段取原価に関する修正

実際原価計算を適用した場合、製造オーダの段取原価に対する処理を要します。製造オーダが部分的にしか完了していない場合でも、段取原価は完了すべき全数量に適用しなければなりません。最初に完了した数量に関しては、すべての段取原価を記帳すると以降の納入時よりも高い費用がかかるため、在庫評価が不正確になります。

段取原価に対して修正を加えるには、作業開始時に段取時間数が常に転記されることを想定した公式を使用します。結果的には、段取関連の原価がどの完成品にも均等に適用されるように、時間数を修正する必要があります。

段取原価の修正要素として用いられるアルゴリズムは、次の時間の比率にもとづきます。

A = 製造時間数 x 完了率 (%) x (1 + 平均段取率)

 平均段取率 = 計画済段取時間 ÷ 計画済製造時間数 

つまり、段取時間を全時間単位に適用する場合、上記は製造オーダ完了をレポートするための所要時間数になります。

B = (製造時間数 x 完了率 (%) + 段取時間)

つまり、段取時間を最初に消費した場合、上記は製造オーダ完了をレポートするための予定所要時間数になります。

修正要素 = A ÷ B
 = 製造時間数 x 完了率 (%) x (1 + 平均段取率) ÷
 (製造時間数 x 完了率 (%) + 段取時間)

作業 10 に関しては、次式を適用できます。

  • 段取時間 = 1 時間
  • 製造時間 = 20 時間
  • 完了率 = 25%

平均段取率は次のとおりです。

1 ÷ 20 = 0.05

段取修正要素は次のとおりです。

20 x 0.25 x (1 + 0.05) ÷ (20 x 0.25 + 1) = 5.25 ÷ 6.00 = 0.875

段取修正要素は、指定された作業の作業原価 (機械時間を含む) すべてに適用されます。