時間ベースの所有権変更
委託商品の所有権変更が発注先と顧客間の契約に従って時間ベースの場合、在庫の所有権は以下のように変更されます。
- 法的要件に従った入庫後
- 発注先と顧客間の契約の規定に従った入庫後
- 最後の取引後。所有権は、入庫または出庫が実行されていない期間が数日続いた後に変更されます。これは、基本所有権ルールが「委託」であり、入庫や出庫 (消費) が契約で指定されている特定の期間行われていない場合に適用されます。
ロジスティック条件 (tctrm1140m000) セッションの入庫後の時間基準の所有権変更フォールドと最終処理後の時間基準の所有権変更フィールドによって、品目、倉庫、または取引先 (これらの組合せ) の在庫所有権変更を最終入庫後と最終取引後のどちらにするのかが決まります。
時間ベースの所有権変更を登録するために、「在庫所有権変更オーダ」が使用されます。
在庫所有権変更オーダ
所有権変更が時間ベースの委託在庫の所有権を変更するには、在庫所有権変更オーダを生成する必要があります。在庫所有権変更オーダは、時間基準所有権変更オーダの生成 (whinh1200m100) セッションで生成できます。このセッションは、間隔を指定して自動的に実行できます。
この結果生成される変更オーダ、変更オーダライン、あればライン処理の詳細が次のセッションに表示されます。
- [在庫所有権変更オーダ (whinh1100m000)]
- [在庫所有権変更オーダライン (whinh1110m000)]
- [在庫所有権変更オーダ - 在庫移動 (whinh1115m000)]
- [在庫変更オーダの扱い単位処理 (whinh1113m000)]
[在庫所有権変更オーダ (whinh1100m000)] セッションで、変更オーダを個別に作成することもできます。
所有権変更を有効にして請求を開始するには、変更オーダを処理する必要があります。変更オーダは、[在庫所有権変更オーダ (whinh1100m000)] セッションで個別に処理できるほか、[在庫所有権変更オーダの処理 (whinh1200m000)] セッションでバッチとして処理できます。
詳細については、次のトピックを参照してください:
在庫所有権変更オーダを生成するには
在庫所有権変更オーダを生成するために、次の処理が実行されます。
- [委託入庫 (whwmd2550m000)] セッションで、所有者、倉庫、および品目が時間基準所有権変更オーダの生成 (whinh1200m100) セッションで入力した選択範囲と一致する入庫を選択します。
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最終取引後に所有権変更が一致する入庫については、「最終取引後の所有権変更日を判断するには」を参照してください。所有権変更が最終入庫後の場合は以下を確認します。
- [所有権移動日] があるかどうか
- [所有権移動日] が [日付] の前であるかどうか
- 状況が [処理済] より低いかどうか
- 所有権が [委託] かどうか
- 所有者が購買元取引先と同じかどうか
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一致する入庫の場合、「出庫勧告」がある出庫オーダに引き当てられていない入庫数量に対して在庫所有権変更オーダを作成します。
出庫勧告がある場合、変更オーダは作成されません。これら数量の所有権は、出庫オーダに対して作成された出荷が確認済みになると変更されます。このような場合、所有権変更処理は実際には消費ベースの所有権変更になります。
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新しく作成された変更オーダの場合は次のとおりです。
- 倉庫の所有権登録レベルが、[保管場所]、[物的品目] または [物的品目および保管場所] の場合は、ユーザが品目の移送先保管場所を指定できるようにする必要があります。また、扱い単位構造にさまざまな所有者に属す品目が含まれている場合はその構造を調整できるようにする必要があります。このためには、[在庫所有権変更オーダ - 在庫移動 (whinh1115m000)] セッションで変更オーダ処理ラインを作成します。
- [委託消費 (whwmd2551m000)] セッションで消費レコードを作成します。このレコードは変更オーダと同じです。[オーダタイプ] フィールドと [オーダライン] フィールドは、変更オーダを参照します。消費レコードの状況は、[引当済] です。
- [作成オーダを直接処理] チェックボックスがオンの場合、「在庫所有権変更オーダを処理するには」を参照してください。
最終取引後の所有権変更日を判断するには
所有権変更が条件に従って最終取引後の場合、所有権変更日を判断するために、次の処理が実行されます。
- 入庫ごとに、入庫日と消費日から最新の入庫日、または消費日を選択します。
- 見つかった入庫日、または消費日に、[ロジスティック条件 (tctrm1140m000)] セッションの [期間] フィールドで指定した期間を加えます。
- その結果得られた日付が [日付] フィールドで指定した日付、またはそれより前の場合、在庫所有権変更オーダを生成します。
これ以降の手順については、「在庫所有権変更オーダを生成するには」のステップ 3 以降を参照してください。
在庫所有権変更オーダを処理するには
変更オーダは、[在庫所有権変更オーダ (whinh1100m000)] セッションで個別に処理できるほか、[在庫所有権変更オーダの処理 (whinh1200m000)] セッションでバッチとして処理できます。
変更オーダを個別に処理するには、[在庫所有権変更オーダ (whinh1100m000)] セッションで処理する変更オーダを選択し、適切なメニューの [ ] を選択します。
変更オーダをバッチで処理するには、[在庫所有権変更オーダの処理 (whinh1200m000)] セッションで選択範囲フィールドを使用して処理する変更オーダを選択し、[ ] をクリックします。
在庫所有権変更オーダを生成するために、次の処理が実行されます。
- 選択した変更オーダの所有権を変更します。
- [委託消費 (whwmd2551m000)] セッションで消費レコードを更新します。状況が [引当済] から [使用済] に変わります。
- 購買の買掛入庫を作成して品目の支払を開始します。
- 財務会計で統合取引を作成します。
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倉庫の所有権登録レベルが、[保管場所]、[物的品目] または [物的品目および保管場所] の場合、次のようになります。
- [在庫所有権変更オーダ - 在庫移動 (whinh1115m000)] セッションでユーザによって指定されている場合は、扱い単位の所有者を変更し、扱い単位を分割します。
- [在庫所有権変更オーダの処理 (whinh1200m000)] セッションで指定されている場合は、扱い単位ラベルを出力します。
- [在庫所有権変更オーダライン (whinh1110m000)] セッションでユーザによって指定されているように、簡易在庫移動を生成および処理して、品目または扱い単位を非所有移送先保管場所に移動します。
- 開始保管場所と移送先保管場所で、品目数量を調整します。
内部および外部支払関係が存在する場合、[在庫所有権変更オーダの処理 (whinh1200m000)] セッションを複数回実行して選択範囲のすべての変更オーダを処理する必要があります。
たとえば、次の両者間にタイプが 「使用払」 の支払関係があります。
- 外部取引先 A と購買オフィス B の内部取引先
- 購買オフィス B と委託倉庫 C
条件に従って、取引先 A の所有権変更は入庫 10 日後です。
取引先 A から委託倉庫 C に品目 X を 200 個入庫する場合、[委託入庫 (whwmd2550m000)] セッションで 2 つの入庫が生成されます。
入庫 | 品目 | 数量 | 所有者 | 購買元取引先 | 入庫日 | 所有権変更日 | 目的地の所有者 |
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1 | X | 200 | 取引先 A | BP A | 3 月 12 日 | 3 月 22 日 | 購買オフィス B |
2 | X | 200 | 取引先 A | 購買オフィス B の内部取引先 | 3 月 12 日 | 3 月 22 日 | 倉庫 C |
変更オーダが 3 月 22 日に処理されると、入庫 1 の変更オーダが処理されます。入庫 2 の変更オーダは、購買元取引先と所有者が同じでない場合は所有権変更が認められないため処理できません。
入庫 1 の変更オーダの処理後、購買オフィス B が所有者になります。この結果、入庫 2 については、所有者が購買オフィス B の内部取引先であるため、所有者と購買元取引先は同じになります。次に同じ選択範囲の変更オーダを処理すると、入庫 2 の変更オーダも対象になります。