デポ修理の内部外注

概要

製品に不具合が発生した場合、顧客は修理を要求し、製品をサービス部署に送付します。サービス部署は製品を修理しますが、修理の部品は、別の法人に属する修理センタに外注します。したがって、内部請求は使用される実際材料費、実際に記帳される時間、および輸送費などの実際雑費に基づいて行われ、修理センタへの外注により発生する修理費も含める必要があります。

メンテナンス販売オーダの作成

顧客が修理の目的で製品をサービス部署に送付すると、そのサービス部署は [メンテナンス販売オーダ (tsmsc1100m000)] セッションを使用してメンテナンス販売オーダを作成します。例: サービス部署 (オランダ国内) が顧客から欠陥製品の修理に関するオーダを受け取ります。サービス部署はメンテナンス販売オーダを作成します。

作業オーダの作成

サービス部署は [作業オーダ (tswcs2100m000)] セッションを使用して、修理センタへの作業オーダを作成する必要があります。修理センタは修理活動を計画し、必要な材料/工具を確保します。例: サービスセンタが作業オーダを作成し、この作業オーダを自社ロケーションにある修理センタに割り当てます。

商品の出荷

顧客は欠陥製品を修理センタに送付します。例: 顧客は製品をオランダ国内の修理センタに送付します。

製品の入庫

欠陥製品が修理センタに入庫します。

修理活動

修理センタが製品を修理します。現行の修理センタで製品を修理できない場合は、修理作業を別の修理センタに外注できます。新しい修理センタで、製品の新しい修理オーダを作成します。例: オランダ国内の修理センタで、最初の修理活動が開始されます。このロケーションで製品を修理できない場合は、イギリス国内の別の修理ロケーションへの修理オーダを作成し、修理の目的で製品をその修理ロケーションに送付します。

製品の転送

修理センタでの修理

製品を修理し、使用した材料、費やされた時間などの原価をすべて作業オーダに含める必要があります。内部請求が実施されると、作業オーダで原価を適用可能にする必要があります。例: イギリス国内の修理センタは製品を修理し、すべての原価を作業オーダに含めます。製品は次の修理センタに転送されます。例: 製品がオランダ国内の修理センタから転送され、イギリス国内の修理センタが受け取ります。

顧客請求

製品の修理が保証または契約の元に行われた場合を除き、サービス部署は顧客に請求を行います。

内部請求

内部請求は、実際の修理費や固定修理価格に基づいて行います。内部請求に関しては、最初に製品を受け取ったサービス部署に、修理センタが請求する必要があります。内部請求はフォローアップ作業オーダを基にしています。[作業オーダのクローズ (tswcs2265m000)] セッションを使用して作業オーダをクローズする前に、内部請求を作成しておく必要があります。請求書を作成するときに、追加費用を作業オーダに記帳することはできません。内部請求は法的なレポートに必須であり、内部価格設定に対応するために必要となります。例: イギリス国内の修理センタが、(メンテナンス販売オーダの) サービス部署に、実際原価または固定修理単価に基づいて時間と材料に関する請求を行います。この内部請求は、すべての原価 (材料、時間、雑費) を作業オーダに記帳するときに作成され、一切の変更はできず、すべての原価が内部で請求されます。内部請求には、次の価格方式を使用できます。

  • 固定価格: 固定内部価格が指定されます。この価格は、修理のタイプや実際原価に応じて変わることはありませんが、修理対象の品目と企業単位に応じて変わるので、価格帳 (tdpcg0111m000) のロジックが使用されます。すべての原価ラインを、請求額をゼロにし、原価額を指定して請求に渡します。この製品の修理の固定修理価格を指定するときに、単価は実際原価に応じて決まるわけではありません。品目が定期的に修理される場合に、この価格を使用できます。この場合、内部価格は既知であり、固定修理価格は平均修理費を反映するように設定されます。
  • 時間と材料: 内部価格は実際原価に基づいているので、使用される材料、費やされる時間、および雑費に基づくことになります。すべての実際原価は個別に価格設定され、請求されます。原価のタイプは次のとおりです。

    サポートされている価格発生元による材料価格設定

    • 実際原価: [作業オーダ物的資源 (tswcs4110m000)] セッションで指定された合計原価額を使用します。付加費用が適用可能です。
    • 商業価格: 作業オーダで発行された材料について、価格発生元が 「商業価格」 である場合、商業単価を使用して内部請求での価格を決定します。価格帳 (tdpcg0111m000) の機能は、[一般サービスパラメータ (tsmdm0100m000)] セッションで定義されている [内部価格検索方法] と組み合わせて使用できます。[注意]: 企業単位にリンクされている内部取引先を使用して、価格を検索します。詳細については、内部商業単価を参照してください。
    • ゼロ価格設定: 「価格発生元」 が 「ゼロ価格設定」 の場合、請求書ラインが原価ゼロで作成されます。

    サポートされている価格発生元による労務価格設定

    • 実際原価: [作業オーダ労働資源 (tswcs4120m000)] セッションで指定された実際原価額を使用します。追加で、付加費用が適用可能です。
    • 商業価格: 労務の商業価格を決定するには、[サービスオフィス (tsmdm1100m000)] セッションで定義されている [内部販売労務単価] を使用します。この労務単価は、該当するサービス部署が [サービスオフィス (tsmdm1100m000)] セッションで定義されている特定の [労務単価] を使用して別のサービス部署のタスクを実行する場合の販売労務単価を示します。内部取引先の労務単価を指定することができます。[注意]: 企業単位にリンクされている内部取引先を使用して、価格を検索します。詳細については、内部商業単価を参照してください。
    • ゼロ価格設定: 「価格発生元」 が 「ゼロ価格設定」 の場合、請求書ラインが原価ゼロで作成されます。

    雑費の価格設定

    工具、移動、輸送などの雑費に関して、実際原価 (付加費用の有無に関係なく) に基づく価格が適用可能です。雑費の価格設定では、次の価格発生元がサポートされています。

    • 実際原価: [作業オーダその他資源 (tswcs4130m000)] セッションで指定された実際原価額を使用します。付加費用が適用可能です。
    • ゼロ価格設定: 「価格発生元」 が 「ゼロ価格設定」 の場合、請求書ラインが原価ゼロで作成されます。