財務をブローカー元帳として使用する

SunSystems を保険ブローカー元帳として使用することができます。SunSystems の機能を使って、ブローカー元帳環境で次のような元帳処理要件に対応することができます。

  • Pay As Paid 処理 - クライアント (または引受会社) から資金が受領された場合にのみ、引受会社 (またはクライアント) に資金をリリースします。

および

  • プリンシパル相関処理 - SunSystems は、クライアント取引に関して、特定業務取引の借方/貸方金額を実際に負担する引受会社と、その負担率を管理します。また、その逆の情報 (引受会社取引についてのクライアント情報と負担率) も管理できます。

Pay As Paid

複数の当時者の仲介役を果たす組織のブローカー元帳では、支払われた場合にのみ支払う「Pay As Paid」処理が必要です。組織は、一方の当事者から資金を受け取り、別の当事者にこの資金を渡します。この状況では、資金を一方の当事者から受領してから、別の当事者に支払うことが重要です。簡単な例では、ブローカーがクライアントから保険料を受け取り、受け取った後にのみ、この保険料を保険引受会社に支払います。

つまり、対応する「借方要素」が受領されるまで、業務取引の「貸方要素」を保留する必要があります。財務処理に関しては、該当する取引が照合されるまで、取引の支払を保留する必要があります。

「支払確認後に支払う」処理を可能にするため、財務モジュールでは次の処理を行うことができます。

  • 「業務取引」を構成するすべての元帳取引を識別します。たとえば、保険料または請求に関連するすべての転記を識別できることが必要です。それには、取引間リンク参照を使用します。
  • 取引に関わる両方の当時者、つまりクライアントと引受会社を識別します。これは、 [勘定科目表 (COA)] で各勘定科目に設定する [エージェンシー/ブローカー][勘定科目タイプ] によって決まります。
  • 勘定科目に転記する現金転記と非現金転記を識別します。これは、 [仕入タイプ (JNT)] で仕訳タイプに設定する [転記タイプ] によって識別されます。

財務モジュールがブローカー元帳として使用されると、上書き変更する場合を除いては、Pay As Paid 原則が必ず適用されるように多くの処理タスクが自動的に実行されます。

これらのタスクの多くは、特定の消込みアクションが特定のシステム機能によって認識されると自動的に設定される消込みコードによって呼び出されます。

たとえば、保険料の仕訳が財務モジュールに入力されると、元帳入力 (LEN) または元帳インポート (LIM) は、自動的に貸方取引の消込みマーカーを保留に設定し、その貸方取引に対してクライアントからの支払が受領されるまで、支払が行われないようにします。この処理は、元帳入力 (LEN) と元帳インポート (LIM) で [回収可能項目リリース] の消込みアクションによってトリガされます。次に、クライアントから現金が受領され、借方取引に対して照合が行われると、対応する貸方取引から保留記号が削除され、現金が引受会社への支払にリリースされます。このリリース処理は、[支払可能項目リリース] の消込みアクションによってトリガされます。

プリンシパル相関

プリンシパル相関を使用することにより、ブローカーが次の項目を簡単に識別できるようにします。

  • 各クライアントに対して、保険料と請求を引き受ける引受会社を明らかにします。
  • 各引受会社に対して、各クライアントとの位置づけを明らかにします。

高額の保険契約では、階層形式でリスクを多数の引受会社に分散することが頻繁にあります。この構造には複数のレベルがあり、同じ引受会社が複数のレベルに属すことがあります。この構造は、財務モジュールの取引で識別され、照会やレポートのベースとして使用されます。さらに、取引もこの階層内のさまざまなレベルで照合され決済されます。

プリンシパル相関階層情報は、SunSystems で直接入力または管理することができないため、元帳インポート (LIM) で外部システムからインポートする必要があります。

プリンシパル相関情報は、フィルタとコントロールデスクを使用して SunSystems で表示できます。