顧客の与信限度をチェックする

与信チェックは、与信限度チェックと期限超過請求書チェックの 2 つの機能で構成されます。これら 2 つのチェックは別々に機能し、それぞれに異なる計算と限度額が適用されます。2 つのチェック機能の両方またはいずれかを使用するようにシステムを設定し、売上処理のさまざまなステージでチェック機能を実装することができます。

与信限度チェック

与信限度チェックでは、顧客勘定科目の与信限度がチェックされ、新しいオーダー行を承認し処理できるかどうかが判断されます。

次の項目が使用されます。

  • 与信限度 - 顧客に許可される与信限度額。これは顧客の勘定科目表レコードで保持されます。
  • 勘定科目残高 - 勘定科目の貸借金額から現在の残高が計算されます。
  • オーダー時残高 - 受注オーダー入力時の金額。完全に決済処理を行う前の金額です。
  • 利用可能な与信限度額 - 上記の金額から計算され、入力されたオーダー行の値と比較されます。入力されたオーダー行の金額が利用可能与信限度額を超える場合は、与信限度チェックで不可になります。
  • 与信限度額上書き - 上書きは [オペレータ各種権限] で設定します。

与信限度額の計算方法

利用可能与信限度額は、「与信限度額 + 勘定科目残高 - オーダー時残高 + 与信限度額上書き」の算式で計算されます。

計算された利用可能与信限度額がゼロ以下の場合、行は与信限度チェックで不合格になります。

計算された利用可能与信限度額がオーダー行の金額を超える場合は、与信限度チェックで合格になります。

期限超過請求書チェック

期限超過請求書チェックでは、顧客勘定科目の未払取引合計額を計算し、これを勘定科目に指定されている期限超過請求書チェック金額と比較します。この限度額を超えると、入力されたオーダー行は、期限超過請求書チェックで不可になります。計算に含める財務取引は、元帳消込み記号で定義できます。

期限超過請求書チェックで計算される超過金額は、期日が現在のログイン日付より前で、期限超過請求書チェックに含める消込み記号が付けられている勘定科目の借方合計金額です。

期限超過請求書チェックの計算方法

利用可能金額は、「期限超過請求書チェック限度額 - 期限超過金額 + 期限超過請求書チェック上書き」の算式で計算されます。

利用可能超過金額がゼロ以下の場合は、期限超過請求書チェックで不可になります。

利用可能超過金額がゼロを超える場合は、期限超過請求書チェックで許可されます。

与信警告およびブロック

定義できる与信警告とブロックのタイプは次のとおりです。これらの定義によって、オーダー行が与信チェックで不可になったときの処理が決まります。

  • 警告のみ - 警告メッセージが表示されますが、行の処理を続行できます。
  • 警告およびブロック - 警告メッセージが表示され、行はただちに [与信保留] または [オーダー保留]にされるため、処理を続行できません。与信保留を解除するには、コントロールデスク機能を使用します。受注オーダー入力フォームで [リリース] アクションを使用すると、オーダー保留が解除されます。
  • ブロックのみ - 警告メッセージは表示されません。行はただちに [与信保留] または [オーダー保留] にされるため、処理を続行できません。与信保留を解除するには、コントロールデスク機能を使用します。受注オーダー入力フォームで [リリース] アクションを使用すると、オーダー保留が解除されます。
  • 未設定 - システムによって、次のレベルのチェックフラグが確認されます。売上タイプ、続いて販売業務設定が確認されます。

次の販売処理ステージで与信チェックを適用できます。

  • 入力
  • リリース

与信チェックを適用する

さまざまな場所で与信チェックを適用するように設定できます。たとえば、顧客レコード、売上タイプ、販売業務設定で与信チェックを設定できます。チェック基準は次の順序で使用されます。

  • 顧客

    与信チェックに関するアクションを、顧客レコードで設定できます。これを [未設定] に設定すると、売上タイプの与信チェック設定が検索されます。

  • 売上タイプ

    与信チェックのアクションは売上タイプごとに設定できます。これを [未設定] に設定すると、販売業務設定の与信チェック設定が検索されます。

    値ラベル (VLB) の [売上与信残高] フラグを設定し、与信チェックで使用する値ラベルを指定する必要があります。たとえば、行の正味金額を保持する値ラベルを与信限度チェックで使用できます。この値が与信限度チェック計算で使用されます。この値ラベルの総額が、許可される与信限度を超える場合は、行は与信チェックで不可になります。

  • 販売業務設定

    期限超過請求書チェックは、販売業務設定で有効または無効にできます。販売業務設定で無効にすると、顧客レコードで期限超過請求書チェックが有効になっている場合でも、無効にされます。

顧客与信ブロック

顧客レコードで顧客に [与信ブロック] のマークが付けられていると、与信チェックは行われません。ただし、行に対する警告およびブロックアクションは実行されます。つまり、ユーザーに警告が表示され、他の与信チェックエラーの許可を待つ [与信保留] の状態が行に設定されます。

受注オーダー行のフラグ

与信チェックに関連する受注オーダーのフラグは次のとおりです。

  • 与信状況
  • 与信クリア

    与信チェックが実行されていないか、またはチェックで許可されたことを示します。

  • 与信ブロック

    与信限度チェックまたは期限超過請求書チェックで不可になったか、または顧客に [与信ブロック] のフラグが付けられていることを示します。

  • 与信リリース

    コントロールデスクを介してオーダーが既に承認されており、これ以上の与信チェックが行われないことを示します。

  • 期限超過請求書保留

    行が与信チェックで不可になった後に許可されると、このフラグは変更されます。

  • 与信限度チェック保留

    行が与信チェックで不可になった後に許可されると、このフラグは変更されます。