指定します。

  • [残高繰越] 勘定科目では、消込みマーカーが [保留] の場合を除いて、すべての取引がクリアダウンされます。
  • [明細繰越] の勘定科目では、[調整済]、[訂正]、[消込み済]、[支払済] の消込みマーカーの取引がクリアダウンされます。
注:  [個別消込み (ACA)] を使用すると、適切な消込みマーカーを設定して取引をクローズできます。

仮転記取引の場合は、条件を満たしていてもクリアされません。

注:  [元帳クリアダウン (LCL)] で [取引参照確認] オプションを選択すると、[エージェンシー/ブローカー勘定科目タイプ] が [クライアント] または [キャリア] の勘定科目に転記されている取引は削除されず、同じ取引参照を含む取引も削除されません。

元帳クリアダウン (LCL) で削除される取引は、システムから物理的に削除されるか、またはアーカイブファイルに移動されます。

予算取引

予算元帳に対して元帳クリアダウン (LCL) を実行し、実績取引と同様に予算取引の集計や削除を行うことができます。ただし 1 つ例外があります。 [元帳設定 (LES)] の [元帳アーカイブ] の設定に関係なく、予算取引はアーカイブされずに常に削除されます。

年度クリアダウンを実行すると、クリアダウンする年までの (その年を含む) すべての予算取引が削除されます。勘定科目と分析コードの各組み合わせに対して、指定した年度の最後の会計期で集計残高が転記されます。そのため、履歴レポートのために予算を残しておきたい場合は、予算元帳の年度クリアダウンを実行しないでください。

残高取引

元帳クリアダウン (LCL) は、削除した取引を残高取引に置き換えます。このようにして合計額を残しておくことにより、取引が削除またはアーカイブされている場合でも、財務レポートで会計期ごとの残高をレポートできます。

会計期間中に勘定科目で削除されたすべての取引を集計する 1 つの取引を作成するのではなく、複数の集計取引が作成されます。集計される取引の勘定科目、会計期、分析コード、通貨コード、消込みマーカー、資産コード、資産補助コード、資産記号の組み合わせを反映した取引が作成されます。

分析が不要になった場合は、分析コード統合を定義して、調整取引の数を減らすことができます。選択した要素の取引の分析コードは無視され、これらの分析コードが存在しないかのように取引が集計されます。

クリアダウン後、新しい調整取引には仕訳番号が表示され、必要に応じて消込み参照がゼロに設定されます。消込みと取引の日付と会計期は、削除された直近の取引を基にして適切な値に設定されます。