サービスオーダの計画と発行

適切な労務と材料を使用してサービスオーダを作成したら、そのサービスオーダの実行を計画することができます。この計画には、材料の割当、材料を確保するために必要な在庫取引の準備、エンジニアの割当、および取引先の与信チェックが含まれます。計画は、一括 ERP および詳細 ERP の 2 つのフェーズで構成されます。一括 ERP では、数週間または数か月の中期から長期の計画を作成し、詳細 ERP では今後数日から数週間の詳細計画を行います。

サービス資源計画 (SRP) の概要

エンジニアとサービスオーダの計画はサービス資源計画 (SRP) と呼ばれ、サービスオーダ管理モジュールで管理されます。この計画の入力は、他のモジュールで作成したサービスオーダすべてと、契約、コールおよびサービスマスタデータに定義された制約です。

注: 

サービスオーダに関して SRP を実行するには、[サービスオーダ資源計画 (tssoc2260m000)] セッションを使用します。

予備的条件

サービスオーダの SRP を実行するには、次の条件が満たされている必要があります。

  • サービスオーダについて少なくとも 1 つの活動が存在する
  • サービスオーダの活動すべてについて、[計画開始時間] と [活動継続期間] のフィールドに値がある
  • 活動の計画対象のシリアル番号付品目が有効である

[サービスオーダパラメータ (tssoc0100m000)] セッションで [ブロックするオーダの第1ステップ] フィールドが [オーダ計画] または [オーダ定義] に設定されている場合に、一括 SRP を実行すると、LN で次のアクションが行われます。

  • サービスオーダブロックにパラメータが設定されていない場合は、チェックは一切行われず、全サービスオーダが処理されます。
  • [サービスオーダ (tssoc2100m000)] セッションでサービスオーダの [ブロック] チェックボックスがオンに設定されており、サービスオーダブロックがまだ有効になっている場合は、LN でそのサービスオーダが計画されません。
  • [ブロック] チェックボックスがオンに設定されており、サービスオーダブロックが無効になっている場合は、LN でそのサービスオーダのブロックが解除され、そのサービスオーダが計画されます。

サービスオーダの [ブロック] チェックボックスをオフにすると、LN で SRP が実行されます。ブロック理由の限度を超過すると、[ブロック] チェックボックスがオンになり、LN により、[ブロック理由 (tsmdm1101m000)] セッションでサービスオーダのブロック理由が作成されます。サービスオーダは計画されません。

[処理レポート] チェックボックスおよび [エラーレポート] チェックボックスをオンにすると、ブロックされたサービスオーダがエラーレポートに出力され、ブロックされていないサービスオーダは処理レポートに出力されます。

SRP アクション

SRP の実行時に、必要な条件が満たされている場合は、次の状況のサービスオーダおよびサービスオーダ活動が LN で処理されます。

  • 状況が [フリー]、[計画済]、または [発行済] のサービスオーダは SRP で処理できます。
  • 状況が [フリー] のサービスオーダ活動が計画されます。[再計画] チェックボックスがオンの場合は、状況が [計画済] の活動が再計画されます。

SRP を実行するときに影響を受けるサービスオーダおよびその関連活動の属性は、サービスオーダおよびその関連活動の状況によって決まります。

サービスオーダの状況が [フリー] の場合は、LN で、次の項目に対するアクションが実行されます。

  • 優先エンジニア
  • サービスオーダの計画日付 (再計算されます)
  • 交通費ライン
  • サービスオーダ状況
  • サービスオーダの原価ライン: 
    • 購買
    • 材料の割当
    • 工具の計画

サービスオーダの状況が [計画済] の場合は、LN で、次の項目に対するアクションが実行されます。

  • 計画日付 (再計算されます)
  • サービスオーダの原価ライン: 
    • 購買
    • 工具の再計画

サービスオーダの状況が [発行済] の場合は、LN で、サービスオーダに対するアクションが何も実行されません。

サービスオーダの状況が [フリー]、[計画済]、または [発行済] のいずれかであり、活動の状況が [フリー] の場合は、LN で、次の項目に対するアクションが実行されます。

  • 外注先 (購買元取引先)
  • 計画日付 (再計算されます)
  • 適用範囲日付
  • 検査ライン
  • サービスオーダ活動状況
  • サービスオーダ活動の原価ライン: 
    • 購買
    • 材料の割当
    • 工具の計画
    • 材料の再割当
    • サービスオーダの状況が [計画済] の場合は、工具の再計画

サービスオーダの状況が [計画済] または [発行済] のいずれかであり、活動の状況が [計画済] の場合は、LN で、次の項目に対するアクションが実行されます。

  • 計画日付 (再計算されます)
  • サービスオーダ活動の原価ライン: 
    • 購買
    • 工具の再計画

[サービスオーダ資源計画 (tssoc2260m000)] セッションの実行時に、状況に従ってサービスオーダ (SO) またはサービスオーダ活動 (あるいは両方) の属性に対して LN で実行されるアクションは、次のようになります。

優先エンジニア

次の場合、サービスオーダの [サービスエンジニア] フィールドには、設置グループの優先エンジニア 1 が入力されます。

  • [サービスオーダパラメータ (tssoc0100m000)] セッションの [計画時のデフォルト優先エンジニア] チェックボックスがオンになっている。
  • サービスオーダ状況が 「フリー」 の場合
注: 

サービスオーダの [サービスエンジニア] フィールドにすでに値が入力されている場合は、このフィールドは変更されません。

再計算計画日

活動状況が 「フリー」 または 「計画」 の場合、[計画終了時間] フィールドは、シリアル番号付品目および設置グループカレンダーに基づいて再計算されます。これらのカレンダーが有効でない場合は、エンジニア、ワークセンタ、または会社カレンダーが使用されます。シリアル番号付品目または設置グループのカレンダーがシリアル番号付品目に使用可能な場合は、サービスオーダヘッダの計画終了時間 フィールドも再計算されます。必要な能力 (時間) が使用できない場合、LN で処理レポートに次のメッセージが出力されます。「活動ライン %1$s の所要能力を (完全には) 使用できません」

注: 

活動ラインを追加、削除、または変更すると、サービスオーダの 「計画終了時間」 がすぐに更新されます。状況が 「計画」 の活動は、[サービスオーダ資源計画 (tssoc2260m000)] セッションの [再計画] チェックボックスがオンの場合にのみ再計画されます。

適用範囲日付

サービスオーダ活動の適用範囲時間フィールドが空の場合は、LN でサービスオーダの計画開始時間が入力されます。

交通費ライン

サービスオーダの状況が 「フリー」 であり、[一般サービスパラメータ (tsmdm0100m000)] セッションの [交通費計算方法] フィールドの値が 「なし」 以外の場合は、[サービスオーダ見積雑費 (tssoc2140m000)] セッションに見積交通費ラインが作成されます。

[サービスオーダパラメータ (tssoc0100m000)] セッションの [原価計算] タブでは、次のようになります。

  • [距離] チェックボックスだけがオンになっている場合、LN で移動距離と移動合計にそれぞれ原価ラインが 1 つ作成されます。
  • [時間] チェックボックスだけがオンになっている場合、LN で移動時間と移動合計にそれぞれ原価ラインが 1 つ作成されます。
  • 両方のチェックボックスがオンになっている場合、LN で移動時間、移動距離、および移動合計にそれぞれ原価ラインが 1 つ作成されます。

検査ライン

活動ラインの参照活動に入力された設置グループ/シリアル番号付品目の計測タイプごとに、LN により [検査 (tscfg3100m000)] セッションで検査ラインが作成されます。

サービスオーダ (活動) 状況

SRP が正常に実行されると、LN でサービスオーダまたはサービスオーダ活動の状況が 「計画」 に更新されます。

購買

  • サービスでは、必要に応じて、SRP でのみ購買オーダラインが作成されます。
  • 納入タイプが 「購買オーダ使用」 であり、「見積数量」 がゼロ (0) より大きいサービスオーダの材料原価ラインに関して LN で購買オーダが作成されます。
  • 外注サービスオーダ活動では、[サービス/原価品目] フィールドに値が入力されると、外注のサービスに関して LN で購買オーダが作成されます。
  • 購買品目の計画納期が、サービスオーダの計画開始日よりも遅い場合、「品目 %2$s に指定された納期 %1$u001 には、実現可能ではありません。」 というメッセージが処理レポートに出力されます。
  • 購買品目の購買元取引先は、次のように決定されます。
    1. 材料ラインの購買元取引先 ([サービスオーダ見積材料費 (tssoc2120m000)])
    2. 品目/発注先情報の購買元取引先 ([品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)])
    3. 品目購買データの購買元取引先 ([品目 - 購買取引先 (tdipu0110m000)])
注: 
  • 選択された取引先またはその親取引先には、受取側役割もなければなりません。この役割がないと、LN でエラーレポートにメッセージが出力され、購買オーダが作成されません。
  • 購買品目の計画納期がサービスオーダの計画開始日より後の日付の場合は、LN からメッセージが表示されます。

材料

サービスオーダおよびサービスオーダ活動の状況が 「フリー」 の場合、SRP で必要な品目にソフト引当が作成されます。詳細は次のようになります。

  • 納入タイプが 「倉庫から」、「車により倉庫から」、「輸送手段により倉庫から」、または 「サービスキットから」 の品目が [オーダ - 計画在庫処理 (whinp1501m000)] セッションに取引タイプ - (計画出庫) でリストされます。
  • 納入タイプが 「倉庫へ」 または 「輸送手段により倉庫へ」 の品目 (材料の入庫を予定) が [オーダ - 計画在庫処理 (whinp1501m000)] セッションに取引タイプ + (計画入庫) でリストされます。

工具

  • 原価タイプが 「工具」 の雑費ラインでは、所要工具のソフト割当が実行され、所要工具が [見積工具所要 (titrp0111m000)] セッションにリストされます。「最早開始時間」 から 「最遅終了時間」 までの期間で、工具所要量の状況が 「要求済」 になります。
  • これらの時間が有効でない場合は、「計画開始時間」 から計画終了時間 までの期間が使用されます。
  • 工具割当は、工具の修理調整が必要な場合にも行われます。これは、サービスオーダ活動の選択されたシリアル番号付品目が [品目 (tcibd0501m000)] セッションで 「工具」 品目タイプの場合です。工具を導入するには、[導入済ソフトウェア構成要素 (tccom0100s000)] セッションの [工具所要計画] チェックボックスをオンにする必要があります。

レポート

  • 処理レポート: SRP で正常に処理された全サービスオーダ、および以前ブロックされたサービスオーダがブロック解除されて処理されたかどうかがリストされます。現在のサービスオーダ状況も表示されます。
  • エラーレポート: SRP で正常に処理されなかった全サービスオーダ、およびその理由がリストされます。現在のサービスオーダ状況も表示されます。

サービスオーダ状況

サービスオーダの計画後、LN でサービスオーダの状況が 「計画済」 に変更されます。

パラメータ

次のパラメータが使用されます。

移動原価ラインの作成

  • 移動距離
  • 移動時間

サービスオーダの計画中における優先エンジニアの割当

  • [計画時のデフォルト優先エンジニア]

サービスオーダ警告およびブロックの両方またはいずれかについて

  • 与信限度を超えた場合
  • 信用再審査が期日を過ぎた場合
  • 請求書が期日を過ぎた場合
  • 取引先が不信な場合

サービスオーダが実行されなければならないサービスオーダ手順について

  • ブロックするオーダの第 1 ステップ

交通費について

  • 移動原価計算方法

工具の導入について

  • 工具所要計画 (TRP)

サービスオーダの発行

サービスオーダの計画後、サービスエンジニアにサービスオーダを発効してオーダを実行することができます。状況が 「フリー」 または 「計画済」 のサービスオーダのグループまたはバッチを発行するには、[サービスオーダの発行 (tssoc2200m000)] セッションを使用します。サービスオーダにリンクされている活動が、少なくとも 1 つ必要です。サービスオーダ発行の活動を実行するには、その活動に 1 人または複数のエンジニアを割り当てるか、またはヘッダエンジニアを確保する必要があります。

注: 

サービスオーダの発行後、LN でサービスオーダの状況が 「発行済」 に変更されます。