履行計画 - Inventory Control Manager (ICM) と LN の統合

ここでは、Inventory Control Manager (ICM) アプリケーションと LN の統合について説明します。履行計画は、Inventory Control Manager (ICM) と LN を統合する場合の基礎になります。ICM アプリケーションでは、企業全体の在庫概要が提供されます。ICM アプリケーションは未決済の需要オーダと供給オーダを使用して、現在の在庫レベルを判断します。在庫が不足している場合、ICM アプリケーションは出荷対象の需要オーダを確認し、オーダごとに出荷できる数量を決定します。この情報は履行計画を介して LN に転送されます。LN は、ICM の履行計画に基づいて出荷を実行します。また、履行計画を使用して、適切な出庫勧告を決定します。

履行計画を使用するには、マスタデータパラメータを設定する必要があります。詳細については、次のトピックを参照してください: 履行計画との統合

履行計画 - 計画および発行処理

ICM では、履行計画に対して計画と発行のサイクルが実行されます。このサイクルの重要な概念は発行範囲であり、これは当日から数日後の任意の時点を意味しています。発行範囲内にある履行ラインの状況は [発行済] に設定され、関連した数量を指定の日時に出庫できることを出荷システムに示します。通常、状況が [発行済] の履行ラインは変更されません。状況が [計画済] の履行ラインは情報提供専用であるため、倉庫管理処理に使用されません。状況が [計画済] の履行ラインは、いつでも変更できます。

オーダラインが出荷済の場合やオーダラインが存在しない場合は、履行計画がアーカイブされた後で削除された可能性があります。

出庫勧告の作成

[出庫勧告の生成 (whinh4201m000)] セッションを実行すると、状況が [発行済] の履行計画ラインから出庫数量と計画納期が取得されます。[出庫オーダライン (whinh2120m000)] セッションで品目に対して [履行計画を使用] チェックボックスがオンになっている場合に、発行済の履行計画ラインが存在しないと、出庫勧告を作成することができません。出庫オーダラインごとに履行計画の使用をマニュアルで無効にするには、[出庫オーダライン (whinh2120m000)] セッションの [履行計画を却下] チェックボックスをオンにします。履行ラインを無効にすると、履行計画が出庫勧告の作成における最優先考慮事項であることを示す警告が表示されます。[履行計画を却下] チェックボックスをオンにした場合は、履行計画を考慮せずに出庫勧告が作成されます。

[履行計画を使用] チェックボックスをオフにした場合は、履行計画が考慮されません。

次の条件が満たされている場合にのみ、履行計画ラインに対して出庫勧告が作成されます。

  • 履行計画ラインの状況が [発行済] である

  • 出荷日が出庫勧告の作成に使用される範囲内にある

出庫勧告の選択範囲内に複数の履行ラインが存在する場合は、勧告を作成する際にこれらのラインの合計数量が考慮されます。

出庫オーダライン (OOL) 1 = 数量 5 個

履行計画ライン 1: 数量 3 個、2009 年 1 月 22 日、[発行済]

履行計画ライン 2: 数量 2 個、2009 年 1 月 15 日、[発行済]

出庫勧告の作成対象:

  • 1 月 12 ~ 16 日: 履行計画ライン 2 だけが考慮されます。数量 2 個についての勧告が作成されます。

  • 1 月 12 ~ 23 日: ライン 1 とライン 2 がいずれも考慮されます。数量 5 個についての勧告が作成されます。

注: 
  • 履行計画ラインの出荷日は、勧告を作成する際にそのラインを考慮する必要があるかどうかを判断する目的にのみ使用されます。ソート基準としては使用されません。

  • 出庫勧告が輸送の 「計画積荷/出荷」 から作成された場合は、輸送で履行計画がすでに考慮されています。「計画積荷/出荷」 がこの場合の最優先考慮事項であるため、履行計画は再度考慮されません。

出庫勧告が適切なオプションで直接処理された場合、非連続のレコード選択を使用して処理された場合、または自動オーダ処理中に処理された場合、その勧告は当日の履行計画に限定されます。つまり、すべての履行ラインの出荷日が当日の 24:00 までになります。ユーザは日付範囲を設定できません。

出庫勧告をマニュアルで作成した場合は、履行計画に基づいてデフォルト数量が設定されます。ユーザは、出庫勧告に設定された数量を増やすことができます。

クロスドッキング

クロスドックオーダでは、出庫オーダの納期と数量を履行計画から取得する必要があります。出庫オーダラインに対してクロスドックオーダが作成されます。クロスドックオーダラインは、該当する出庫オーダラインの履行ライン上の発行数量に対して作成されます。クロスドッキングできる数量は必ず、クロスドックタイムフェンスの合計発行数量からすでに処理されている出庫ライン上の数量を減算して求められた数量でなければなりません。

クロスドックオーダラインが作成され、クロスドックタイムフェンスがすでに設定されている場合は、それぞれの発行済履行計画ラインの出荷日が別々に考慮されます。クロスドックタイムフェンスに基づいて出荷日にクロスドッキングが許可されている場合は、出荷数量に対してクロスドックオーダラインが作成されます。

注: 

履行計画に対してクロスドックオーダを作成するための変更は何もありません。履行計画を変更した場合は、クロスドックオーダラインだけがその影響を受けます。

直接資材供給

直接資材供給では、需要オーダの納期と数量を履行計画から取得する必要があります。計画範囲内の発行済ラインごとに需要ラインが作成されます。つまり、それぞれの履行計画ラインが別々の需要として処理されます。履行計画ラインに基づいて正味の所要数量と優先順位が決定されます。需要範囲は、それぞれの履行計画ラインに別々に適用されます。すでに出庫処理またはクロスドッキング処理が実行されている出庫オーダライン上の数量が最初の履行ラインから差し引かれるため、供給が必要な履行ラインだけが残ります。

優先順位の決定に当たって、直接資材供給では、その優先順位が履行計画に適用される場合でも、出荷日が考慮されるだけです。したがって、この場合には、倉庫と品目の組合せに対して設定された優先順位定義は無視されます。

注: 

IC との統合が設定されており、また倉庫と品目の組合せに対して [履行計画を使用] オプションも設定されている場合は、倉庫オーダを直接資材供給の需要タイプとして使用します。それ以外の需要タイプを使用すると、DMS と IC の間で競合状態が発生します。

輸送管理での積荷計画およびオーダクラスタリング

輸送が導入されている場合の機能フローを次に示します。

  • 倉庫管理へ発行

  • IC からの履行計画の受領

  • 積荷計画の作成/輸送オーダクラスタの作成

  • 出庫勧告の作成

積荷計画および輸送オーダクラスタリングの実行時には、[履行計画を使用] チェックボックスがオンになっている品目に関して履行計画を考慮する必要があります。詳細については、次のトピックを参照してください: 履行計画との統合輸送オーダラインのデータに関係なく、状況が [発行済] の履行計画ラインをそれぞれ使用する必要があります。計画済ラインは、ICM アプリケーションによって変更される可能性があるために考慮されません。

積荷計画では、履行計画ラインに基づいて輸送オーダの組合せが作成されます。輸送オーダクラスタリング処理の場合は、[履行計画を却下] チェックボックスがオンになっている発行済履行計画ラインまたは出庫オーダラインだけをクラスタリングする必要があります。

注: 

未発行の履行計画が原因で輸送オーダラインの計画もクラスタリングもできない場合は、LN により、履行計画がまだ発行されていないという内容の警告メッセージが計画ログに出力されます。この輸送オーダラインは、計画/クラスタリング処理でスキップされます。

状況が [発行済] の履行計画が存在する場合は、該当する出庫オーダラインにリンクされた輸送オーダラインの計画/クラスタリングを実行する際に、出荷日のほかに、この履行計画の数量も使用する必要があります。[履行計画を却下] チェックボックスがオンの場合は、出庫オーダラインと輸送オーダラインのオリジナル数量を使用する必要があります。