収益認識の前払金レート

請求書による前払金清算時に実際の収益を計算するには、前払金の支払当日の為替レートを使用します。これは、IFRS の要件 (IFRIC [IFRS 解釈指針委員会] 22) をサポートするために必要です。

IFRIC 22 - 外貨取引および前払対価: IFRIC 22 は、外貨での前払対価の授受を含む取引の会計に関して基準を定めています。

IFRIC 22 は、2018 年 1 月 1 日以降に始まる年次レポート期間で有効であり、EU は 2018 年 4 月 3 日にこれを採用しています。

Infor ERP LN での設定および導入

収益認識で前払金為替レートを設定および導入するステップは次のとおりです。

  1. パラメータの指定
    1. [導入済ソフトウェア構成要素 (tccom0100s000)] セッションで、[一時点収益認識] チェックボックスがオンになっていることを確認します。
    2. [請求パラメータ (cisli0100m000)] セッションで、[収益に前払金レートを使用] を選択します。
      注: 

      このフィールドは、[財務会社パラメータ (tfgld0503m000)] セッションの [支払前払分割払の分離勘定] チェックボックスがオンの場合にのみ使用できます。

  2. 前払請求書を作成する場合:

    [請求書 (cisli3105m000)] セッションで、次を確認します (当初は非表示)。

    • [前払金の保存] チェックボックスがオンである。収益請求書伝票の支払処理時に前払金が保存されます。
    • [収益に前払金レートを使用] チェックボックスがオンである。収益認識について IFRIC 22 で定義された支払レートの計算で使用されます。
  3. 前払請求書ライン支払の検証 - 前払請求書の支払い時:
    [前払請求書ライン支払 (cisli3118m000)] セッションで、前払請求書ラインをメンテナンスします。支払は請求書ライン別に保存され、清算が支払レートに対して調整されます。
  4. 前払請求書ライン支払の検証 - 前払請求書の清算時:
    [分割払請求書清算 (cisli3620m100)] で、前払請求書ライン支払明細を確認します。
  5. [清算済前払金 (cisli3122m000)] セッションで、清算および支払に従ってデータを確認します。このセッションでは、前払請求書および関連する支払の清算金額の詳細を表示できます。これは前払請求書が清算請求書で清算されると作成されます。
  6. 請求済商品が転記されると、次のことが行われます。
    • 前払分割払支払済取引が、オリジナル支払レートで振り戻されます。収益統合取引が請求書レートで作成されます。また、収益修正ラインが [収益ライン (cirrc1120m000)] セッションで作成されます。
    • [導入済ソフトウェア構成要素 (tccom0100s000)] セッションで一時点収益認識が選択されている場合:
      • 清算支払が [収益請求書ライン清算済前払金 (cirrc1132m000)] セッションに保存されます。
      • 前払清算額の前払為替レート差額レコードが、[収益ライン (cirrc1120m000)] セッションで作成されます。
      注: 

      [支払前払分割払の分離勘定] チェックボックスがオフになっているか、前払請求書の代わりに前払金要求がある場合、前払金の支払は商品の清算後に処理されます。この場合、商品ラインの構成中に [清算済前払金 (cisli3122m000)] セッションでレコードは作成されず、支払後すぐに作成されます。