為替再評価計算とは
為替再評価計算 (LER) は、一連の取引で 1 つの通貨を他の通貨に対して再評価します。再評価される通貨では、元の金額と再評価後の金額の差異が取引ごとに計算されます。再評価の差額には次のものがあります。
- 換算レートの変動による未実現の通貨損益
- 端数差異を反映する残高調整
為替再評価計算 (LER) では、勘定科目の差額を反映させる再評価取引を元帳に転記したり、差額に関するレポートを作成したりできます。
為替再評価計算プロファイル (LEP) でプロファイルの選択基準を定義することにより、再評価に含める取引を指定できます。
再評価の元/対象通貨を選択する
各元帳取引には、ビジネスユニット設定に基づいて、基本通貨、取引通貨、第 2 基本/レポート通貨、第 4 通貨の最多 4 つの通貨値を含めることができます。
[為替再評価計算] は、これらの通貨の 1 つである対象通貨を、別の通貨である元の通貨に対して再評価します。つまり、各取引の元の通貨値を取得し、再評価会計期換算レートを使用して、改訂した対象通貨値を計算します。
指定する元の通貨と対象通貨は、再評価の必要条件とピボット通貨によって異なります。これにより、再評価取引で計算され転記される取引値も異なります。
再評価する取引を選択する
為替再評価計算プロファイルを設定して、勘定科目タイプ、勘定科目コード範囲、仕訳タイプ範囲、仕訳番号範囲、通貨コードによって再評価取引を選択できます。たとえば、債権、債務、両建勘定科目の処理可能な通貨取引だけを再評価します。
再評価に使用されるレートは、為替再評価計算プロファイルで指定された通貨レートタイプ (CRT) です。通貨レートタイプが設定されていない場合は、会計期換算レート (CNP) の会計期レート設定が使用されます。為替再評価計算 (LER) では日次レートが使用されませんが、日次レートで転記された元取引を再評価することはできます。
再評価差異を転記する
為替再評価計算 (LER) では、選択した取引ごとに再評価を行い、結果の再評価差異を各取引について個別に転記できます。
多数の取引を再評価する必要がある場合は、取引を統合してから再評価を行い、統合した差異を転記するように選択できます。通貨ごとに会計期、分析要素、資産、勘定科目によって統合できます。
固定資産取引を再評価する
資産の減価償却を転記する勘定科目は、通常、為替再評価計算の処理から除外されます。これは、取引通貨の減価償却は基本通貨の減価償却とは無関係に計算され、また異なる減価償却方法で金額が計算される場合があるためです。
その他の資産に関連する取引では、資産コードが再評価取引に保持されます。資産コードによって再評価取引を統合することができます。
再評価の仮転記
仮転記がオプションで設定されている場合は、為替再評価計算 (LER) で仮取引を転記することができます。
仮取引転記に関連して独立して使用できる処理として、順序番号コード、取引行番号、参照を仕訳に記録できます。システムが生成する為替再評価計算取引に順序番号を適用できます。