プロジェクト管理における中間収益の認識

プロジェクト詳細 (tipcs2130m000) セッションの完了率基準計算方法フィールドで、PCS プロジェクトの完了率の計算に用いる方法を指定できます。選択した完了率を使用して中間売上原価および収益が計算されます。

注意: プロジェクト管理パラメータ (tipcs0100m000) セッションでも、完了率の計算方法を選択できます。この方法は、販売オーダ (プロジェクト PCS) 構造の生成 (tdsls4244m000) セッションによって販売オーダラインから生成された PCS プロジェクトのプロジェクト詳細でデフォルト値として使用されます。

PCS プロジェクトの中間売上原価および収益を計算するには、プロジェクト別中間売上原価および収益の計算 (tipcs3290m000) セッションを実行します。以下の手順が実行されます。

1. PCS プロジェクトの実際原価が [参照日] まで計算されます。しかし、実際標準原価は上書きされません。
   • [見積原価計算を実行] チェックボックスがオンの場合、PCS プロジェクトの見積標準原価が計算されます。PCS プロジェクトの見積標準原価の計算基準となるのは、プロジェクトにリンクされた品目の標準原価です。プロジェクト数量も考慮され、さらに、見積付加費用と活動の見積標準原価も考慮されます。計算済の PCS プロジェクトの見積原価は上書きされます。
   • [見積原価計算を実行] チェックボックスがオフの場合、見積プロジェクト原価は計算されず、[プロジェクト別標準原価 (tipcs3560m000)] セッションから取得されます。
2. 実際時間が計算されます。プロジェクト時間は、PCS プロジェクト、PCS 活動、工程管理製造オーダ、およびサービスオーダから生成できます。工程管理、サービス、および PCS の時間は見積ることができません。そのため、特定のプロジェクトの中間収益および売上原価を初めて算出する際は、プロジェクト別中間売上原価および収益 (tipcs3190m000) セッションで見積時間をマニュアルで入力する必要があります。見積活動時間しか使用しない場合、誤算が生じます。後続期間の中間売上原価および収益を計算する際は、最初にマニュアルで入力した時間数が使用されます。
3. 見積売上原価および実際売上原価/収益が算出されます。販売、サービス、および倉庫管理に関しては、最近の見積合計収益が計算されます。さらに、実際収益の合計が算出され、PCS プロジェクトと関連する販売オーダ、サービスオーダ、および倉庫オーダの実際売上原価の合計が算出されます。
4. PCS プロジェクトの完了率は、[プロジェクト詳細 (tipcs2130m000)] セッションの完了率基準計算方法フィールドで選択された方法に基づいて計算されます。[プロジェクト詳細 (tipcs2130m000)] セッションで完了率計算方法としてマニュアルを選択すると、[完了のステージ] フィールドで PCS プロジェクトの作業完了率を指定できます。
5. 中間売上原価および中間利益が計算されます。

計算された売上原価および収益は、プロジェクト別中間売上原価および収益 (tipcs3190m000) セッションで表示できます。一部の計算金額および完了率 (%) は、マニュアルで調整できます。PCS プロジェクトごとに、中間売上原価/収益をリストできます。

中間売上原価および収益の残りの手順は、適切なメニューから、またはボタンを使用して処理できます。この詳細は、この手順の次のステップで説明します。

PCS プロジェクトに関して [プロジェクト詳細 (tipcs2130m000)] 詳細セッションの原価構成要素別中間売上原価および収益の転記チェックボックスがオンの場合、原価構成要素別売上原価 (tipcs3191m000) セッションで、原価構成要素全体への売上原価の分配方法を表示できます。このセッションは、[プロジェクト別中間売上原価および収益 (tipcs3190m000)] セッションの適切なメニューから、または [原価構成要素] をクリックして、開始する必要があります。

中間売上原価および収益の確認または転記が済んでいなければ、見積原価および確認済中間売上原価を修正することができます。

[PCS プロジェクトの財務会社への制限付き売上原価および収益] チェックボックスをオフにした場合、プロジェクト売上原価配分 (tipcs3110m000) セッションを使用して売上原価の配分をマニュアルまたは自動で適用できます。

[注意]: 関係会社間取引関係が定義されている場合、売上原価配分の変更は、会社間の内部請求に影響します。

プロジェクト売上原価配分 (tipcs3110m000) セッションでは、プロジェクトで発生した追加費用を関連製造オーダに配分できます。例: プロジェクトの完成品について宣伝キャンペーンを実施する場合、プロジェクトにリンクされたオーダにキャンペーン費用を配分することができます。

エンティティごとの確認済中間収益をマニュアルで調整できます。

プロジェクトおよびオーダ別売上原価および収益 (tipcs3192m000) セッションおよびプロジェクトおよびオーダライン別売上原価および収益 (tipcs3194m000) セッションで、選択したプロジェクトの中間収益を管理できます。また、プロジェクト詳細 (tipcs2130m000) セッションの [原価構成要素別中間売上原価および収益の転記] チェックボックスがオフの場合、中間売上原価を管理できます。[原価構成要素別中間売上原価および収益の転記] チェックボックスがオンの場合、[原価構成要素別売上原価 (tipcs3191m000)] セッションを使用する必要があります。

オーダライン別に取引価格を指定する場合、プロジェクトおよびオーダライン別売上原価および収益 (tipcs3194m000) セッションを使用できます。中間売上原価および収益の計算では、見積収益ではなく取引価格が使用されます。

[プロジェクト別中間売上原価および収益 (tipcs3190m000)] セッションまたは [原価構成要素別売上原価 (tipcs3191m000)] セッションでデータの表示および調整を終えたら、[プロジェクト別中間売上原価および収益 (tipcs3190m000)] セッションで確認 (取消)をクリックしてデータを確認することができます。確認後も変更を行う場合、確認 (取消)を再びクリックしてデータ確認を解除します。

中間売上原価および収益を確認する場合、プロジェクト別中間売上原価および収益の確認と転記 (tipcs3291m000) セッションを開始し、中間売上原価および収益の確認チェックボックスをオンにしてセッションを実行することもできます。プロジェクト別中間売上原価および収益の確認および転記 (tipcs3291m000)

中間売上原価および収益は、確認後に財務会計の総勘定元帳モジュールに転記する必要があります。[プロジェクト別中間売上原価および収益 (tipcs3190m000)] セッションで、適切なメニューからプロジェクト別中間売上原価および収益の確認と転記 (tipcs3291m000) セッションを開始するか、または [プロジェクト別中間売上原価および収益の確認と転記] をクリックします。中間売上原価および収益の転記チェックボックスをオンにして、セッションを実行します。