許可シナリオの例

元帳入力/元帳インポート

次に示すシナリオ例では、元帳入力 (LEN) と元帳インポート (LIM) に関連する設定について説明します。支払、照合/消込み、報告書などのその他の許可処理も、次と同じように設定できます。

許可機能を使用して、社内で元帳入力 (LEN) に関する財務許可制限を課すことができます。たとえば金額が 1000 までの許可と、1000 を超える場合の許可を設定します。この制限は、1 つの許可限度に対して 1 つのステージを設定する、2 つの許可処理を使用することによって設定します。最初のステージでは、1 つのユーザーチームが、銀行勘定科目に入力されたすべての個別支払仕訳を許可する必要があります。2 つ目のステージでは、異なるユーザーチームが貸方金額が 1000 を超える銀行勘定取引だけを許可します。この例では、2 つ目のチームは、最初のチームが既に目を通している場合のみ取引を許可します。これは、たとえば社内で複数の人物の署名を必要とする書類または契約がある場合と似ています。

概要

  • 1 つ目の許可ステージ、1 つ目のユーザーチーム、1 つ目の許可フィルタ - 金額に関係なくすべての銀行取引に適用されます。
  • 2 つ目の許可ステージ、2 つ目のユーザーチーム、2 つ目の許可フィルタ - 貸方金額が 1000 を超えるすべての銀行取引に適用されます。
  • 2 つの許可ステージが存在するものの、取引によっては 1 つ目のステージの許可だけで十分です。金額が 1000 以下の場合は、2 つ目の許可ステージで使用されているフィルタが必要ないため、1 つ目のステージで許可されると SunSystems によって取引が直接転記されます。

この例では、勘定科目コード 52100 です。1 つ目のユーザーチームには BANK0-1000 のコード、2 つ目のユーザーチームには BANK>1000 のコードを設定します。オペレータコード N1K のユーザーは 1000 までの金額を許可する権限を持ち、CEO はあらゆる金額を許可する権限を持っているとします。CEO は、金額が 1000 を超える場合にのみ、つまり N1K の許可制限を超える場合にのみ許可を求められます。N1K が既に取引を確認して 1 つ目のステージで許可のマークをつけた場合にのみ、CEO が取引を許可します。

シナリオの例を設定する

PK1 デモデータベースでこの例を設定できます。

  1. [元帳設定 (LES)] の [追加財務] タブで [許可必須] フィールドを [はい] に設定します。
  2. [セキュリティコンソール] または [ユーザーマネージャ] で N1K と CEO のオペレータを設定し、両方の [許可者] チェックボックスをオンにして許可パスワードを入力します。
  3. [ユーザーチーム (UTS)] で [BANK0-1000] のチームを作成してチーム名に [銀行許可限度 1000] を入力します。[N1K] のオペレータコードを割り当て、[プリンシパルチーム] チェックボックスをオンにします。次に、[BANK>1000] のチームを作成してチーム名に [銀行許可限度 >1000] を入力し、オペレータコード [CEO] を割り当てて [プリンシパルチーム] チェックボックスをオンにします。
  4. [財務拒否コード設定 (FJC)] で、[取引未許可 - ユーザーチーム 1 による拒否] の説明を入力して拒否コード [BANK1] を作成します。次に、[取引未許可 - CEO による拒否] の説明を入力してコード [BANK2] を作成します。
  5. [フィルタデザイナ (FLD)] で [許可照会 SAAUTH] の 2 つのフィルタタイプを作成します。
    • 名前に [BANK_CR]、説明に [勘定科目 52100 への貸方] を入力して 1 つ目のフィルタを作成します。BANK_CR フィルタで [許可セット参照] を選択してフィルタ編集領域にドラッグします。 [条件の編集] ダイアログで [ランタイムエントリ] チェックボックスをオンにし、その他のフィールドはそのままにします。[データ項目の説明] セクションで [勘定科目コード] をクリックしてフィルタ編集領域に移動します。 [条件の編集] ダイアログで [等しい] を選択して、[52100] を入力します。[ファイル] > [保存] をクリックします。[結果の宛先] として [AUTHDTL] フォームを選択します。
    • 名前に [BANK_CR_G1000]、説明に [勘定科目 52100 への 1000 を超える貸方] を入力して 2 つ目のフィルタを作成します。上記 BANK_CR の条件として [許可セット参照] と [勘定科目コード] を作成する手順までを実行します。データ項目から [その他貸方合計] を選択して、これをフィルタ編集領域に移動します。 [条件の編集] ダイアログで [より大きい] 演算子を選択してその下に [1000] を入力します。[OK] をクリックします。[ファイル] > [保存] を選択します。[結果の宛先] として [AUTHDTL] フォームを選択します。
  6. [許可ステージ設定 (AUS)] でステージ番号 [200] と [210] の 2 つのステージを作成します。
    • ステージ [200] には [元帳入力の銀行貸方許可] の説明を入力します。[フィルタ ID] で参照ボタンをクリックして [BANK_CR] フィルタを選択します。[ステージタイプ] で [元帳入力/インポート] を選択します。[ユーザーチームコード] で [BANK0-1000] を選択します。[許可者] には [N1K] を入力します。
    • ステージ [210 ]には [元帳入力の 1000 を超える銀行貸方許可] の説明を入力します。[フィルタ ID] で参照ボタンをクリックして [BANK_CR_G1000] フィルタを選択します。[ステージタイプ] で [元帳入力/インポート] を選択します。[ユーザーチームコード] で [BANK>1000] を選択します。[許可者] には [CEO] を入力します。
  7. [仕訳タイプ (JNT)] の [追加財務] タブで [許可必須] チェックボックスをオンにして仕訳タイプ [FGJ] を修正します。

元帳入力での使用例

  • 元オペレータ

    許可機能を使用するには、ユーザー ID [PK1] で SunSystems にログインし、仕訳タイプ [FGJ] で貸方金額 [2000] の仕訳を勘定科目 [52100] に入力します。借方の相殺勘定科目には [999] を使用します。仕訳転記時に仕訳は元帳に入力されません。代わりにユーザーは [許可バッチコメント] を入力し、[OK] をクリックします。 [許可者選択] フォームで [オペレータコード] として [N1K] を選択します。ステータスバーに「許可バッチが正常に作成されました」というメッセージが表示されます。

注: 連続する各許可ステージは、異なるオペレータによって許可される必要があります。また、元オペレータとは異なるオペレータでなければなりません。
  • 1 つ目のユーザーチーム

    SunSystems からログアウトして、ユーザー ID N1K で再びログインします。SunSystems から [許可未決書類入れ (AUT)] を選択します。[選択 - AUTHORIZER INTRAY] フォームで [ユーザーチームコード] に BANK0-1000 を入力し、[許可者] に N1K を入力します。[許可待ち] の状況で新しい許可セットが表示されます。目的の許可セットを選択して [レビュー] をクリックします。[プログラム名] で [選択したセットを許可] を選択して [OK] をクリックします。コメントと N1K の許可パスワードを入力します。

  • 2 つ目のユーザーチーム

    SunSystems からログアウトして、ユーザー ID [CEO] で再びログインします。SunSystems から [許可未決書類入れ (AUT)] を選択します。 [選択 - AUTHORIZER INTRAY] フォームで [ユーザーチームコード] に [BANK>1000] を入力し、[許可者] に [CEO] を入力します。[許可待ち] の状況で新しい許可セットが表示されます。目的の許可セットを選択して [レビュー] をクリックします。[プログラム名] で [選択したセットを許可] を選択して [OK] をクリックします。ステータスバーに「バッチ転記」というメッセージが表示されます。

  • 元オペレータに戻る

    取引の元オペレータである [PK1] としてログインします。SunSystems から [許可元オペレータ未決書類入れ (AOT)] を選択します。 [選択 - ORIGINATOR INTRAY] フォームで元オペレータである [PK1] を入力します。許可セットはクリアされますが、 [許可監査証跡 (AAT)] で確認することができます。

    注: [ORIGINATOR INTRAY] は許可ステージのどの段階でも呼び出すことができ、状況を確認できます。