収益認識 (RR) と売上原価 (COGS)
収益認識の目的は、収益を計算してプロジェクトの財務データに収益を登録することです。複数の会計期間にまたがる長期契約の場合、収益認識は契約が完了する前に許可されます。この情報は、後で財務会計に送られます。
売上原価 (COGS) は、製品の製造、作成、または販売で会社に発生する費用です。製品化にかかる費用のほか、原材料の購買価格も含まれます。
収益認識とは、所定の契約について、契約者が契約の進捗に基づいて 「実現済」 として見積る合計収益を計算する処理です (続けて、総勘定元帳への転記も行います)。この金額は、顧客に請求されている金額とは関係ありません。また、何らかのキャッシュフローを表すわけでもありません。
売上原価は、所定の契約について、収益の認識が可能な成果物の作成にかかった金額、またはすでに完了している非定期活動 (技術設計など) にかかった金額です。売上原価取引は総勘定元帳に転記されます。
生成される収益承認および売上原価ラインの取引通貨は、プロジェクト通貨と同じです。新しい期間について収益承認と売上原価を生成している間に、前の会計結果を決済できます。プロジェクトをクローズすると、最終的な計算および転記が実行され、会計結果が逆仕訳されます。「収益認識」と「売上原価」は、選択する方法によってプロジェクト、拡張、要素、および活動レベルで決定できます。要素と活動の使用方法は、プロジェクトが要素別と活動別のいずれで管理されるかによって決まります。
会計中間結果の生成
中間結果の生成 (tpppc3250m000) セッションでは会計中間結果を生成するために、収益承認方法と売上原価方法を選択できます。ただし、[プロジェクト完了] 方法は選択できません。
収益の承認限度
認識する収益の限度を設定できます。最大割合はプロジェクトおよび拡張レベルで定義します。デフォルト値は 100 % に設定されていますが、この値は上書きできます。この割合に契約金額を掛けた値は、(プロジェクトが完了するまでに) 認識可能な最大収益です。収益認識限度は、[プロジェクト完了] 方法を除くすべての収益認識方法で有効です。
この割合は、プロジェクトがクローズして最終収益 (および売上原価) が転記される時点では無視されます。
収益認識方法:
- プロジェクト完了方法 (RR)
- 完了の割合の計算方法 (RR)
- マイルストーン方法
- 原価補償契約の計算方法
- 実現収益要素方法
- 実際収益方法
売上原価の決定方法:
- プロジェクト完了方法 (COGS)
- 利益率の計算方法
- 原価補償契約の計算方法
- 完了の割合の計算方法 (COGS)
エンタープライズモデラ Content Pack を使用する場合は、MPL1030 (収益認識) ウィザードを使用して収益認識を設定することを検討してください。この事前定義されたウィザードは、[プロジェクトモデル別ウィザード (tgwzr4502m000)] セッションで会社の業務機能モデルを指定してから実行できます。