拡張の使用

拡張は、主に合意内容に関する請求処理を行います。予算との関係は、初期予算または予算調整詳細ライン、あるいはその両方で定義されます。拡張の状況は次のとおりです。

  • [フリー]

    拡張は予算編成に使用されますが、実際原価の登録には使用されません。

  • [実際]

    拡張に実際原価を転記できますが、拡張の請求はできません。

  • [最終]

    データは修正できません。

  • [請求可能]

    単位原価を拡張に転記し、拡張を請求することができます。

拡張は、固定価格、予算契約金額、実際取引の請求金額に基づいて請求できます。オーダを個別に管理するには、拡張に開始日および終了日を定義できます。拡張別、または管理コード内の拡張別に拡張の進捗を登録できます。プロジェクトは、特定の拡張、または管理予算によって管理できます。

[拡張 (tpptc0110s000)] セッションを使用して、顧客請求に影響を及ぼすプロジェクトの変更を指定、表示、出力できます。Infor LN では、次の拡張タイプがサポートされています。

  • [スコープ変更]
  • [暫定金額]
  • [決済対象数量]
  • [変動決済]

スコープ変更

拡張は、固定価格、予算契約金額、または、実際の原価取引の請求価額に従って請求できます。以下の結果として作業にスコープ変更がある場合、スコープ変更拡張タイプを適用できます。

  • 予算作成の基準となる明細書、計画、および設計図に含まれていない追加作業
  • 作業がディメンションや資材明細書などで取り消されたり、削減されたりした場合の作業の削減

これらの原価は関連拡張への参照と一緒に [活動予算ラインの必須スキル (労務) (tpptc2131m000)] などのセッションで記帳されます。取引を処理した後、請求書を作成できます。

注: 

原価加算契約、および請求方法が [単位レート] に設定されている契約には、[変動決済] タイプの拡張を定義できません。

暫定金額

プロジェクトの計画時に特定部分のプロジェクト原価が不明である場合に、使用する必要がある拡張タイプ。暫定予算額と後の実際原価との差額を後の段階で決済します。このタイプはオリジナルの契約の一部です。

暫定金額は事前に予算に含められる金額であり、使用する材料が不明な場合や構成要素の設計で最終決定されていないものがある場合の原価のおおまかな見積です。差異 (金額) の決済は、[プロジェクト (tppdm6100m000)] セッションの暫定金額の [雑費コード] フィールドに記録された原価対象に転記されます。

決済対象数量

原価対象の実際数量と予算数量の差異が決済されます。

変動決済

材料費または賃金原価 (価格) の変動決済の結果として計算された原価は、拡張に転記する必要があります。変動決済からの決済原価は、常に、[プロジェクト (tppdm6100m000)] セッションでそのプロジェクトに記録された雑費コードに転記されます。

変動決済のタイプは次のとおりです。

  • インデックス変動決済

    価格インデックスに基づいて契約価格に対する割合を決済できます。請求可能金額は、請求済の分割払または進捗に基づいて計算されます。

  • 価格変動決済

    特定の材料 (銅など) が予算に含まれている場合、その材料の価格変動の可能性も考慮して、該当予算の品目を決済します。価格インデックスは材料およびデータレベルでメンテナンスされます。請求は 「プロジェクト進捗」 に登録された進捗を基準にします。価格変動の請求に関連する請求書が生成されます。この請求書は、「プロジェクト定義」 に定義された請求方法に基づいて 「請求」 で処理されます。特定の材料を含む予算仕訳は、この材料の価格変動の可能性を考慮しながら決済できます。価格インデックスは材料および日付別にメンテナンスされます。請求は進捗を基準とします。