デポ修理での見積

品目のサービス/修理をサービスプロバイダに打診する顧客は、実際のサービス/修理が実施される前に、そのサービス/修理の見積または価格提案を要求します。作業オーダ、コール、部品メンテナンスラインなどのサービスオブジェクトから、サービス/修理にかかる費用の見積を作成できます。

メンテナンス販売オーダおよび作業オーダから見積を作成

メンテナンス販売オーダ部品ラインから見積を作成するには、[メンテナンス販売オーダ - 部品ライン (tsmsc1110m000)] セッションを使用します。この方法で見積を作成すると、次のようになります。

  • 部品ラインにリンクされた (すべての関連作業オーダの) すべての作業オーダ活動および資源ラインが、見積にコピーされます。
  • 部品ラインとそれに関連するすべての作業オーダの [中断] チェックボックスがオンになります。部品ラインとそれに関連する作業オーダデータが変更されないようにするために、Infor LN でこのチェックボックスがオンに設定されます。このチェックボックスは、見積の処理後にオフになります。

見積が処理されると、「部品ライン」 の [方法] が [見積固定プラス] に設定され、関連する作業オーダが見積にリンクされます。

部品ラインの 方法 と価格に応じて、[見積請求] タイプの適用範囲ラインが [メンテナンス販売オーダ - 適用範囲ライン (tsmsc1120m000)] セッションで作成されます。複数の見積を作成すると、見積がある各作業オーダについて、適用範囲ラインが作成されます。

作業オーダから見積を作成するには、[作業オーダ (tswcs2100m000)] セッションの [見積の作成] オプションを使用します。この方法で見積を作成すると、次のようになります。

  • 「開始作業オーダ」 にリンクされている活動と資源ラインが見積 (要求) にコピーされます。
  • 作業オーダデータが変更されないようにするために、選択した作業オーダの [中断] チェックボックスだけがオンになります。このチェックボックスは、見積の処理後にオフになります。

処理中に、見積で 「部品ライン」 の [方法] は更新されません。開始作業オーダのみが見積にリンクされます。

部品メンテナンスラインから複数の見積を作成

[メンテナンス販売オーダ - 部品ライン (tsmsc1110m000)] セッションから複数の見積を作成できます。見積が作成されると、部品ラインの [方法] が [見積固定プラス] に設定されます。

部品ラインの [方法] と価格に応じて、[見積請求] タイプの適用範囲ラインが [メンテナンス販売オーダ - 適用範囲ライン (tsmsc1120m000)] セッションで作成されます。複数の見積を作成すると、見積がある各作業オーダについて、適用範囲ラインが作成されます。

[メンテナンス販売オーダ - 部品ライン (tsmsc1110m000)] セッションの [固定プラス見積に変換] オプションを使用すると、部品ラインの [方法] をマニュアルで変更できます。

作業オーダのクローズ後の見積の作成と処理

作業オーダにリンクされている適用範囲ラインが [メンテナンス販売オーダ - 適用範囲ライン (tsmsc1120m000)] セッションで [原価計算済] に設定されていない場合は、「クローズ済」 の作業オーダの見積を作成できます。このシナリオでは、特定のオーダから取得された資源ラインだけが見積に使用されます。

注: 

部品メンテナンスラインから見積を作成した場合は、関連するすべての作業オーダも取り込まれます。部品メンテナンスラインから見積を作成できるのは、見積も見積要求も部品ラインに関連付けられていないか、作業オーダ (のいずれか) に関連付けられていない場合だけです。

作業オーダにリンクされている見積が処理された場合に、その作業オーダにリンクされている (実際) メンテナンス販売適用範囲ラインが存在すると、その適用範囲ラインで販売関連フィールドの値が 0 に設定されます。

[固定オーダ価格]/[固定活動価格] タイプの適用範囲ライン (存在する場合) は、[メンテナンス販売オーダ - 適用範囲ライン (tsmsc1120m000)] セッションで [見積請求] タイプの適用範囲ラインに置換されます。

部品ラインから見積が作成され、見積提案方法が [見積固定] の場合は、その部品ラインにリンクされている [追加ライン] タイプの既存の適用範囲ラインが更新されます。

見積の承認

提案された見積を顧客が承認したら、[見積 (tsepp1100m000)] セッションで見積の状況を [承認済] に設定することができます。見積の状況を [処理済] に設定すると、関連する部品ラインと作業オーダで見積関連データが更新されます。

固定価格を見積に使用

固定価格のメンテナンス販売オーダ活動、参照活動、およびマスタ工順を見積に使用できるようにするために、[見積ライン (tsepp1110m000)] セッションに [方法] フィールドが用意されています。見積ラインに対して 「固定オーダ価格」 の参照活動を指定すると、その見積ラインの 方法 が [固定] に設定され、関連する見積適用範囲ラインの価格が 0 に設定されます。部品ラインまたは作業オーダから見積ラインを作成した場合、その見積ラインの 方法 のデフォルト値は [メンテナンス販売オーダ活動ライン (tsmsc1111m000)] セッションから取得されます。ただし、この値は修正できます。

[方法] をマニュアルで修正した場合は、[計算] オプションを使用して価格を計算する際に、その値が見積および見積ラインのデフォルト値に設定されません。販売価格、および関連する見積適用範囲ラインの金額も更新されます。

価格発生元を見積ラインに使用

見積ラインが追加または削除されても販売額が自動的に更新されないようにするために、[見積 (tsepp1100m000)] セッションに [価格発生元] フィールドが用意されています。[価格発生元] フィールドは、デフォルトで [その他] に設定されています。販売額をマニュアルで修正した場合は、[価格発生元] フィールドが [マニュアル] に設定されるため、販売額が自動的に更新されません。

見積適用範囲ラインが追加または削除されてもライン上の販売額が自動的に更新されないようにするために、[見積ライン (tsepp1110m000)] セッションに [価格発生元] フィールドが用意されています。

[計算] オプションを使用して価格が算出されると、見積および見積ラインの [価格発生元] がデフォルト値に設定されます。

マスタ工順を見積に使用

[見積ライン (tsepp1110m000)] セッションを使用してマスタ工順をマニュアルで指定した場合は、そのマスタ工順に対して指定された [固定オーダ価格] を使用できます。見積では工順オプションは表示されません。ただし、見積が処理されるとき、見積で指定されたマスタ工順にリンクされた工順オプションに基づいて、メンテナンス販売活動ラインおよび作業オーダ活動が生成されます。

[見積 (tsepp1100m000)] および [見積ライン (tsepp1110m000)] セッションの [マスタ工順のラインの生成] オプションを使用すると、指定した [マスタ工順] に基づいて見積ラインを生成することができます。[見積ライン (tsepp1110m000)] セッションで見積ラインが作成され、工順オプションに基づいて [方法] がデフォルト設定されます。マスタ工順にリンクされた各工順オプションについて、見積ラインが作成されます。

見積の再オープン:

見積を再オープンするには、状況が [取消]、[失注]、または [拒否] の見積に対して、[見積 (tsepp1100m000)] および [見積 (tsepp1100m100)] セッションの [再オープン] オプションを使用します。すでに処理されている見積は再オープンできません。見積の改訂を作成する必要があります。

見積を再オープンするには、[見積の再オープン (tsepp1202m000)] セッションを使用します。見積を再オープンすると、その見積の状況が [フリー] に設定されます。関連する見積ラインの状況は、[見積の再オープン (tsepp1202m000)] セッションでオンに設定したチェックボックスによって異なります。

処理されていない見積ラインを再オープンできるのは、関連する見積の状況が[フリー]に設定されている場合のみです。

見積を再オープンすると、関連する作業オーダおよび部品ラインが中断されます。

見積改訂:

見積の新規改訂を作成できるのは、[サービス見積パラメータ (tsepp0100m000)] セッションの [改訂の使用] チェックボックスがオンの場合だけです。

新規見積改訂の作成:

すでに処理されている見積について、新規改訂を作成できます。新規改訂は、マニュアルで作成することも、見積要求を使って作成することもできます。見積要求を使用して改訂を作成するには、[サービス見積パラメータ (tsepp0100m000)] セッションの [メンテナンス販売の見積要求の使用] チェックボックスをオンにします。そうでない場合は、マニュアルで新規改訂を作成する必要があります。

見積の新規改訂を作成すると、次のようになります。

  • 既存の改訂のすべての見積ラインおよび原価ラインが、見積の新規改訂にコピーされます。
  • 新規見積改訂の状況が 「フリー」 に設定されます。
  • 新規改訂にコピーされるとき、既存の見積ラインの状況は変わりません。
  • 新規見積ラインの状況が 「フリー」 に設定されます。

新規見積ラインは、マニュアルで作成することも、見積要求に基づいて作成することもできます。

注: 

[サービス見積パラメータ (tsepp0100m000)] セッションの [改訂の使用] チェックボックスがオンの場合は、最初の改訂が 1 に設定されます。オフの場合は、改訂が 0 に設定されます。

新規見積改訂の処理:

(見積の) 改訂の処理は、既存の見積の処理と同じように機能します。見積ラインの状況が[承認]以外の場合、見積改訂は次のような関連オブジェクトについて更新されます。

  • メンテナンス販売オーダ
  • 部品メンテナンスライン
  • メンテナンス販売適用範囲ライン
  • 見積適用範囲ライン (状況が 「フリー」 または 「計画」 の場合のみ)
  • 作業オーダ
  • 作業オーダ活動
  • 材料、労務、および雑費の作業オーダ資源ライン