MRP 計画のリードタイムの定義
特定の計画環境では、品目の取得、製造、または受入に必要な時間を概算するために、システムによってリードタイムが使用されます。いずれの場合も、 [品目] フォームまたは [マルチサイト品目] フォームの次のようなフィールドで MRP 計画のリードタイムを定義します。
- [固定リードタイム]
- [変動リードタイム]
- [受入リードタイム]
このヘルプトピックでは、購買品目、製造品目、および移動品目にリードタイムを適用する方法について説明します。
購買品目リードタイムと製造品目リードタイム
購買品目の場合、[リードタイム] フィールドに手動で値を入力する必要があります。製造品目の場合、手動でリードタイムを入力するか、 [リードタイムプロセッサ] を使用して、最新作業手順の作業時間からリードタイムを生成できます。
システムによる計画オーダ開始日の決定方法
MRP は計画オーダを作成する際、品目のリードタイムに対する納期に遡って要求を計画することによって、計画オーダの内部開始日を決定します(MDAY カレンダ上の日数 のみをカウント)。ここで、リードタイムは次式から計算されます。
固定リードタイム + (変動リードタイム x 要求数)
この PLN 開始日は、フォームやレポートには一切表示されませんが、PLN から展開された部品 PPLN 要求の納期としてシステムで使用されます。たとえば、品目 A のリードタイムが 3 日であるとします。また、品目 A は、部品 B から作成されています。システムでは、納期が 4/22 の 品目 A に対する PLN を作成します。PLN の内部開始日は 4/19 と計算されます。品目 B に対する PPLN の納期も 4/19 になります。
システムによるジョブまたは購買オーダ開始日/発行日の決定方法
計画オーダが確定すると、MRP は、その結果として生じるジョブまたは購買オーダの開始日または発行日を次式から決定します。
開始/発行日 = PLN 納期 - 固定リードタイム - (変動リードタイム x 要求数) - 受入リードタイム
通常、購買品目には、固定リードタイム、受入リードタイム、およびペーパワークリードタイムがありますが、変動リードタイムはないのが普通です。
例
この購買オーダ例の場合、次の条件を仮定しています。
- 現在日/時間 = 5/16 の 08:00
- 計画購買オーダ納期 = 5/31 の 08:00
- 数量 = 10
- 購買品目リードタイムは以下のように定義されています。
- FLT = 1 日
- VLT = 0.5 時間。通常、購買品目の VLT には 0 が用いられますが、ここでは説明のためにゼロ以外の数値を使用しています。
- DSLT = 1 日
システムでは、以下の順序で計算が実行され、以下の順で購買オーダの発行日が算出されます。
- FLT および DSLT のリードタイム値を合計すると、結果は 2 日となります。
- VLT 値の 0.5 を数量 10 に掛け、結果は 5 時間となります。
- 5 時間と(2 日 x 24 時間)を加算し、結果としてリードタイム合計が 53 時間となります。
- システムは、納期(5/31 月曜日の 08:00 )から開始し、MDAY カレンダ上(この例では、MDAY カレンダは、月曜日 ~ 金曜日の 8 a.m. ~ 5 p.m.月曜日 ~ 金曜日の 8 a.m. ~ 5 p.m.、12:00 に 1 時間の昼休みとと想定)の日数のみカウントして、53 時間遡ります。
- その結果、発行日は、5/27 火曜日の 11:00 となります。
購買品目リードタイムを使用する場合
MRP では、計画オーダの開始日および計画オーダから確定された購買オーダの発行日を計算することに加え、購買品目リードタイムを使用して以下の機能も実行します。
- 購買オーダをジョブ資材から相互参照して作成する場合、システムは、品目の受入リードタイムを作業開始日から(作業開始日が未記入でない場合)またはジョブ開始日から(作業開始日が未記入の場合)差し引きます。
- 購買オーダ明細または購買要求明細を手動で作成するときに、品目と購買オーダ購入先に購入先契約が存在する場合、システムは、品目購入先レコードのリードタイムを適切な日付に加算することにより、デフォルトの納期を以下のように計算します。
- 購買オーダ明細:品目購入先リードタイムが購買オーダ日に加算されます。
- 一括購買オーダ発行:品目購入先リードタイムが入力した発行日に加算されます。
- 購買要求明細:品目購入先リードタイムが購買要求納期に加算されます。
製造品目リードタイムを使用する場合
MRP では、計画オーダの開始日および計画オーダから確定されたジョブの開始日を計算することに加え、所要量をジョブからジョブ部品表に展開する際の資材コンポーネントの納期を決定します。
資材コンポーネントの納期の計画にリードタイムを使用する場合の詳細については、[作業開始時に資材を計画] フィールドのフィールド説明を参照してください。
また、MRP では、製造品目のリードタイムも使用して、作業と資材のエフェクトを決定します。
[リードタイムプロセッサ] を使用すると、最新作業項目を使用して、全ての製造品目のリードタイムを自動的に計算できます。
移動品目リードタイム
システムによって、購買品目や製造品目と同様の方法で移動品目のリードタイムが計算されます。ただし、リードタイム合計に移動時間( [サイト間パラメタ] フォームで定義)が加算されます。たとえば、品目のリードタイムが 1 日で、受入サイトへの出荷に 3 日かかる場合、リードタイム合計は 4 日になります。
詳細については、「計画移動オーダレプリケーションの設定」を参照してください。