動的引当の概要
動的引当は、パレット差替またはソフト引当とも呼ばれます。動的引当を十分に理解するには、引当プロセスおよびピッキングプロセスを理解している必要があります。
動的引当は、出庫作業を柔軟に行う必要がある組織をサポートします。アプリケーションでは、事前に定義したルールに基づいて品目の在庫回転が厳密に管理されます。ただし、一部の作業では、顧客に合わせてこうしたルールを変える必要があります。
他にも多数のパレットや複数パレット棚を床に直積み保管している場合、パレット差替の柔軟性が必要になることがあります。通常のハード引当の方式では、アプリケーションによって在庫の回転が厳密に行われ、先に入庫したパレットが一番後ろで取り出しにくいロケーションにある場合でも、最初に取り出すパレットとして要求されます。動的引当では、生産性を最大限に高めるために、各倉庫で在庫回転の厳密性の許容レベルを決定するガイドラインを設定できます。パレットの差替機能によって、ピッキング作業者は、他の品目の在庫回転要件を満たす限り、そのロケーションから任意のパレットを選択できます。
動的引当では、需要引当と呼ばれるレコードが生成されます。これらのレコードに基づいてピッキングプロセスが実行されますが、ピッキング明細レコードは、作業者が RF 端末を使用してピッキングを完了した時にはじめて正式に生成されます。
この方法で引当を実行することには、次の利点があります。
- 動的引当では作業者が実際にピッキングするまでロット、ロケーションまたはライセンスプレートが確定されないため、倉庫内で品目の移動を自由に行うことができます。
- ピッキングが行われる前には、どのパレットから注文のピッキングをするかがシステムによって決定されないため、パレットの差替が可能です。
- 動的ピッキングがリアルタイムにできます。ピッキング元ロケーションから積付ロケーションまたはホールドロケーションに移動するタイミングでテーブルが更新されます。このため、指定されたロケーションに存在するすべての在庫数量が常に最新に保たれ、循環棚卸、実地棚卸などで利用されます。
- 引当時に何をピッキングしなければならないかについて、システムがすべての明細を設定するわけではないため、ウェーブの出庫注文の引当時間を大幅に短縮できます。
システムカートン化ロジックを使用するために動的引当を構成することもできます。これを利用して、品目設定に基づいてケース数量をコンテナにピッキングできます。システムは、どの品目を同じ出庫コンテナにピッキングできるかを判断できるので、必要に応じて作業者に作業を配分できます。