レート許容差チェック
許容差チェックを使用して、システム全体で現実的な通貨換算レートが入力または計算されるようにします。また、許容差チェックは、公式のユーロレートを厳守するためにも使用されます。
取引に換算レートを手動で入力するか、システムが他の通貨値からレートを計算する場合に、許容差チェックを行うことによって、新しいレートが、選択されているシステムレートの許容率の範囲内に収まるようにします。
例:
GBP から EUR への会計期に関する通貨レートが 1.63 で、許容率が 10% に設定されていると想定します。1.63 ではなく 163 のレートを入力すると、1.63 と 163 の差は、レートに対して許可されている 10 % の許容率を超えるため、163 のレートは拒否されます。
許容差チェックのしくみ
レートの許容差の必要条件は、会計期換算レート (CNP) または日次換算レート (CND) で設定します。許容差チェックが必要な場合は、[レート許容差チェック] オプションを設定して [レート許容差率] フィールドに許容可能な率を入力します。
手動で入力または計算した通貨レートが、ここで指定する許容率をシステムレートに適用した値の範囲内でなければなりません。
許容差チェックの上書き
仕訳タイプに設定するレート許容差チェックは、仕入タイプ (JNT) で上書き変更できます。
仕訳タイプには、5 つの許容差上書きフィールドがあります。4 つのフィールドは、取引に保存 4 つの通貨値に対するもので、1 つのフィールドは、通貨とレートだけを保存できる第 5 通貨に対するものです。第 5 通貨金額は必要に応じて特定のプログラムで計算されます。このため、レートを使って計算する通貨値のタイプに応じて、レートチェックを上書き変更できます。
- 基本レート (基本通貨とピボット値)
- 取引レート (取引通貨とピボット値)
- レポートレート (第 2 基本/レポート通貨とピボット値)
- 第 4 通貨レート (ビジネスユニット設定の値 4 通貨計算元データと第 4 通貨)
- 第 5 通貨レート (ビジネスユニット設定の値 5 通貨計算元データと第 5 通貨)
たとえば、レートを使用してレポート通貨を計算する場合にのみ、許容差チェックを上書き変更できます。
仕訳タイプにレート許容差上書きフラグを設定すると、許容差チェック機能は元帳に定義されている標準の許容差チェック設定を参照し、それでも許容差チェックが必要なのかどうか、必要な場合は適用する許容率を確認します。
グローバルな許容差上書きチェックの詳細
レート許容差チェックが仕訳タイプで上書きされると、システム標準の許容差チェックのルールが使用されます。システム標準の許容差は、元帳設定 (LES) で定義します。
仕訳タイプに応じて上書きするときは、そのレートに対して元帳設定で定義されている上書きルールが使用されます。
各レートのタイプごとに次の選択肢があります。
- 許容差上書きチェックを適用するかどうか
- 許容差上書きチェックを適用する場合は、システム標準の許容率を使用してレートをチェックする
たとえば、基本通貨値を計算する際にすべての通貨レートに対して標準の 10% の許容差上書きチェックを適用し、取引通貨値を計算する際にはレートをチェックを適用しないように設定できます。