外部財務インタフェースの設定

CloudSuite Business には、 Infor SunSystems または SAP などの外部財務システムで使用可能な XML ベースのインターフェースが用意されています。また、 CloudSuite Business には、Infor Global Financials ( IGF ) への直接データアクセスインターフェースが用意されています。CloudSuite Business と他のシステムとの間でエクスポートまたはインポートを行う際の財務情報の区分を選択できます。

注: 
  • Infor CloudSuite Business エンタープライズ財務(SunSystems インターフェース)パッケージを設定する場合、これらの手順ではなく Infor CloudSuite Business エンタープライズ財務インストールおよび実装ガイド』 を参照してください。
  • IGF との統合を設定する場合、これらの手順ではなく Infor CloudSuite Business Infor グローバル財務実装ガイド』 を参照してください。
  • 任意の他の財務パッケージを使用する場合、下記の手順に従います。

受取財務インターフェースの設定」 と共にこのトピックを活用してください。

インターフェースを CloudSuite Business から外部財務システムへ設定するには、以下の手順に従います。

  1. 外部財務インタフェースではデータをやり取りするメソッドとして非トランザクションレプリケーションを使用します。レプリケーションの機能について理解しておいてください。

    詳細については、 『サポートサイト』 で提供されている レプリケーション参照ガイドを参照してください。

  2. データフロー(CloudSuite Business から外部システムに渡されるトランザクションレコード)と データ保守(顧客コード、条件コード、または為替レートなど、 CloudSuite Business と外部システムとの間でやり取りされる「コード」レコードの更新)の区別を理解しておいてください。買掛タスクおよび売掛タスクの「マスタ」になるシステムを決定します。
  3. CloudSuite Business 、および外部財務アプリケーションのデータベース構造も理解しておいてください。データの保守を行なうシステムに注意して、システム間を流れる財務データをマッピングしてください。

    CloudSuite Business データマップのスキーマプロパティスプレッドシートは、 CloudSuite Business データベースの表とカラムを一覧表示するもので、マッピング計画の有効な出発点になり得ます。

  4. CloudSuite Business とのデータの受け渡しに使用する XML 要求文書の構文をよく理解しておいてください。

    詳細は、 『Integrating IDOs with External Applications』 (IDO と外部アプリケーションの統合)』(特に「XML IDO Request and Response Documents (XML IDO 要求文書と応答文書)」の章)を参照してください。この資料は、サポートサイト から入手できます。

  5. [システム区分] フォームで、外部財務アプリケーション用の新規のシステム区分を作成します。

    このシステム区分は、 [サイト/会計グループ] フォームで外部財務アプリケーションのターゲットサイトを定義する際に使用します。

    CloudSuite Business アプリケーションについても、追加のシステム区分が定義されていることを確認しておいてください。

    (ソースおよびターゲットシステム区分は、XML データの変換に使用可能な XSL スタイルシートの名前で使用されます。)

  6. [イントラネット] フォームで、外部財務アプリケーションに対するデータ要求の受け渡しのみで使用する個別のイントラネットを定義します。このイントラネットに EXTFIN など固有の名前を付け、[外部] チェックボックスをオンにします。

    このイントラネットについて、財務 XML 要求/応答文書の転記先である URL を指定します。この URL は、[イントラネット] フォームの [URL] フィールドに入力してください。この URL は、 CloudSuite Business メッセージキューから XML を受け取って処理する外部財務システムの ASP ページでもかまいません。この URL で行う処理については、ユーザの判断に任されます。たとえば、ASP ページで外部システムの所定の形式へのデータのマッピングを行うこともあれば、後で処理するために、XML 文書をそのサーバ上のロケーションに書き込む場合もあります。

  7. [サイト/会計グループ] フォームで、システムデータのエクスポート元のソースサイトを定義します。
    • [システム情報] タブで、 CloudSuite Business アプリケーションのシステム区分(以前に定義済)およびタイムゾーンを選択します。
    • [イントラネット名] をデフォルトイントラネットに設定します。
    • [データベース名] フィールドでアプリケーションデータベース名を指定します。
  8. [サイト/会計グループ] フォームで、外部財務インターフェースのターゲットサイトを定義します。
    注:  このサイトは、それ以外の目的には使用しません。混乱を避けるため、このサイトに EXTFIN という名前を付けることをお勧めします。
    • [システム情報] タブで、次を実行します。
    • 外部財務アプリケーションのシステム区分(以前に定義済)およびタイムゾーンを選択します。
    • 前のステップで作成したイントラネットに、このサイトの [イントラネット名] を設定します。
    • [データベース名] フィールドを、外部財務アプリケーションデータベースに設定します。
  9. [サイトユーザマップ] タブで、次を実行します。
    • [元サイト] フィールドで、データを EXTFIN に送信する CloudSuite Business サイトを指定します。
    • [ユーザ名] フィールドで、このサイトのローカルユーザを指定します。

    このユーザに関するセットアップ要件の詳細については、上記のタブおよびフィールドのオンラインヘルプを参照してください。

  10. 請求書、借方伝票および返品伝票または支払証書と調整、あるいはその両方を外部財務システムにエクスポートする必要があるかどうかを決定します。下記のように、 CloudSuite Business [外部財務インターフェースパラメタ] フォームの各種フィールドを使用して情報を指定します。
    • [外部財務インタフェースを使用] を選択すると、 CloudSuite Business は全ての転記済総勘定元帳(G/L)トランザクションを外部システムにエクスポートします。これにより、全ての顧客および購入先レコードは CloudSuite Business に作成および更新され、レコードは外部システムにエクスポートされるものとみなされます。また、このオプションを選択すると、 [外部財務インターフェースデータ要求ユーティリティ] が使用可能になります。
    • 売掛用の外部財務システムを使用する場合、[外部買掛システム]を使用 も選択します。これは、 CloudSuite Business に、全ての転記済買掛支払証書と調整トランザクションを外部システムにエクスポートすることを要求します。
    • 売掛用の外部財務システムを使用する場合、[外部売掛システムを使用] も選択します。これは、 CloudSuite Business に、全ての売掛請求書、返品伝票および借方伝票トランザクションを外部システムにエクスポートすることを要求します。また、このオプションを選択すると、[外部財務インターフェースデータ要求ユーティリティ] の [顧客転記済残高] タブが使用可能になります。
    • 買掛および売掛オプションのいずれの場合も、単一の XML 文書に組み込む 最大バッチサイズ を決定できます。XML 文書が大きくなれば、それだけ処理に時間がかかることに注意してください。
    • [サイト]名 フィールドでは、ステップ 8 で定義したサイトを指定します。
  11. [納期計算]、[税計算]、または [通貨変換] について、標準の CloudSuite Business 処理を変更するかどうかを決定します。 [外部財務インターフェースパラメタ] フォームで、上記のいずれかの外部処理を使用するか、またはその全てを使用するかを選択できます。外部処理を選択した場合には、目的に合わせて上記の「スタブ」ストアドプロシージャのうちの 1 つまたは複数のプロシージャを変更する必要があります。
    • ExtFinCurrCnvtCalcSp (通貨変換)
    • ExtFinDueDateCalcSp (納期計算)
    • ExtFinTaxCalcSp (税計算)
  12. 顧客の信用調査を処理する方法を決定します。

    CloudSuite Business が顧客の信用調査を実行する場合、顧客の現在の転記済残高が必要です。CloudSuite Business を売掛機能のために使用する場合、転記済残高を計算し、保存するために必要な情報が全て揃っています。しかし、外部財務システムを売掛機能のために使用する場合、 CloudSuite Business は外部システムから転記済残高を取得する必要があります。このためには、次の 2 通りの方法があります。

    • 信用調査時に(つまり同期して)転記済残高を要求するには、システムが外部システムから顧客の転記済残高を取得するスタブストアドプロシージャを呼び出すように設定します。

      この設定を行うには、 [外部財務インターフェースパラメタ] フォームの [信用調査で外部顧客転記済残高を使用] フィールドを選択します。次に、スタブストアドプロシージャ ExtFinGetExternalPostedBalSp を更新し、外部システムから転記済残高を返すようにします。

    • 以前に(つまり非同期に)取得した転記済残高を使用するには、[外部財務インターフェースデータ要求ユーティリティ] の [顧客転記済残高] タブで要求情報を設定します。

      このユーティリティが実行される度に、 CloudSuite Business は範囲内の全顧客の転記済残高情報を更新します。これにより、信用調査で最新の保存データが使用されます。

  13. [レプリケーションカテゴリー] フォームのデフォルトの外部財務(EXTFIN)カテゴリを参照して、新規カテゴリを追加する必要があるかどうかを決定します。

    たとえば、外部財務システムで必要になるデータがほかの CloudSuite Business の表に存在するかどうかによって異なります。デフォルトのカテゴリをそのままにして、必要に応じて新規カテゴリを作成することをお勧めします。デフォルトの EXTFIN カテゴリは、以下の一覧表示のとおりです。

注:  テーブル名は、テーブル上のビューで表すことができます。この選択には、適切な場合にはテーブルの代わりにビュー名が使用されます。
  • EXTFIN:CloudSuite Business の売掛、買掛、および一般会計トランザクションの外部財務システムへのエクスポート、および外部財務システムによる CloudSuite Business 表への更新要求のエクスポートに使用します。このカテゴリには、財務情報のエクスポートに必要な機能および XML 文書が含まれます。
    • ExtFinAPVoucherPosting:CloudSuite Business の export_aptrx テーブルおよび export_aptrxd テーブルからデータをエクスポートします。これらには、さまざまな買掛テーブルから収集されたデータを収めるためのテーブルが保持されています。
    • ExtFinARInvoicePosting:CloudSuite Business の export_arinv テーブルおよび export_arinvd テーブルからデータをエクスポートします。これらには、さまざまな売掛テーブルから収集されたデータを収めるためのテーブルが保持されています。
    • ExtFinAnaLedgerPosting:CloudSuite Business の ana_ledger テーブルからデータをエクスポートします。
    • ExtFinLedgerPosting:CloudSuite Business の元帳テーブルからデータをエクスポートします。
    • ExtFinRequest:外部財務アプリケーションへの更新要求を特定の CloudSuite Business テーブルにエクスポートします。詳細については、 [外部財務インターフェースデータ要求ユーティリティ] のヘルプを参照してください。
  • EXTFIN 顧客:CloudSuite Business の顧客情報のエクスポートに使用します。このカテゴリには、兄弟データベーステーブル custaddr および customer が含まれます。
  • EXTFIN 購入先:- CloudSuite Business の購入先情報のエクスポートに使用します。このカテゴリには、兄弟データベーステーブル vendaddr および vendor が含まれます。

顧客および購入先レコードの処理注記:CloudSuite Business で新規顧客または購入先記録を追加すると、その情報がそれぞれ兄弟テーブル customer/custaddr または vendor/vendaddr からの情報を結合し、単一の XML 文書として外部財務システムに送信されます。単一の XML 内の custaddr または vendaddr の情報には、テーブルのカラムに関する、指定のキー値およびデフォルト値が含まれます。ユーザ指定値は、挿入に続く更新の一部として組み込まれます。ただし、既存の顧客または購入先レコードの 更新 の場合、XML 文書は変更されたテーブルからのみレコードを引き出します。

  • [レプリケーションルール] フォームを使用して、EXTFIN カテゴリ毎に 1 つのレプリケーションルールを作成します。

    これは、データを EXTFIN サイトにエクスポートする各 CloudSuite Business サイトで行う必要があります。前のステップで、ご使用の外部財務システム用に追加のカテゴリを作成した場合は、この新規カテゴリ用にもルールを設定してください。

    見本のルールには、以下のような情報が含まれます。

    ソースサイト:OH (データの抽出元のサイト)

    ターゲットサイト:EXTFIN

    カテゴリ:EXTFIN 購入先

    説明:購入先情報を EXTFIN に渡します。

    間隔区分:即時(トランザクション以外はいずれも有効です)

    間隔:(間隔区分が「即時」の場合は空白です。それ以外の場合は間隔値)

    開始間隔日(間隔区分が「即時」の場合は空白です。それ以外の場合は時間値)

    レプリケーション無効(クリアされている場合 - EXTFIN がレプリケーションを使用)

    全カラムの更新(クリア)

  • [レプリケーション管理] フォームで、[レプリケーショントリガの再生成] ボタンをクリックし、上記のステップで作成したルールに基づいてデータベーステーブルトリガを再構築します。
  • CloudSuite Business ユーティリティサーバでレプリケーションサービスを停止および開始します。
  • ステップ 12 で説明した XML 文書の取り込みおよび処理を行うために、ご使用の外部財務システムで URL を設定します(この URL はステップ 6 で指定しました)。

    これらの例では、実際のテーブル名の代わりにビュー名を使用します。

    • EXTFIN XML 「更新コレクション」 文書は、外部財務システムで更新されるべき CloudSuite Business からの情報を指定するために使用します。これらの文書は、以下に示すような一組のタグで始まります。

      <IDORequest>

       <RequestHeader Type="UpdateCollection">

        <RequestData>

         <UpdateCollection Name="EXTFIN.xml_doc_name.table">

      例: <UpdateCollection Name="EXTFIN.ExtFinLedgerPosting.ledger">

      外部財務システムは、外部財務アプリケーションでデータを更新して、「更新コレクション」要求に応答することになります。

    • EXTFIN XML 「ロードコレクション」 文書は、 CloudSuite Business の更新が必要な外部財務システムからの情報を要求するために使用します。これらの文書は、以下に示すような一組のタグで始まります。 <IDORequest>

       <RequestHeader Type="LoadCollection">

        <RequestData>

         <LoadCollection Name="EXTFIN.xml_doc_name.table">

      例: <LoadCollection Name="EXTFIN.ExtFinRequestChart.chart">

      例外は、「invoke メソッド」要求を使用する [顧客転記済残高] 要求です。

      <Invoke="EXTFIN.ExtFinRequestCustomerPostedBalance">

      外部財務アプリケーションは、「ロードコレクション」要求および「invoke メソッド」要求に応答して、要求されたデータを含む「更新コレクション」応答を CloudSuite Business に返すことが想定されています。

      詳細については、 「例: 外部財務アプリケーションのデータの要求」 を参照してください。

    • [EXTFIN 顧客] および [EXTFIN 購入先 XML] 文書には、以下に示すようなタグが含まれます。

      <UpdateCollectionName="Table!replication_category_to_object_name">

      例: <UpdateCollectionName="Table!Customer">

      外部財務システムは、外部財務アプリケーションでデータを更新して、この種の「更新コレクション」要求に応答することになります。

    ご使用の外部財務システムで、上記のタグ内の情報を使用して、XML 文書毎にデータの処理およびマッピング方法を判断してください。また、外部システムでのインポート処理でも、XML 文書内の batch_seq 情報を処理対象とする必要があります。

    XML 文書で使用する構文およびタグの詳細については、文書 『Integrating IDOs with External Applications』 (IDO と外部アプリケーションの統合)』(特に「XML IDO Request and Response Documents(XML IDO 要求文書と応答文書)」の章)を参照してください。

    CloudSuite Business から生成されるアウトバウンド XML 文書のサンプルは、サポートサイトから ZIP ファイルで入手できます。

  • 外部システムから CloudSuite Business へのインターフェースを設定します。

    受取財務インターフェースの設定」 を参照してください。

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