循環棚卸を実行するには

ある適切なタイミングで実際在庫における登録済在庫をチェックするには、循環棚卸を使用します。ストックポイント別に在庫をマニュアルで計数し、計数した数量をシステムに入力するには、循環棚卸オーダを使用します。

循環棚卸のパラメータ

循環棚卸を実行する前に、[在庫処理パラメータ (whinh0100m000)] 詳細セッション、または [サイト別倉庫管理設定 (whwmd2101m000)] セッションで循環棚卸のパラメータを指定しておく必要があります。これらのセッションでは、次の設定を指定できます。

  • 循環棚卸オーダの採番
  • 循環棚卸の際にストックポイントをブロックする必要があるかどうか。循環棚卸の際にストックポイントをブロックすると、誤計数を防止できます。
  • 委託在庫に対して循環棚卸を実行しなければならないかどうか
  • さまざまな品目クラス (ABC 分類) の循環棚卸間隔
  • 許可される再計数の回数
  • 計数済在庫について許容される不足または余剰の最大値。該当品目のシステム在庫を対象に計測され、システム在庫の割合として表されます。
  • 計数済在庫の合計標準原価とシステム在庫の原価との許容可能な差異の程度を示す金額

[在庫処理パラメータ (whinh0100m000)] 詳細セッションまたは [サイト別倉庫管理設定 (whwmd2101m000)] セッションで指定された循環棚卸間隔を無効にするには、次の方法でストックポイントに対して循環棚卸を強制します。

  • 新ストックポイント。これに対して循環棚卸を強制するには、[在庫処理パラメータ (whinh0100m000)] セッションの [新ストックポイント] チェックボックスをオンにする必要があります。
  • システム在庫がゼロになった場合のストックポイント。これに対して循環棚卸を強制するには、[在庫処理パラメータ (whinh0100m000)] セッションの [ゼロ在庫の場合] フィールドで必須オプションを選択する必要があります。
  • 特定のストックポイント。これに対して循環棚卸を強制するには、[強制循環棚卸] チェックボックスがオンになっている [循環棚卸データ (whinh5140m000)] 詳細セッションで新しいレコードを作成するか、このセッションで既存の循環棚卸オーダを変更する必要があります。
  • [循環棚卸オーダ生成 (whinh5200m000)] セッションで指定可能な一連のストックポイント。これに対して循環棚卸を強制するには、[循環棚卸オーダ生成 (whinh5200m000)] セッションの [強制循環棚卸] チェックボックスをオンにする必要があります。

循環棚卸オーダを生成するには

循環棚卸オーダを生成するには、[循環棚卸オーダ生成 (whinh5200m000)] セッションを使用します。次の方法で循環棚卸オーダとオーダラインが生成されます。

  • 選択範囲内の倉庫ごとの循環棚卸オーダ
  • 選択範囲内のストックポイントごとの在庫構造レベル別の循環棚卸オーダライン。[品目 - 在庫構造 (whinr1550m000)] セッションから在庫構造レベルが取得されます。

[循環棚卸オーダ生成 (whinh5200m000)] セッションで指定された [オーダ別オーダラインの最大数] を超過した場合は、該当する倉庫の新しい循環棚卸オーダが作成されます。

次の条件が該当する場合、ストックポイントの循環棚卸オーダラインが生成されます。

  • 次の情報に基づいてストックポイントを計数する順番である場合

    • 品目の ABC 分類
    • ストックポイントの最終棚卸日
    • ABC 分類に割り当てられている計数間隔。循環棚卸オーダラインは次の条件で生成されます。
      ストックポイントの最終棚卸日 + 計数の間隔 = < 現在の日付と時間
      

      ストックポイントの棚卸日が入力されていない場合は、ストックポイントの作成日が [ストックポイント在庫 (whinr1540m000)] セッションから取得されます。

  • 計数する順番に関係なく、ストックポイントの計数が強制される場合

    [循環棚卸オーダ生成 (whinh5200m000)] セッションまたは [循環棚卸データ (whinh5140m000)] セッションの [強制循環棚卸] チェックボックスがオンの場合、ストックポイントの計数が強制されます。

次の取得処理が行われます。

  • [倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションから該当する品目の [活動基準原価計算コード] が取得される。このセッションで活動基準原価計算コードが指定されていない場合は、[品目 - 倉庫管理 (whwmd4600m000)] セッションから該当する品目の [活動基準原価計算コード] が取得されます。
  • [循環棚卸データ (whinh5140m000)] セッションから該当するストックポイントの最終棚卸日が取得される。
  • [在庫処理パラメータ (whinh0100m000)] セッションまたは [サイト別倉庫管理設定 (whwmd2101m000)] セッションから該当する活動基準原価計算コードの棚卸間隔を取得します。
注: 

[倉庫別品目データ (whwmd2110s000)] セッションまたは [品目 - 倉庫管理 (whwmd4600m000)] セッションで品目の活動基準原価計算コードが入力されていない場合は、C クラス品目の棚卸間隔が [在庫処理パラメータ (whinh0100m000)] セッションまたは [サイト別倉庫管理設定 (whwmd2101m000)] セッションから取得されます。

循環棚卸オーダおよび棚卸在庫を出力するには

循環棚卸リストは、次のような場合に出力できます。

  • [循環棚卸オーダ生成 (whinh5200m000)] セッションでの循環棚卸オーダの生成中
  • [循環棚卸リストの出力 (whinh5400m000)] セッションの使用中

循環棚卸リストを出力する場合、ストックポイントのシステム在庫およびシリアル番号を循環棚卸リストに出力する必要があるかどうかを指定できます。

従業員は、出力された循環棚卸リストに計数済数量をストックポイントごとに入力できます。

循環棚卸の結果を ERP に入力するには

次の 2 つのセッションで、循環棚卸の結果を LN に入力できます。

  • [循環棚卸結果の入力 (whinh5101m100)]
  • [循環棚卸オーダライン (whinh5101m000)]

循環棚卸の結果を入力すると、次のようになります。

  • 結果を入力した日付が [循環棚卸オーダライン (whinh5101m000)] 詳細セッションのデフォルトの [棚卸日] になります。
  • [在庫処理パラメータ (whinh0100m000)] 詳細セッションまたは [サイト別倉庫管理設定 (whwmd2101m000)] で指定されたマージンを超える差異が発生した場合は、[承認] フィールドの値が [承認] に設定されます。このような差異が発生しない場合、[承認] フィールドの値は [不要] になります。
  • 循環棚卸オーダラインに [差異理由] を割り当てることができます。
  • 指定した差異、差異理由、または計数済在庫の EUS へのリンクが循環棚卸オーダの承認必須の基準に一致する場合、[承認] フィールドは [承認] に設定されます。
  • [承認] フィールドの値が [不要] の場合、[循環棚卸オーダライン (whinh5101m000)] 詳細セッションの [再計算] チェックボックスをオンにして、循環棚卸オーダラインの再計算を強制することができます。

循環棚卸の差異を承認するには

循環棚卸オーダラインを承認するには、[循環棚卸の差異承認 (whinh5801m000)] セッションを使用します。

いずれかの基準を満たす場合、循環棚卸オーダは処理前に承認する必要があります。

  • [承認] フィールドの値が [承認]である。
  • 循環棚卸オーダラインに割り当てられた [差異理由] が承認を必要としている。[理由 (tcmcs0105m000)] セッションの [承認] チェックボックスがオンの場合に、[差異理由] が承認を必要としている。
  • [在庫処理パラメータ (whinh0100m000)] セッション、または [サイト別倉庫管理設定 (whwmd2101m000)] セッションで、[循環棚卸承認] チェックボックスがオンになっている
  • EUS は計数済在庫のロット番号またはシリアル番号にリンクされ、差異はマイナスです。
  • 指定された差異が、[在庫処理パラメータ (whinh0100m000)] セッションの上位および下位クラス値または割合フィールドに指定されたマージンを超えています。

[循環棚卸の差異承認 (whinh5801m000)] セッションでは、循環棚卸オーダラインを承認したり、循環棚卸オーダラインを再計算する必要があるかどうかを指定したりできます。出荷数量を変更すると、次のように処理されます。

  • 循環棚卸オーダラインを承認すると、[承認] フィールドの値が [承認済] に変わります。
  • 循環棚卸オーダラインを再計算する必要があることを指定すると、[承認] フィールドの値が [再計算] に変わります。
注: 

[在庫処理パラメータ (whinh0100m000)] 詳細セッションで指定された [最大再計算数] に達した場合にのみ、[循環棚卸の差異承認 (whinh5801m000)] セッションで循環棚卸オーダラインを承認できます。

計数済ストックポイントを再計算するには

次のいずれかに該当する循環棚卸オーダラインの循環棚卸リストを出力するには、[循環棚卸オーダの再計算 (whinh5203m000)] セッションを使用します。

  • [承認] フィールドの値が [再計算] である
  • [循環棚卸オーダライン (whinh5101m000)] 詳細セッションの [再計算] チェックボックスがオンになっている

再計算する必要がある循環棚卸オーダラインの循環棚卸リストを出力する場合、LN は、再計算する必要がある循環棚卸オーダラインの [計数回数] に 1 を加えた [計数回数] を使用して新しい循環棚卸オーダラインを作成します。次のいずれかのセッションで、新しく作成された循環棚卸オーダラインの再計算の結果を入力できます。

  • [循環棚卸結果の入力 (whinh5101m100)]
  • [循環棚卸オーダライン (whinh5101m000)]

循環棚卸オーダを処理するには

[承認] フィールドの値が [不要] または [承認済] の循環棚卸オーダラインを処理できます。

循環棚卸オーダラインを処理する場合、次のような操作が行われます。

  • 循環棚卸オーダラインで指定された数量に基づいて、ストックポイントのシステム数量が調整されます。
  • 循環棚卸オーダラインで差異が発生した場合は、会計取引が転記されます。

    差異の内容に応じて、次のように処理されます。

    • ロットに関する差異の場合、LN は、[品目 - ロット - 出庫 (whltc3500m000)] セッションでマイナスの差異に対するロット処理を作成し、[品目 - ロット - 入庫 (whltc3501m000)] セッションでプラスの差異に対するロット処理を作成します。
    • シリアル番号付品目に関する差異の場合、LN は、[品目 - シリアル - 出庫 (whltc5510m000)] セッションでマイナスの差異に対するシリアル処理を作成し、[品目 - シリアル - 入庫 (whltc5511m000)] セッションでプラスの差異に対するシリアル処理を作成します。
  • 循環棚卸中にストックポイントがブロックされた場合は、そのストックポイントのブロックが解除されます。

次のセッションを使用して、循環棚卸オーダを処理できます。

  • [循環棚卸/調整オーダの処理 (whinh5201m000)]

    セッションの目的: 一定範囲の循環棚卸オーダを処理します。
  • [循環棚卸オーダ (whinh5100m000)]

    セッションの目的: 選択された 1 つまたは複数の循環棚卸オーダを処理します。
  • [循環棚卸オーダライン (whinh5101m000)]

    セッションの目的: 選択された 1 つまたは複数の循環棚卸オーダラインを処理します。