完了済だが未入庫の数量に関する原価の修正
実際原価計算を適用した場合は一般に、製造オーダの完了を一部の数量ずつ処理する必要があります。原価のうち在庫評価の対象として含める必要があるのは、倉庫に入庫済の数量分の原価のみです。完了数量分の原価のうち、倉庫にまだ入庫されていない原価は、除外する必要があります。そのため、修正要素が適用されます。
例
- 完了数量 = 17
- 倉庫で受領済のオーダ数量 = 10
- 受領予定数量 = 2
- 現在までの実際原価 = EUR 17,000
この場合、17 品目分の原価がすでに EUR 17,000 と算出されています。先に述べた 2 品目が倉庫に入庫されると、12 品目 (10 + 2) が入庫されたことになります。結果として、生じた実際原価に基づく入庫転記の原価は、12 品目を対象とした原価でなくてはいけません。よって、適用される修正要素は 12 ÷ 17 です。2 品目が倉庫で受領された後、受領転記の合計値は、次式のようになります。
17000 x 12 ÷ 17 = EUR 12,000