見積処理の理解

この章では、プロジェクトの見積と各種関連処理について概要を説明します。

プロジェクト見積

見積とは、特定の商品またはサービスを供給する際に考えられる原価と販売価格を明示したものです。見積は、受注を見込んで作成します。プロジェクト見積は、入札/見積を準備して、プロジェクトの原価を計算し、見積を作成することを目的として使用します。

見積タイプ

見積タイプは、トップダウン構造またはボトムアップ構造を使って計算されます。

  • トップダウン: トップダウン構造による原価額または販売額の計算では、最上位の金額を下位レベルの要素に分配します。
  • ボトムアップ: ボトムアップ構造による原価額または販売額の計算では、最下位レベルの要素の正確な金額を入力し、同じ金額を集計して最上位金額を計算します。

先行見積タイプ

プロジェクトの構造要素の見積タイプは、先行見積タイプです。先行見積タイプがボトムアップの場合、LN は同じレベルタイプの見積ライン金額を合計して合計先行見積タイプ (LET) 金額を計算します。最上位の構造要素の先行見積タイプがトップダウンの場合、合計先行見積タイプはトップダウンとして定義されている構造要素金額になります。トップダウン構造要素は、見積金額が親金額を超えていないか判断するためだけに確認されます。ただし、合計見積の計算時には使用されません。

見積のローンチのための予算タイプ

見積を予算にローンチするときは、以下の予算タイプのいずれかを選択できます。

  • トップダウン予算
  • ボトムアップ予算 (活動予算)
  • ボトムアップ予算 (要素予算)

見積バージョン

見積バージョンは、見積プロジェクトの一部で、構造要素を使って見積の構造を定義します。バージョンは、価格計算時にさまざまな手法または内外の要求を区別するために使用できます。

見積バージョン構造

見積バージョン構造は、見積のオーダや分類に使用します。多くの場合、複数の見積バージョン構造を使用することにより、見積データをさまざまに分類できます。インポートした活動構造、要素構造、原価構成要素構造、または構造に割り当てられた拡張を見積バージョン構造とすることができます。これらの構造は、既存のプロジェクトからインポートします。また、ユーザ定義構造を見積バージョンにリンクすることもできます。見積フェーズで構造を使用することは任意です。

見積シリーズ

見積シリーズは、一意のプロジェクト番号を作成する場合に使用されます。見積プロジェクト用に別のプロジェクト範囲を用意することも、見積をプロジェクトのフェーズとして使い、実行時に使用するプロジェクトに見積を含めることもできます。見積シリーズは、プロジェクト番号を作成する場合に理想的です。

入札

見積処理の目的は、成果物 (第一構造要素) の販売価格情報を構成要素とする見積または入札を準備することです。