オーダを生成するには (時系列オーダポイント)

[オーダの生成 (時系列オーダポイント) (whinh2201m000)] セッションを使用して、特定の倉庫の品目を補充するオーダを生成します。「オーダ範囲」で、品目と倉庫の組合せの「在庫バッファ」および「予想手持在庫」に基づいてオーダが作成されます。

次の場合のみ、[オーダの生成 (時系列オーダポイント) (whinh2201m000)] セッションで時系列オーダポイント (TPOP) オーダを生成できます。

  • 倉庫レベルで補充する場合
  • 該当の品目と倉庫の組合せに対する「供給システム」が [時系列オーダポイント] の場合。供給システムは、[倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの [供給システム] フィールドで指定できます。
  • 品目のタイプが [製品]、[購買]、または [製造] である場合。品目タイプは、[品目デフォルト (tcibd0102m000)] セッションの [品目タイプ] フィールドで指定できます。
  • 品目が非フロア在庫品目の場合。[品目 - 倉庫管理 (whwmd4600m000)] セッションの [フロア在庫] チェックボックスがオフの場合、その品目は非フロア在庫品目です。
注: 
  • LNエンタープライズモデラ Content Pack を使用する場合は、MPL0020 (時系列オーダ供給 (TPOP)) ウィザードを使用して、TSOP を使って資材供給を設定することを検討してください。会社の業務機能モデルを指定した後、[プロジェクトモデル別ウィザード (tgwzr4502m000)] セッションでこの事前定義ウィザードを実行できます。
  • 品目レベルで補充するには、[オーダ勧告の生成 (統計在庫管理) (whina3200m000)] セッションを使用します。詳細については、次のトピックを参照してください: オーダ勧告を生成するには (統計在庫管理)

[倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションでは、供給を倉庫から発生させなければならないかどうかを指定する必要があります。供給を倉庫から発生させるように指定するには、[供給元倉庫] チェックボックスをオンにします。このチェックボックスがオフの場合、供給の発生源は次のとおりです。

  • 品目タイプが [購買] の場合は、取引先。取引先は、[倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの [購買元取引先] フィールドで指定できます。
  • 品目タイプが [製造] の場合は、ワークセンタ。LN は、製造からワークセンタを取得します。
  • 品目タイプが [製品] である場合、[品目 (tcibd0501m000)] セッションの実際フィールドに表示される品目の供給ソースによって供給元が決まります。

    • 供給ソースが [購買] の場合は、取引先
    • 供給ソースが次の場合は、ワークセンタ

      • [ジョブショップ]
      • [繰返生産]
      • [組立]
      • [配分]

オーダ範囲

LN は、オーダを生成する前に、補充を行う必要がある「オーダ範囲」を決定します。ただし、この計算では実際のカレンダーを考慮しません。オーダ範囲を自動決定する場合、1 週間は 7 日、1 日は 24 時間とみなされます。LN は、次の公式に基づいてオーダ範囲を決定します。

オーダ範囲 = 現在の日付 + (合計リードタイム × オーダ範囲係数) + オーダ範囲定数 

LN は、倉庫と品目の組合せの供給タイプに基づいて合計リードタイムを決定します。ただし、合計リードタイムを決定するときには、カレンダーは考慮されません。

供給元に応じて、次のようになります。

  • 取引先から供給する場合、LN[品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)] セッションから [供給時間] を取得します
  • ワークセンタから供給する場合、LN[品目 - 製造 (tiipd0101m000)] セッションから [オーダリードタイム] を取得します
  • 倉庫から供給する場合、LN は次のリードタイムを取得および追加します。

    • [倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの [入庫リードタイム]
    • [倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの [出庫リードタイム]
    • (利用可能な場合) [都市別距離テーブル (tccom4137s000)] セッションまたは[郵便番号別距離テーブル (tccom4138s000)] セッションの適切な距離テーブルに基づいた、出荷元の住所と出荷先の住所間の輸送時間。この 2 つのセッションのどちらから輸送時間を取得するかは、[COM パラメータ (tccom0000s000)] セッションの [距離テーブルの使用] フィールドの値によって決まります。
注: 

[オーダの生成 (時系列オーダポイント) (whinh2201m000)] セッションで、[在庫分析パラメータ (whina0100m000)] セッションの [時系列オーダポイントオーダ範囲] に定義されたすべてのオーダ範囲データを無効にすることができます。

在庫バッファ

季節パターンとその季節係数に基づいて、在庫バッファを変動させることができます。詳細については、次のトピックを参照してください: 在庫バッファおよび需要の季節パターン

指定できる内容は次のとおりです。

  • [季節パターン (tcmcs0116m000)] セッションで季節パターン
  • [季節パターン係数 (tcmcs0117m000)] セッションで季節係数

[注意]

最長で 1 年間の季節パターンを指定できます。すべての季節パターンは 1 月 1 日に始まり、期間数に応じて 1 年の中で繰り返されます。

[倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションで次の項目を指定できます。

  • [発注点] フィールドで基準発注点
  • [在庫バッファ] フィールドで基準在庫バッファ
  • [在庫バッファの季節パターン] フィールドで在庫バッファの季節パターン

オーダを生成するには (時系列オーダポイント)

[オーダの生成 (時系列オーダポイント) (whinh2201m000)] セッションでオーダ範囲内の各所要量のオーダを生成します。

オーダ数量は、次の項目によって異なります。

  • 在庫バッファ(季節パターンが適用される場合、オーダ範囲の最後に定義されている在庫バッファが考慮されます)
  • 予想手持在庫
  • 次のセッションで定義された補充設定

    • [倉庫別品目データ (whwmd2110s000)]、[補充] タブ
    • [品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)]、[オーダ処理] タブ

該当の品目と倉庫の組合せに対して生成されるオーダの種類は、供給の発生元のソースによって異なります。

供給の発生元 LN で生成されるもの
倉庫 [倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの [供給倉庫] フィールドで指定された倉庫に対する、オーダ発生元が [転送 (マニュアル)] の倉庫オーダ
取引先 [倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの [購買元取引先] フィールドで指定された購買元の取引先に対する購買オーダ
ワークセンタ 製造オーダ
注: 

TPOP 実行では、計画から除外された計画在庫処理 (つまり [計画から除外] の数量が 1 のもの) は考慮されません。

所要日を決定するには

所要日とは、予想手持在庫が「在庫バッファ」を下回る日付で、かつ現在の日付と一致する日付です。

実際の所要日を決定するために、実際のカレンダーが考慮されます。実際のカレンダーに基づく所要日が利用できない場合、過去にさかのぼり、その所要日より前で利用可能な最初の日付/時刻が検索されます。この利用可能な最初の日付/時刻が実際の所要日として設定されます。

計画入庫日を決定するには

LN は、所要日から過去にさかのぼって計画し、実際のカレンダーを考慮することによって、計画入庫日を決定します。

計画入庫日は次のように決定されます。

計画入庫日= 計画所要日 - 出庫リードタイム - 入庫リードタイム - 品目安全時間 - 発注先安全時間

次の情報のみが考慮されます。

  • 取引先から供給する場合は、発注先安全時間
  • 計画在庫処理によって所要量が発生する場合は、出庫リードタイムと品目安全時間

次の取得処理が行われます。

  • [倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの出庫リードタイム
  • [倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの入庫リードタイム
  • [倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの [安全リードタイム] フィールドの品目安全時間
  • [品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)] セッションの [安全時間] フィールドの発注先安全時間

実際のカレンダーを考慮するには

所要日、計画入庫日、および計画納期を決定するときに実際のカレンダーが考慮されます。したがって、最初に次の順でカレンダーが検索されます。

  1. 倉庫のカレンダー
  2. 倉庫のカレンダーが指定されていない場合は、会社のカレンダー

検索で得られたカレンダーコードおよび利用性タイプが実際のカレンダーの基準になります。

実際のカレンダーに基づいて所要日、計画入庫日および計画納期が決定されます。

カレンダーの開始日前および終了日後は、標準カレンダーが適用されます。

所要日、計画入庫日、および計画納期を決定するとき、ならびにリードタイムを時間単位で表す場合、LN は実際のカレンダーに基づいて、1 日の中で利用可能なすべての時間を考慮します。ただし、リードタイムを日数で表す場合、該当日に利用できる時間があることが実際のカレンダーに示されていると、その日が 1 日全体と見なされます。

注: 
  • 実際のカレンダーは、[カレンダー作業時間 (tcccp0120m000)] セッションで表示できます。
  • 利用性タイプは、[倉庫マスタデータパラメータ (whwmd0100s000)] セッションの [保管検査] タブで定義できます

重要

[倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの [品目オーダデータの使用] チェックボックスがオンの場合、[倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションではなく [品目 - オーダ処理 (tcibd2100m000)] セッションから次のデータが取得されます。

  • [在庫バッファの季節パターン]
  • [発注点]
  • [在庫バッファ]

供給が倉庫から発生する場合に、各倉庫に品目を補充します。各条件は次のとおりです。

  • 現在の日付/時間: 1 月 3 日 (水) 1:30:00
  • 現在の日付における手持在庫 (個): 18
  • オーダ範囲係数: 3
  • オーダ範囲定数 (日): 15
  • 入庫リードタイム (時間): 4
  • 出庫リードタイム (時間): 4
  • 輸送時間 (日数単位): 2
  • 品目安全時間 (日): 2
  • 発注先安全時間 (日): 2
  • 基準在庫バッファ (個): 10
  • 在庫バッファの季節パターンの期間タイプ: []
  • 期間数: 4

倉庫の実際のカレンダーは各週の月曜日から金曜日まで利用可能で、その開始時間は 8:00:00、終了時間は 17:00:00 です。

LN は、次の公式に基づいてオーダ範囲を決定します。

  • オーダ範囲 = 現在の日付 + [(入庫リードタイム + 出庫リードタイム + 輸送時間) × オーダ範囲係数] + オーダ範囲定数
  • オーダ範囲 = 1 月 3 日/1:30:00 + [(4 時間 + 4 時間 + 2 日) × 3] + 15 日
  • オーダ範囲 = 1 月 3 日/1:30:00 + [56 時間 × 3] + 360 時間
  • オーダ範囲 = 1 月 3 日/1:30:00 + 528 時間 = 1 月 25 日/1:30:00

在庫バッファの季節パターンおよび算定された在庫バッファと発注点は、次のようになります。

期間 開始日の期間 季節パターン係数 在庫バッファ
期間 1 1 月 1 日/0:00:00 1.5 15
期間 2 1 月 8 日/0:00:00 2.0 20
期間 3 1 月 15 日/0:00:00 2.5 25
期間 4 1 月 22 日/0:00:00 1.5 15

計画在庫処理は次のとおりです。

  • 1 月 11 日/18:00:00 の計画済出庫は 9
  • 1 月 23 日/11:30:00 の計画済出庫は 8

補充を計画する前の予想手持在庫は、次のようになります。

日付 予想手持在庫
1 月 3 日 18
1 月 11 日 9
1 月 23 日 1

上記で得られたデータに基づいて各倉庫に品目を補充すると、次のような結果になります。

  • 1 月 8 日 (月)/0:00:00 に、在庫バッファが予想手持在庫を 2 品目上回ります。このため、LN は、この 2 品目を補充するための倉庫オーダを生成します。実際のカレンダーに従うと 1 月 8 日 (月)/0:00:00 は利用できないので、1 月 5 日 (金)/17:00:00 を所要日として設定します。計画入庫日を決定するために、入庫リードタイムの 4 時間を所要日から減算します。この結果、計画入庫日は 1 月 5 日 (金)/13:00:00 になります。また、倉庫オーダが生成されるので、輸送時間の 2 日を計画入庫日から減算することによって、計画納期を決定します。この結果、計画納期は 1 月 4 日 (木)/8:00:00 になります。
  • 1 月 11 日 (木)/18:00:00 に、計画在庫処理によって予想手持在庫が 9 品目減少して在庫バッファを下回ります。この結果、9 品目を補充するための倉庫オーダを生成します。実際のカレンダーに従うと 1 月 11 日 (木)/18:00:00 は利用できないので、1 月 11 日 (木)/17:00:00 を所要日として設定します。計画入庫日を決定するために、出庫リードタイムの 4 時間、入庫リードタイムの 4 時間、および品目安全時間の 1 日を所要日から減算します。この結果、計画入庫日は 1 月 11 日 (木)/8:00:00 になります。また、倉庫オーダが生成されるので、輸送時間の 2 日を計画入庫日から減算することによって、計画納期を決定します。この結果、計画納期は 1 月 9 日 (火)/8:00:00 になります。
  • 1 月 15 日 (月)/0:00:00 に、在庫バッファが予想手持在庫を 5 品目上回ります。このため、5 品目を補充するための倉庫オーダを生成します。実際のカレンダーに従うと 1 月 15 日 (月)/0:00:00 は利用できないので、1 月 12 日 (金)/17:00:00 を所要日として設定します。計画入庫日を決定するために、入庫リードタイムの 4 時間を所要日から減算します。この結果、計画入庫日は 1 月 12 日 (金)/13:00:00 になります。また、倉庫オーダが生成されるので、輸送時間の 2 日を計画入庫日から減算することによって、計画納期を決定します。この結果、計画納期は 1 月 11 日 (木)/8:00:00 になります。
  • 1 月 22 日 (月)/0:00:00 に、在庫バッファが 15 品目に減少します。このとき、予想手持在庫は 25 品目です。この結果、補充の必要はなく、倉庫オーダを生成しません。
  • 1 月 23 日 (火)/11:30:00 に、予想手持在庫が 8 品目減少します。予想手持在庫は在庫バッファを下回らないので、倉庫オーダを生成しません。

補充を計画した後の予想手持在庫は、次のようになります。

日付 予想手持在庫
1 月 3 日 (水) 18
1 月 5 日 (金)/13:00:00 20
1 月 11 日 (木)/8:00:00 29
1 月 11 日 (木)/17:00:00 20
1 月 12 日 (金)/13:00:00 25
1 月 23 日 (火)/11:30:00 17