時間範囲主導 SILS 供給メッセージの生成

時間範囲主導供給は、組立部品供給メッセージを生成または更新するための 2 つの方法のうちの 1 つです。もう 1 つの方法は、「プロセストリガのワークフロー」で定義されたトリガを使用することです。たとえば、前の LSO の完了を、工程倉庫の補充 (tiasc8210m000) セッションを実行するためのトリガとして定義できます。

時間範囲主導を使用すると、いくつかの利点が得られます。例: 

  • 前のトリガイベントに依存していないため、最初の LSO が開始される前でも供給メッセージを生成できます
  • サイクル時間」の変更に関係なく、供給メッセージを生成できます
  • ライン構造の変更に関係なく、供給メッセージを生成できます
  • 複雑な処理となる可能性が高いトリガのメンテナンスをスキップできます

その一方で、基準として使用するのは計画組立データだけで、実際のデータを基準として使用できないという欠点もあります。このため、(ほぼ) 実際のデータである開始日/時間やジョブ順序を基準とすることが不可欠であるものの、計画データを更新できない場合には、トリガを使用する必要があります。何といっても、トリガは常に組立オーダの実際の進捗状況に基づきます。また、下記に説明するように、両方法を使用することもできます。

前提条件

LSO に対して供給メッセージを生成または更新するには、あらかじめ次の条件が満たされている必要があります。

  • LSO が、この LSO に含まれる組立部品に対して定義されているタイムフェンスの 1 つの範囲内にある
  • [メッセージを生成] または [メッセージを再生成] の少なくとも一方のチェックボックスがオンになっている。(このチェックボックスが両方ともオフの場合は、[タイムフェンス最終更新] の範囲内にある LSO について、供給メッセージがブロック解除されるだけです。)
  • LSO の状況が [完了] に達していない
  • この LSO を含む組立オーダの状況が [順序付] または [進行中] になっている

機能

現在のセッションを実行した場合、LSO が入るタイムフェンスおよびこのセッションでオンにしたチェックボックスに応じて、供給メッセージが生成または更新されます。各タイムフェンスは、LSO の計画開始日/時間前の作業日数または作業時間数として定義されます。このため、タイムフェンスどうしが部分的に重複します。

次のタイムフェンスが存在します。

  • [範囲の生成] - LSO がこのタイムフェンスの範囲内にある場合、この LSO 用の供給メッセージが生成または更新されます
  • [凍結済タイムフェンス] - このタイムフェンスは LSO の内容が凍結される期間であり、倉庫または発注先ではこのような種類の変更をそれ以上処理できないため、資材または数量の変更は許されません。ただし、納入順序や納入日付/時間の変更は許容されます
  • [タイムフェンス最終更新] - このタイムフェンスの範囲内にある供給メッセージは、それ以上いかなる点でも更新できなくなります。現在のセッションでは、このタイムフェンスの範囲内にある LSO について、供給メッセージをブロック解除するだけです。ブロック解除については、下記の段落の 1 つで説明します

タイムフェンスは、組立部品を含むキットについて、[組立キット (whwmd4150s000)] セッションで定義します。このセッションは、倉庫[組立キット (whwmd4550m000)] セッションでレコードをダブルクリックすると開始できます。現在のセッションでは、選択された LSO が、所要部品のキットに定義されているいずれかのタイムフェンスの範囲内にあるかどうかがチェックされます。

事後所要

供給メッセージは生成または更新した後、転送する必要があります。供給メッセージを転送するには、[組立部品供給メッセージの転送 (tiasc8220m000)] セッションを実行します。転送された時点で、メッセージが処理されます。

供給メッセージがどのように転送され処理されるかは、[倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションの [供給元倉庫] チェックボックスによって決まります。

  • 内部供給の場合、このチェックボックスはオンです。移動元倉庫からジョブショップ倉庫への「倉庫移動」が生成されます。
  • 外部供給の場合、このチェックボックスはオフです。購買管理モジュールは、この情報を使用して、連続出荷スケジュールを生成し、発注先からジョブショップ倉庫への供給を制御します。

ブロック

内部供給のための供給メッセージは、[ブロック] 状況として生成されます。このメッセージに起因する倉庫オーダも、「ブロック」 状況になります。ブロックされた倉庫オーダは、スケジュールや予約には使用できますが、処理は行われません。ブロック解除された更新メッセージを転送すると、倉庫オーダはブロック解除されます。現在のセッションを実行すると、[タイムフェンス最終更新] の範囲内にある LSO について、ブロック解除されたメッセージが生成されます。なお、現在のセッションを実行すると、たとえ [メッセージを生成] チェックボックスおよび [メッセージを再生成] チェックボックスがオフである場合でも、[タイムフェンス最終更新] の選択範囲内にある LSO について、供給メッセージの最終更新が必ず生成されます。最終更新は、[工程倉庫の補充 (tiasc8210m000)] セッションでも行うことができます。供給メッセージの状況は、[組立部品供給転送(SILS) (tiasc8520m000)] セッションに表示されます。

トリガとタイムフェンスの関係

トリガとタイムフェンス療法を使用できます。両方の方法を使用した場合、その関係は次のとおりです。

  • 最初に実行されたセッションで、供給メッセージが生成されます。このため、現在のセッションを実行する前にトリガが定義されていると、[工程倉庫の補充 (tiasc8210m000)] セッションでメッセージが生成されます。トリガでは [範囲の生成] が考慮されないため、このタイムフェンス内またはその前にトリガを定義できます。現在のセッションが 「タイムフェンス生成」 で実行され、トリガが定義される前である場合、現在のセッションで供給メッセージが生成されます
  • 供給メッセージはどちらのセッションでも更新でき、どちらのセッションでも [凍結済タイムフェンス] が考慮されます。したがって、この点については違いはありません。ただし、現在のセッションによるメッセージの更新の場合に限り、選択した LSO が [タイムフェンス最終更新] の範囲内に入っていてはいけません。
  • どちらのセッションが最終更新を行い、どのような文字について更新を行うかについては、セッションが実行される順序、最終更新がどのように定義されているか、および [タイムフェンス最終更新] との関係によって決まります。さまざまな状況があり、一言でまとめるのはむずかしいため、次の規則を頭に入れ、指針とするとよいでしょう
    • 現在のセッションでは [タイムフェンス最終更新] 前まで更新が行われ、このタイムフェンスではブロック解除だけが行われます。
    • [工程倉庫の補充 (tiasc8210m000)] セッションでは、[タイムフェンス最終更新] の前およびこのタイムフェンス内の両方で更新が行われます。最終更新の場合は、ブロック解除も行われます
    • [工程倉庫の補充 (tiasc8210m000)] セッションによる更新が最終更新かどうかは、ラインステーションの比較によって定義され、現在のセッションの最終実行または [タイムフェンス最終更新] との関係によっては定義されません。詳細については、下記の注意のいずれかを参照してください
    • [ブロック] かどうかに関係なく、メッセージを更新できます。
    • メッセージは一度しかブロック解除できません