原価計算ワークセンタ
原価計算ワークセンタは、計画ワークセンタの上位に位置する特別なレベルとして機能して、原価計算と計画の独立性を高めます。
一般
原価計算ワークセンタを使用すると、新規の計画ワークセンタが原価計算ワークセンタと同じ企業単位を持っていれば、見積原価がすでに凍結済であっても、製造計画中に作業のワークセンタを変更できます。結果として、あるワークセンタを変更した場合に、作業セット内のワークセンタをすべて変更する必要なしに見積原価を再計算できるようになります。
原価計算ワークセンタを使用すると、次のメリットがあります。
- 計画をより柔軟にマニュアルで更新することができる
- 作業の臨時外注が容易になる
- 企業単位ごとに原価計算センタを 1 つずつ作成できる
原価計算ワークセンタは、リンクされた企業単位の計算オフィスとしても機能します。
設定
ワークセンタレベルで会計取引を転記するには、[製造オーダパラメータ (tisfc0100s000)] セッションのワークセンタ別会計取引チェックボックスがオンになっている必要があります。
- 部署 (tcmcs0565m000) セッションで、[ワークセンタ] 部署タイプの部署を定義します。
- [部署 (tcmcs0565m000)] セッションで、(原価計算) ワークセンタの所属先となる企業単位を指定します。
-
ワークセンタ (tirou0101m000) セッションで、原価計算ワークセンタを作成します。
- [ワークセンタタイプ] フィールドを [原価計算] に設定します。
- [レート] フィールドに作業費レートコードを入力します。
- [ワークセンタ (tirou0101m000)] セッションで、メインワークセンタまたはサブワークセンタ (別称: 計画ワークセンタ) を作成し、原価計算ワークセンタフィールドで、定義済の原価計算ワークセンタを該当する計画ワークセンタにリンクします。
- 企業単位は、原価計算ワークセンタと同じでなければなりません。
-
- 原価計算ワークセンタが定義済の場合、原価計算ワークセンタの作業費レートが計算用途に使用されます。
- 原価計算ワークセンタが未定義の場合、[標準原価計算パラメータ (ticpr0100m000)] セッションの作業費レートタイプフィールドで定義されたワークセンタの作業費レート、またはタスク関係の作業費レートのどちらかを作業費レートとして使用できます。
機能説明
製造オーダが作成されると、見積時間および関連する原価が、計画ワークセンタにリンクされた原価計算ワークセンタに転送されます。リンクされた原価計算ワークセンタが存在しない場合、見積時間の転送先となるのは計画ワークセンタです。
見積原価が [製造オーダ (tisfc0101s000)] セッションの見積の凍結時点フィールドで定義された時点で凍結済の場合、完成品単位原価が計算されます。注意: バージョン管理を無効にする必要があります。
完成品単位原価 (ticst0510m000) セッションで、原価計算ワークセンタ別に完成品単位原価を参照できます。見積原価が凍結済の場合、仕掛品振替も計算されます。
仕掛品振替は原価計算ワークセンタ間で実行されます。
- 新規の計画ワークセンタが原価計算ワークセンタと同じ企業単位を持つ限り、計画ワークセンタは原価の凍結後も変更される可能性があります。原価計算ワークセンタは、原価の凍結後に変更不可能になります。
- 作業を臨時に外注し、計画ワークセンタの代わりに外部ワークセンタを使用することに決めた場合、そのための唯一の条件は、外部ワークセンタを他のワークセンタと同じ原価計算ワークセンタにリンクしておくことです。