仕訳タイプの転記ルールを上書きする
[ビジネスユニット設定] でビジネスユニットを定義するときに、組織の標準の転記ルールを定義します。これらのルールは、特定の仕訳タイプで上書き変更されない限り、すべての元帳入力に適用されます。
標準のルールを定義すると、各通貨値タイプでオペレータが選択できる転記ルールオプションが [ビジネスユニット設定] によって制限されます。オペレータは、財務データの整合性が保たれるオプションだけを選択できます。たとえば基本通貨値が必須で、ビジネスユニットに基本通貨値の転記ルールを定義する場合は、[入力する場合のみ存在] オプションを選択できません。これによって基本通貨値がオプションにされてしまうためです。使用できる各転記ルールについては、『ビジネスユニット管理者』ガイドの「通貨転記ルールの設定」を参照してください。
転記ルールを上書きする
[仕入タイプ設定 転記上書き] フォームは、仕訳タイプの転記ルール上書きを許可するいくつかの追加オプションが含まれる [セキュリティ] タブを除いては、 [仕訳タイプ (JNT)] フォームと同じです。
- 仕訳タイプ転記上書きオプションは強力な機能であるため、[仕訳タイプ 転記上書き] バージョンのフォームでのみ使用することができ、基本の [仕訳タイプ (JNT)] フォームでは使用できません。「[仕訳タイプ設定 転記上書き] フォームへのアクセスを有効にする」を参照してください。
- [セキュリティコンソール] または [ユーザーマネージャ] 、 [フォームアクセス権エディタ (FPE)] のセキュリティ機能を使用して、権限を持つユーザーだけが転記上書きフォームで転記を上書き更新できるように設定します。
[仕訳タイプ 転記上書き] を使用すると、一部またはすべての取引値に対して、標準のビジネスユニット転記ルールを上書きする仕訳タイプを定義できます。値が使用されていることを条件に (たとえば [ビジネスユニット設定] で転記ルールが [未定義] に設定されていない)、使用可能なすべての転記ルールを取引値に適用できます。
例:
- 取引通貨のビジネスユニット転記ルールが [入力する場合のみ存在] に設定されている場合は、値の転記上書きルールとして [入力必須] を選択することによって、入力する取引通貨値に強制する仕訳タイプを定義できます。
- 値 3 レポート通貨の転記上書きルールを [未定義] に設定することによって、レポート値に反映されないローカル通貨の調整を転記する仕訳タイプを定義できます。
使用可能な転記ルールは、次の値タイプで上書きとして設定可能です。
転記ルール | 上書き対象 |
未定義 | すべての値タイプ |
入力する場合のみ存在 | 取引通貨、第 2 基本通貨、メモ値、第 4 通貨 |
入力必須 | 基本通貨、レポート通貨、メモ値 |
未入力の場合に計算 | 基本通貨、取引通貨、第 4 通貨 |
常に計算 | 第 2 基本/レポート通貨 |
計算しない | 取引通貨と第 4 通貨 |
空欄許可 | 取引通貨と第 4 通貨 |
レートのみ | 第 5 通貨 |
転記ルールオプションの詳細については、『ビジネスユニット管理者ガイド』の「通貨転記ルールの設定」を参照してください。
[計算しない] 転記ルール
[計算しない] 転記ルールは取引通貨 (値 2) と第 4 通貨にのみ使用することができ、仕訳タイプ転記上書きルールとしてのみ設定できます。
これは、[入力する場合のみ存在] ルールと似ています。[入力する場合のみ存在] ルールを使用すると、通貨コードが入力されている場合は、適切な通貨金額とレートがシステムによって計算されます。このため、通貨コードと通貨金額の両方を含まない場合は取引を入力できません。
ただし、[計算しない] 転記ルールを使用すると、取引に通貨コードが入力される場合は金額を入力する必要があります。システムは金額/レートを計算しません。十分な通貨詳細が含まれている場合は、この転記ルールに許容差チェックが実行されます。エラーが見つかるとエラーメッセージではなく警告メッセージが表示され、上書き変更できます。
[空欄許可] 転記ルール
[空欄許可] 転記ルールでは、 [勘定科目表] の [値 2 通貨制御] が [禁止] に設定されている場合にのみ、金額入力なしで通貨コードを入力できます。
転記ルールを停止する
使用しているすべての取引値の転記ルールを停止することもできます。ルールを停止すると、金額とレートの照会がまったく行われなくなるため、これは極めて慎重に、特殊な状況でのみ使用してください。たとえば、これにより、該当する基本通貨値が存在しない場合にも第 2 基本値を転記できます。
転記ルールを停止するには、[転記ルール停止] オプションを設定して、すべての転記ルールを [未定義] または [入力した場合のみ存在] に設定する必要があります。