移動平均単位原価の更新 - 例

当初の状態 (在庫が存在しない)

品目 倉庫 倉庫評価グループ 評価方法 倉庫評価グループ別
A W1 G1 移動平均単位原価 [Yes]
A W2 G1 移動平均単位原価 [Yes]
A W3 G1 移動平均単位原価 [No]
注: 

次の表の [MAUC (倉庫別)] 列で、アスタリスクが付いた値は、情報として示しているに過ぎません。関連倉庫における評価は、[倉庫評価グループ別] に行われます。

処理 #1

W1 に品目 A、各 10 ユーロ、10 個を入庫。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 10 10*
A W2 0 0*
A W3 0 0
A G1 10 10

処理 #2

W2 に品目 A、各 12 ユーロ、10 個を入庫。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 10 10*
A W2 10 12*
A W3 0 0
A G1 20 11

処理 #3

W3 に品目 A を 10 個 (各 14 ユーロ) 入庫。W3 の評価は [倉庫評価グループ別] でないため、倉庫評価グループ別の移動平均単位原価に変化はありません。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 10 10*
A W2 10 12*
A W3 10 14
A G1 20 11

処理 #4

W1 から品目 A を 5 個出庫。出庫は、倉庫評価グループの移動平均単位原価である 11 ユーロでそれぞれなされます。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 5 10*
A W2 10 12*
A W3 10 14
A G1 15 11

処理 #5

W1 に品目 A、各 14 ユーロ、10 個を入庫。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 12.67*
A W2 10 12*
A W3 10 14
A G1 25 12.2

処理 #6

W3 から品目 A を 5 個出庫。出庫は、倉庫の移動平均単位原価である 14 ユーロでそれぞれなされます。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 12.67*
A W2 10 12*
A W3 5 14
A G1 25 12.2

処理 #7

W3 の評価方法を [移動平均単位原価] から [倉庫評価グループ別] に変更。新しい棚卸資産評価額は、現在の棚卸資産評価額と等しくなるように選択されます。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 12.67*
A W2 10 12*
A W3 5 14*
A G1 30 12.5**
** 新移動平均単位原価は、次のように計算されます。
(25 × 12.2 + 5 × 14) ÷ 30 = 12.5 

処理 #8

W2 の評価方法を [倉庫評価グループ別] から [移動平均単位原価] に変更。新しい棚卸資産評価額は、現在の棚卸資産評価額と等しくなるように選択されます。したがって、W2 の移動平均単位原価も 12.5 になります。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 12.67*
A W2 10 12.5
A W3 5 14*
A G1 20 12.5

処理 #9

倉庫評価グループ G1 内の全倉庫の移動平均単位原価を訂正。移動平均単位原価は、現在の標準原価と等しくなるようにする必要があります。たとえば、W1 では 13 (入庫付加費用なし)、W2 では 14 (入庫付加費用が 1)、W3 では 15 (入庫付加費用が 2) です。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 13.17*
A W2 10 14
A W3 5 16.5*
A G1 20 13.5

処理 #10

W1 への品目 A、10 個の入庫 (処理 #5) の請求書には、1 個 14 ユーロではなく 1 個 15 ユーロと示されます。合計差異 10 ユーロは在庫に割り当てられます。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 13.83*
A W2 10 14
A W3 5 16.5*
A G1 20 14

処理 #11

W3 から W1 に品目 A を 2 個移動。倉庫評価グループ別の移動平均単位原価は変わりません。

出庫後の結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 13.83*
A W2 10 14
A W3 3 16.5*
A G1 18 14

入庫後の結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 17 13.85*
A W2 10 14
A W3 3 16.5*
A G1 20 14

処理 #12

W1 から W3 に品目 A を 2 個移動。W3 では入庫付加費用 2 が定義されているため、入庫によって倉庫評価グループ別の移動平均単位原価が変化します。

出庫後の結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 13.85*
A W2 10 14
A W3 3 16.5*
A G1 18 14

入庫後の結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 13.85*
A W2 10 14
A W3 5 16.3*
A G1 20 14.2**
** 新移動平均単位原価は、次のように計算されます。
(18 × 14 + 2 × 16) ÷ 20 = 14.2

処理 #13

W3 から W2 に品目 A を 2 個移動。W2 の評価は [倉庫評価グループ別] でないため、この処理によって倉庫評価グループ別の移動平均単位原価が影響を受けることはありません。

出庫後の結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 13.85*
A W2 10 14
A W3 3 16.3*
A G1 18 14.2

入庫後の結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 13.85*
A W2 12 14.02
A W3 3 16.3*
A G1 18 14.2**

処理 #14

W3 から品目 A を 10 個出庫。W3 には十分な在庫が存在しませんが、この倉庫評価グループには十分な在庫が存在します。このため、出庫はこの倉庫評価グループの移動平均単位原価である 1 個 14.2 ユーロで行われます。W3 について、[マイナス在庫消費 (whina1520m000)] セッションで 7 品目分のラインが 1 つ作成されます。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 15 13.85*
A W2 12 14.02
A W3 -7 16.3*
A G1 8 14.2

処理 #15

W1 から品目 A を 10 個出庫。W1 には十分な在庫が存在しますが、この倉庫評価グループには在庫が十分存在しません。このため、品目の出庫は 8 個が 14.2 ユーロ (倉庫評価グループ別の移動平均単位原価)、2 個が 13 ユーロ (W1 の標準原価) で行われます。W1 については、[マイナス在庫消費 (whina1520m000)] セッションでラインは作成されません。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 5 13.85*
A W2 12 14.02
A W3 -7 16.3*
A G1 -2 13

処理 #16

W1 に品目 A、15 ユーロ、1 個を入庫。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 6 14.04*
A W2 12 14.02
A W3 -7 16.3*
A G1 -1 13
注: 

15 ユーロで入庫したこの品目はすでに 13 ユーロで出庫済であるため、棚卸資産評価額を修正するため修正値 -2 が記録されます。

処理 #17

W3 に品目 A、各 16 ユーロ、10 個を入庫。

結果:

品目 倉庫 数量 [MAUC (倉庫別)]
A W1 6 14.04*
A W2 12 14.02
A W3 3 16*
A G1 9 16
注: 

この品目はすでに 13 ユーロで出庫済であるため、マイナス在庫の状態に置かれていたこの品目の棚卸資産評価額を修正するため修正値 -3 が記録されます。