価格差額と追加コストの承認
価格差額は、請求額がオーダ金額または回収額と異なる場合に発生します。請求書が購買オーダまたは回収と照合されると、価格差額が検出されます。
自動照合での価格差額
自動照合の許容価格差額は、次のセッションで定義することができます。
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[買掛金パラメータ (tfacp0100m000)]
このセッションでは、自動照合のグローバル許容範囲を定義することができます。 -
[請求元取引先別自動照合設定 (tfacp0107m000)]
このセッションでは、請求元取引先別に自動照合の許容範囲を定義することができます。このセッションで許容範囲が定義されなかった取引先については、[買掛金パラメータ (tfacp0100m000)] セッションで定義された許容範囲が使用されます。
最大許容価格差額および最大差異割合を定義することも、また差額限度額の承認を割り当てることもできます。詳細については、差額限度額の承認を使用するにはを参照してください。これらのセッションのいずれでも許容範囲を定義しない場合、自動照合手順は価格差額が見つかったとき請求書を照合しません。承認済ユーザであれば、価格差額および追加コストをマニュアルで承認する必要があります。
請求書の自動照合時に、価格差額と許容差額が比較されます。その差額が請求額および割合の定義済許容範囲内に収まる場合、請求書が照合されます。差額は財務取引先グループの [価格差額] 統制勘定およびディメンションに転記されます。
価格差額の承認
[購買請求書権限 (tfacp0150m000)] セッションを使用して、価格差額の承認および追加コスト取引の作成を行う権限を特定ユーザに付与することができます。ユーザごとに、承認可能な最大価格差額を定義するか、差額限度額の承認権限をユーザに割り当てることができます。
[割当承認者 (tfacp0130m000)] セッションで、承認済ユーザに対する割当承認者を作成します。個別の承認済ユーザをそれぞれ割当承認者として定義することも、チームまたは部署の承認済ユーザを代表する単一の割当承認者を作成することもできます。
[購買請求書の処理 (tfacp2107m000)] セッションでの購買請求書の照合時に、適用される許容範囲を超えた場合、承認済ユーザは価格差額を承認することができます。請求書を承認済ユーザに割り当てるには、[購買請求書照会 (tfacp2600m100)] 詳細セッションで [割当承認者] フィールドに割当承認者を入力します。[購買請求書の承認 (tfacp1142m000)] セッションの LN メニューから[購買請求書照会 (tfacp2600m100)] 詳細セッションを開始することができます。
価格差額の承認権限を付与されたユーザは、[購買請求書の承認 (tfacp1142m000)] セッションで、その請求書用の [請求書 承認済] チェックボックスをオンにする必要があります。次に、自動またはマニュアルの照合手順および承認手順で、承認済の請求書を処理する必要があります。
追加コストの承認
請求額とオーダ金額の差額が価格差額に起因しない場合、承認済ユーザは追加コスト取引を作成することができます。[購買請求書権限 (tfacp0150m000)] セッションで、ユーザによる作成の可能な追加コスト取引の支払可能限度額を定義したり、差額限度額の承認権限をユーザに割り当てることができます。
追加コスト取引を作成するには、次のステップを実行します。
- [購買請求書の承認 (tfacp1142m000)] セッションの適切なメニューで [ ] をクリックします。[照合済購買請求書/取引明細書ライン取引 (tfacp1133s000)] セッションが開始されます。
- 追加コスト取引を作成します。取引ごとに元帳勘定およびディメンションを入力する必要があります。
請求書の再割当
価格差額または追加コストが照合許容範囲を超える場合、請求書は承認されません。そうした請求書は、承認済ユーザに割り当てる必要があります。[購買請求書入力 (tfacp2600m000)] セッションの [割当承認者] フィールドで、購買請求書の割当承認者を選択します。
例
1 個につき、価格 10.50 US ドルで 100 品目オーダしました。受け取る請求書の価格は、10 US ドルです。[購買請求書権限 (tfacp0150m000)] セッションで、次の価格差額を承認する権限を付与されています。
請求差額の予定下限 | 請求差額の予定上限 | ||
---|---|---|---|
割合 | 金額 | 割合 | 金額 |
4% | 80 | 1% | 15 |
結果の価格差額はプラスです。つまり、[取引額 ] という分類に属する条件が適用されます。価格差額は次のとおりです。
絶対金額: 10.50 × 100 - 10 × 100 = 50 US ドル
この金額は 80 US ドル未満です。割合に対して記録されたマージンが上回らない限り、請求書を承認することができます。
割合: (10.50 - 10) ÷ 10.50 × 100% = 4.76%
この割合は、オーダ金額に対する価格差額の割合です。