入金実行の使用

自動引き落としなどの銀行の自動入金実行システムを使用して債権/売掛金または両建勘定科目の借方取引を決済するには、 [入金実行 (PYC)] を使用します。入金実行は、電子送金用の銀行口座振替ファイルを生成できます。

入金実行を行う際に、決済プロファイルを指定する必要があります。決済プロファイルで指定する選択基準によって、入金実行の対象になる取引が決まります。

入金実行では、まず決済プロファイルと実行時選択基準を使用して、入金実行の対象になる勘定科目を指定します。選択基準に基づいて取引が選択され、これらの勘定科目で回収が行われます。「支払または入金での取引選択方法」を参照してください。

入金実行では、常に支払実行詳細レポートが生成されます。[取引転記] オプションを [はい] に設定すると、要求された支払取引が生成され、転記が行われます。実行されるタスクの詳細については、「入金実行」を参照してください。

[入金実行] に必要な手順については、「入金実行の開始」を参照してください。

  1. 次の情報を指定します。
    プロファイルコード
    この決済プロファイルコードによって、入金実行の選択基準が決まります。また、必要になる実行時選択基準も決まります。このコードは、 [決済プロファイル (PYP)] で定義します。決済プロファイルの [決済方法] を [銀行] または [その他] に指定し、[支払/回収] フィールドを [回収] に設定する必要があります。
    取引転記
    このフィールドを [はい] に設定すると、支払取引の生成と転記、支払ファイルの生成、選択した取引に [支払済] 消込みマーカーの設定、支払実行詳細レポートの生成が行われ、オプションで銀行口座振替ファイルを作成します。オプションで仮転記を使用できる場合は、取引を仮取引として転記できます。仮転記オプションが必須の場合は、常に仮取引として転記されます。

    入金対象として選択された取引を表示する支払実行詳細レポートを生成するだけの場合は、[いいえ] を選択します。

    取引詳細出力抑制
    支払実行詳細レポートの取引を集計するには、このオプションを選択します。このオプションを選択しないと、各取引の支払と適用割引が支払実行詳細レポートに表示されます。このオプションを選択すると、各勘定科目から回収に選択された合計金額を表示する、集計レポートが生成されます。
    回収基準日
    取引の期日がこのフィールドに入力する日付以前であれば、その取引は入金実行の対象になります。「期日で支払取引を選択する」を参照してください。
    回収日
    入金実行中に生成された借方取引の取引日として使用する日付。デフォルトでは今日の日付です。
    転記会計期
    この実行中に生成された取引を転記する会計期。デフォルトでは当期です。
    選択 1 - 5 始め/終り
    最大 5 個の 実行時選択基準を表示できます。表示される基準は、 [決済プロファイル設定] で定義する決済プロファイルによって決まります。たとえば、勘定科目と仕訳入力者の範囲の入力を求められます。すべての選択基準に一致していないと、取引は入金実行に含められません。
    銀行口座詳細コード
    [銀行口座詳細 (BNK)] で設定されている銀行口座詳細レコード。有効な銀行詳細コードを入力すると、下記の [回収勘定科目] フィールドに、自社銀行口座に関連する勘定科目表レコードが表示されます。

    決済プロファイルで [決済方法] を [銀行] に設定している場合は、このフィールドは必須です。決済プロファイルで [銀行口座詳細] コードが指定されておらず、[決済方法] が [銀行] に設定されている場合は、ここに銀行口座詳細コードを入力します。

    銀行補助コード
    銀行講座詳細の補助コードが使用されている場合、この補助コードは上記フィールドで指定します。それ以外の場合は空欄にします。
    回収勘定科目
    回収される残高調整銀行取引の転記先となる勘定科目表コード。通常は銀行口座を指定します。メモ勘定科目は選択できません。この勘定科目は、決済プロファイルで設定できます。

    複数の取引通貨で入金調整を行う場合は、 [通貨コード (CNC)] で指定されている各通貨の [回収勘定科目] が使用されます。通貨に回収勘定科目が定義されていないと、ここで入力する勘定科目が使用されます。

    回収勘定科目
    回収される残高調整銀行取引の転記先となる勘定科目表コード。通常は銀行口座を指定します。メモ勘定科目は選択できません。この勘定科目は、決済プロファイルで設定できます。

    複数の取引通貨で入金調整を行う場合は、 [通貨コード (CNC)] で指定されている各通貨の [回収勘定科目] が使用されます。通貨に回収勘定科目が定義されていないと、ここで入力する勘定科目が使用されます。

  2. 入金実行から銀行口座振替ファイルを作成するには、 [入金実行 銀行口座振替] 詳細が必要です。このフォームは、すべてのシステム設定と実行時設定で銀行口座振替ファイルを作成するように設定されている場合にのみ表示されます。「銀行口座振替ファイルの作成を制御する」を参照してください。
    銀行口座振替ファイルを他のアプリケーションまたはソフトウェアへの入力ファイルとして使用して、自動決済システムで支払を回収できます。

    次の情報を指定します。

    口座振込処理日
    銀行が回収金額を処理する日付。今日の日付より前の日付は選択できません。イギリスでは通常、BACS の日付は転送日の 2 日前から転送日以後 40 日以内でなければなりません。この日付は、転送時にリセットまたは上書きできます。
    標準銀行取引参照
    支払理由を表す参照。顧客の銀行口座詳細に参照を保存することができますが、保存されていない場合は、ここに入力する参照が使用されます。このフィールドは空欄にすることもできます。イギリスの BACS では、この参照は必須ではありません。
    元帳決済参照
    回収勘定科目に転記されるすべての取引に適用する参照をこのフィールドに入力できます。入力された参照の妥当性は検査されません。このフィールドは空欄にすることもできます。
    単一支払
    入金実行で回収される銀行勘定科目に 1 つの統合取引を生成するには、このチェックボックスをオンにします。このオプションは、統合を使用する場合、または入金銀行勘定取引で分析コードを統合する場合に必要です。

    回収された各勘定科目を個別の取引として回収勘定科目に記録する場合は、このチェックボックスをオフにします。

    注:  このオプションを使用すると、 [支払無効処理] を使用して 1 つの顧客からの受領をキャンセルすることはできません。
    銀行ファイル ID
    このコードを [銀行ファイル名] の拡張子として使用し、入金実行ファイルを識別します。デフォルトでは、同じプロファイルで前回実行した際に指定した銀行ファイル ID が使用されます。プロファイルを使った初回の実行では、空欄でない限り、プロファイルに指定されている銀行ファイル ID がデフォルトになります。空欄の場合は 01 になります。
    銀行ファイル名
    デフォルトでは、このオプションは表示のみです。ビジネスユニットコードと銀行ファイル ID を拡張子として含んでいる銀行口座振替ファイルのファイル名が表示されます。同じ名前のファイルが既に存在すると警告が表示され、ファイルを上書きするか、 [入金実行] をキャンセルできます。ファイルが完全に転送されたことを確認するまでは、ファイルを上書きしないでください。

    このフィールドが有効にされている場合は、銀行口座振替ファイルの別のパスとファイル名を入力できます。c:\folder\ などのローカルドライブや、//computer01/output などのネットワークドライブを入力できます。ネットワークパスは、大文字と小文字を区別しません。「/ (フォワードスラッシュ)」や「\ (バックスラッシュ)」を含めることができます。入力したファイルパスと名前は、この決済プロファイルを使用する次の入金実行のデフォルトとして保持されます。

    注:  入金実行の際にファイルパスと名前を変更するためには、このフィールドを [入金実行 銀行口座振替] フォームで有効にする必要があります。このフィールドを有効にするには、 [フォームデザイナ (FRD)] で [SAGD44] フォームを開き、[銀行ファイル名] コントロールをクリックして、[有効] プロパティ値を [True] に設定します。
  3. [入金実行] では次の 2 つの分析統合を行うことができます。
    • [債権/両建分析コード] の統合
    • 銀行分析コードの統合

    いずれも、 [入金実行] で生成される取引行の分析コードを統合するものです。

    また、ビジネスルールを使用することにより、生成取引の分析コードを設定したり、妥当性を検査することもできます。これを行うには、 [入金実行] の [機能コード] をチェックする [イベントプロファイル] を作成し、[00015 挿入] または [00016 システム生成取引の分析を検証] の [呼出] ポイントを定義します。

    [統合修正] と [銀行分析] オプションでビジネスルールを使用する方法については、「分析コード統合」と「ビジネスルール」を参照してください。

  4. [統合修正] をクリックして、[債権/債務分析コード] の [入金実行 統合] フォームを表示します。
  5. 次の情報を指定します。
    分析要素
    [入金実行 統合] フォームには、元帳に割り当てられている分析要素が一覧表示されます。このフォームを使用して、売掛金/債権勘定科目の支払取引を元の取引の分析コードに基づいて分割したり、支払取引に新しい分析コードを割り当てることができます。

    入金実行で回収された合計金額に対して、各売掛金/債権勘定科目に 1 つの統合取引を生成して転記するには、分析要素コードを空欄にします。これがデフォルトのオプションです。

    回収される元の債権取引と同じ分析要素コードを回収取引に割り当てて生成するには、分析要素に [..] を入力します。この場合、債権勘定科目の元の取引に異なる分析コードが含まれていれば、債権勘定科目に複数の回収取引が生成されます。上記の [回収勘定科目に単一取引転記] を設定していない場合は、元取引の分析コードが該当する銀行取引に自動的に入力されます。または、特定の分析要素コードを指定して、生成された入金取引に分析コードを設定することもできます。

    [統合修正] とビジネスルールを合わせて使用する方法については、「分析コード統合」と「ビジネスルール」を参照してください。

    注:  取引順序コードまたは日計表コードにはこの機能は使用できません。
    階層統合
    取引でプリンシパル相関階層が定義されている場合、このオプションを選択して階層の各レベルで取引を統合します。「統合支払の生成に階層を使用する」を参照してください。
  6. [換算差益/差損分析] をクリックして、換算差益/差損取引分析コードの [入金実行 統合] フォームを表示します。
  7. 次の情報を指定します。
    分析要素
    [入金実行 統合] フォームには、元帳に割り当てられている分析要素が一覧表示されます。このフォームを使用して、通貨での支払で生成された換算差益/差損取引に分析コードを割り当てることができます。

    各換算差益/差損に対して 1 つの統合取引を生成して転記するには、分析要素コードを空欄にします。これがデフォルトのオプションです。または、特定の分析要素コードを指定して、換算差益/差損取引に分析コードを設定することもできます。

    注: 取引順序コードまたは日計表コードにはこの機能は使用できません。
    階層統合
    取引でプリンシパル相関階層が定義されている場合、このオプションを選択して階層の各レベルで取引を統合します。「統合支払の生成に階層を使用する」を参照してください。
  8. [銀行分析] をクリックして、銀行分析コードの [入金実行 統合] フォームを表示します。

    このフォームでは、 [決済プロファイル (PYP)] または [入金実行銀行口座振替] フォームで [決済勘定科目に単一取引転記] が定義されている場合に、銀行口座取引に分析コードを設定できます。

    注: 回収が取引通貨で行われていて、複数の可変通貨が使用されている場合は、これらの通貨ごとに複数の銀行支払行が生成されます。設定されている分析コードに基づいて、回収行が集計されます。また、設定によっては、行を複数のグループにまとめることもできます。
    分析要素
    [銀行分析] フォームには、元帳に割り当てられている分析要素が一覧表示されます。 [支払実行 銀行口座振替] フォームで [回収勘定科目に単一取引転記] が設定されていれば、このフォームで銀行取引の分析要素を指定できます。

    入金実行で回収される合計金額に対して 1 つの統合取引を生成して、回収勘定科目に転記するには、分析要素コードを空欄にします。[回収勘定科目に単一取引転記] オプションを設定している場合は、デフォルトで空欄にします。

    または、特定の分析要素コードを指定して、生成された銀行取引に分析コードを設定することもできます。

    債権/両建勘定科目の取引と同じ分析要素コードを銀行取引に割り当てるには、分析要素に [..] を入力します。この場合は、複数の銀行取引が生成されることがあります。

    注:  分析要素に [..] を入力して債権/債務取引行から要素の分析コードをコピーする場合は、まず [債権/債務分析コード] の [入金実行 統合] フォームで要素のオプションを入力する必要があります。これを行うには、上記の説明に従って [統合修正] をクリックします。

    [銀行分析] とビジネスルールの詳細については、「分析コード統合」と「ビジネスルール」を参照してください。

    階層統合
    取引でプリンシパル相関階層が定義されている場合、このオプションを選択して階層の各レベルで取引を統合します。「統合支払の生成に階層を使用する」を参照してください。
  9. 変更内容を保存します。