仕訳残高が一致する場合
仕訳は、貸借の金額が一致している場合にのみ転記することができます。
仕訳残高が一致するのは次の場合です。
- 仕訳取引の貸借金額が基本通貨で一致している場合。「基本通貨で仕訳を残高調整」を参照してください。
- 各転記会計期の仕訳取引の貸借金額が一致している場合
多通貨環境では、ビジネスユニットで使用されている追加通貨の一部またはすべてで仕訳の貸借が一致するように強制できます。追加の通貨値は、取引通貨 (値 2)、第 2 基本/レポート通貨 (値 3)、第 4 通貨 (値 4) です。これは [ビジネスユニット設定] で定義する残高調整ルールによって決まります。「多通貨仕訳の残高調整」を参照してください。
[元帳設定 (LES)] または [元帳インポート (LIM)] の [残高調整基準] オプションにより、次のいずれかで残高が一致しなければならない場合があります。
- 取引参照
- 10 個の取引分析要素のうちいずれか
- 取引日 (元帳インポートのみ)
[ビジネスユニット設定] で指定する仕訳の残高調整ルールによって次の項目が決まります。
- 基本通貨値の貸借を自動的に一致させることができるかどうか
- 残高調整勘定科目または仮勘定科目
- 許容される残高調整金額上限額
- 貸借金額を一致させる必要がある通貨値と調整方法
これらのルールは、 [元帳入力] または [元帳インポート] で入力される仕訳に適用されます。仕訳の残高が一致しないと、 [元帳入力] で仕訳を転記したり、 [元帳インポート] でインポートしたりすることはできません。
選択した仕訳行の残高を調整する
選択したフィールドを参照するすべての仕訳行の残高が一致するのを確かめることにより、仕訳の残高調整ルールを拡張することができます。これを行うには、 [元帳設定 (LES)] または [元帳インポート (LIM)] で [残高調整基準] オプションの次の参照フィールドのどれか 1 つを選択します。
- 取引参照
- 元帳分析要素 1 - 10
- 取引日 (元帳インポートのみ)
たとえば [残高調整基準] オプションで [取引日] を選択すると、システムは同じ取引日を参照しているすべての仕訳行で残高が一致しているかをチェックします。
必要に応じて、 [元帳設定 (LES)] の [残高調整基準上書き] オプションを設定し、ユーザーがこのチェックを上書きできるようにします。これにより、仕訳残高の一致を強制するのではなく、取引日の基準に基づいて仕訳残高が一致していないことをユーザーに通知だけにすることができます。
元帳入力で残高調整行を自動的に生成する
ビジネスユニット設定で値 1、3、4 の [通貨残高調整] オプションを [自動] に設定すると、システムがこれらの通貨の仕訳残高調整行を自動生成することができます。
[元帳設定 (LES)] の [取引ルール] タブで [入力の取引参照残高調整] オプションを設定すると、 [元帳入力 (LEN)] では、 [ビジネスユニット設定] で [自動] 残高調整が設定されている値 (値 1、3、4) の取引参照に基づいて残高が調整されます。つまり、取引参照の仕訳残高が一致していないと、残高調整行が生成されます。このオプションでは、ビジネスルールを作成する必要はありません。
[元帳入力 (LEN)] で、元帳分析要素などの取引参照以外のフィールドで残高調整したい場合は、 [元帳設定 (LES)] の [残高調整] オプションで他のフィールドを選択します。
取引参照による調整と、元帳分析 7 などの別のフィールドによる調整の、2 つのレベルで [元帳入力 (LEN)] の残高調整行を生成できます。これを行うには、 [元帳設定 (LES)] の [残高調整基準] オプションで該当するフィールドを選択し、[入力の取引参照残高調整] オプションを設定します。このような 2 つのレベルの残高調整行を生成するには、次のようなビジネスルールを作成する必要があります。
例:
次に、貸借が取引参照でも元帳分析 7 でも一致しない 4 つの仕訳行の例を示します。自動的に残高を調整する 5 つの行が生成されます (「コメント列」を参照してください)。
勘定科目コード | 基本金額 | 借方/貸方 | 値 3 金額 | 取引参照 | 元帳分析 7 | コメント |
101BOA31 | 200 | D | 100 | BALTEST1 | A10 | 元帳入力行 1 |
101BOA32 | 200 | C | 95 | BALTEST1 | A10 | 元帳入力行 2 |
101BOA31 | 200 | D | 100 | BALTEST2 | B12 | 元帳入力行 3 |
101BOA32 | 200 | C | 95 | BALTEST2 | B12 | 元帳入力行 4 |
751FX | 0 | C | 5 | BALTEST1 | 取引参照 BALTEST1 の取引残高を調整するために生成された行 | |
751FX | 0 | C | 5 | BALTEST2 | 取引参照 BALTEST2 の取引残高を調整するために生成された行 | |
751FX | 0 | C | 5 | システム残高調整取引 | A10 | 元帳分析 7 コード A10 の取引残高を調整するために生成された行 |
751FX | 0 | C | 5 | システム残高調整取引 | B12 | 元帳分析 7 コード B12 の取引残高を調整するために生成された行 |
999 | 0 | D | 10 | システム残高調整取引 | 仕訳残高を調整するために生成された行 |
残高調整行を自動生成しないで 1 つの基準フィールドで仕訳残高が一致することを確認したい場合は、ビジネスユニット設定で値 1、2、4 の [通貨残高調整] を [手動] にすることによって、これらの通貨で残高調整できます。通貨値 3 は手動で残高調整することができません。
残高調整行に分析コードを自動的に設定する
必要な分析コードがシステム生成の残高調整行に含まれるようにするには、 次のような追加のビジネスルールを設定する必要があります。次の例では、仕訳転記時に元帳分析 1 のコードを欠く自動生成の残高調整行で、元帳分析 1 が 8605 の値に設定されます。
[イベントプロファイル (EVP)]
IF 機能 ID = 元帳入力
IF 呼出ポイント = 00003 各仕訳行転記済
[ルールセット (RST)]
IF 元帳分析 1 = 空白 Y
設定 元帳分析 1 8605 X
[キーワード] で選択する [空白] を使用して、NULL (空欄) のフィールドを探します。この例では、元帳分析 1 のコードが存在しない場合を探します。詳細については、『ビジネスユニット管理者ガイド』の「条件文」を参照してください。
イベントプロファイルとルールセットの概要については、『ビジネスユニット管理者ガイド』の「ビジネスルールの使用」を参照してください。