VAT 帳簿 - 概要

これはイタリアに特有の機能です。

イタリアの法規では、会社は VAT 帳簿および VAT 清算レポートを準備して提出することを要求されます。

VAT 帳簿とは、会社におけるすべての付加価値税 (VAT) 取引を日付順に記載した法定レポートです。この取引は税金項目別にグループ化することができ、一般的には同じ税率の取引をグループ化します。

VAT 帳簿に加えて、会社はレポート期間中に支払可能な正味 VAT 額を示す VAT 清算レポートも VAT 申告の代わりに税務当局に定期的に提出する必要があります。清算 VAT 額は、購買に対する VAT から販売に対する VAT を差し引いた額です。計算結果がマイナスの金額になる場合、この金額を税務当局に支払う必要があります。計算結果がプラスの金額になる場合、その金額を貸方金額として次の VAT 帳簿期間に繰り越します。

複数会社構造の場合は、VAT 帳簿を設定して、財務会社ごとに VAT 帳簿レポートを作成することができます。LN は、財務会社の現地通貨で VAT 帳簿金額を計算して出力します。財務会社グループのすべての会社の VAT 帳簿を出力しており、すべての会社の現地通貨が同じ場合、グループ会社の統合 VAT 帳簿を出力できます。

VAT 帳簿金額

次の VAT 帳簿金額には説明が必要です。

  • EU 内の購入税

    EU 内の購入にかかる VAT 額は、EU 内の購入についての VAT 帳簿を 2 回、つまり購入 VAT 帳簿と売上 VAT 帳簿を出力し、VAT 帳簿レポートでオフセットする必要があります。VAT 額が未決済取引金額に加算されないようにするために、またこの金額が総勘定元帳に自動的に振り戻されるようにするために、EU 内の購入取引には [転嫁型] タイプの税金コードを使用します。

  • 繰延 VAT

    繰延 VAT は VAT 帳簿レポート上で別にリストされます。繰延 VAT は、中断 VAT とも呼ばれていますが、[支払] タイプの税金コードを使用して登録します。

    繰延 VAT が適用される請求書の VAT 額は、VAT を徴収または支払う税金期間の VAT 清算レポートに含める必要があります。ただし、VAT 帳簿レポートでは、繰延 VAT を請求書の税金期間でレポートする必要があります。

  • 非控除 VAT

    非控除 VAT は消費税と似ています。非控除 VAT では、[国別税金コード (tcmcs0136s000)] セッションで該当する税金コードの [購買税] チェックボックスをオンにします。

    VAT 帳簿が費用請求書の取引タイプにリンクされている場合、非控除 VAT は、デフォルトの租税勘定ではなく、指定した原価勘定に転記されます。詳細については、消費税を参照してください。

    購買請求書の VAT が一部控除される場合は、複数の税金コードを使って VAT 額を控除部分と非控除部分に分ける必要があります。

  • 関係会社間転記

    複数会社構造では、販売請求書の請求書ラインを、請求書が作成された財務会社以外の財務会社に転記することができます。ラインに税金が含まれている場合は、ファイナライズ済税金取引をソース会社に転記します。

    税金は関係会社間振替仕訳に登録できません。つまり、関係会社間の転記は税金を伴わないため、移動先会社での連番チェックに影響しません。ただし、関係会社間関係の移動先会社の取引タイプは VAT 帳簿にリンクしないでください。リンクされていると、これらの取引は VAT 帳簿関連のすべてのチェック対象になり、場合によっては関係会社間取引がブロックされることがあります。

VAT 清算額

VAT 清算レポート金額: VAT 清算レポートには次の金額が表示されます。

  • [前年度繰越支払/回収 VAT]

    前期から繰り越した VAT 額
  • [要清算 VAT]

    政府への支払金額、または政府からの請求金額
  • [徴収済繰延 VAT]

    選択した期間 (付加価値税が支払われた) の販売請求書および販売貸方票に関連する、「税金分析」 (tfglf110) テーブルにあるすべての銀行取引の合計
  • [納付済繰延 VAT]

    選択した期間 (付加価値税が支払われた) の購買請求書および購買貸方票に関連する、「税金分析」 (tfglf110) テーブルにあるすべての銀行取引の合計
  • [期間で使用される前年度の貸方]

    政府から請求されている金額
  • [支払/回収 VAT]

    合計 [要清算 VAT] - [徴収済繰延 VAT] + [納付済繰延 VAT] - [期間で使用される前年度の貸方] で求められた金額