組立管理 (ASC) モジュールにおける仕掛品振替
仕掛品振替は、転送オーダ、出庫の実行、および入庫の実行から成ります。これらの処理がどう実行されるかは、仕掛品振替元と振替先の組立ラインがそれぞれ同一の会社に属しているどうかという質問に依存します。
単独会社
単独会社の場合、組立ラインがそれぞれ同一の会社に属しているときは、これらの処理をマニュアル、半自動、または自動で実行できます。このパラメータは、組立ライン (tiasl1530m000) セッションの組立ラインで定義されます。
次のチャートは、各パラメータ設定に対応する処理内容を示しています。たとえば、[マニュアル] を選択した場合、[仕掛品振替を生成] (トリガプロセス 1) の実行によって、転送オーダが生成されます。これと同時に、倉庫オーダがブロック解除され、振替出庫が可能になります。[マニュアル] または [半自動] に対してトリガが設定されている場合、仕掛品出庫および仕掛品入庫をマニュアルで実行する必要があります。
記述: プロセストリガという概念は、特定のラインステーションでのイベントがセッションの実行を開始するためのトリガとして使用されるというものです。次に、以下の表に記載されているトリガについて説明します。
- トリガプロセス 1 = 仕掛品振替の生成
- トリガプロセス 2 = 仕掛品出庫の実行
- トリガプロセス 3 = 仕掛品入庫の実行
パラメータ設定 | マニュアル | 半自動 | 自動 |
---|---|---|---|
仕掛品振替を生成 | トリガプロセスで実行1 | トリガプロセスで実行1 | トリガプロセスで実行1 |
倉庫オーダ出庫をブロック解除 | トリガプロセスと同時に実行1 | トリガプロセスで実行2 | トリガプロセスで実行2 |
仕掛品を実行 | マニュアルで実行 (WH) | マニュアルで実行 (WH) | 出庫トリガプロセスで実行2 |
仕掛品を実行 | マニュアルで実行 (WH) | マニュアルで実行 (WH) | 入庫トリガプロセスで実行3 |
複数会社
複数会社の場合、仕掛品を別個の会社間で振り替えるときは、会社間販売および購買オーダによって仕掛品振替が処理されます。これらのオーダは、企業モデル管理の複数会社機能を利用する倉庫管理で処理されます。EMM モジュールには、会社間請求や文書出力などのための手順も組み込まれています。これらのオーダの生成は、仕掛品振替の生成 (tiasc7200m000) セッションでトリガされます。
注:
- 仕掛品振替は常に、現在の組立ラインの最終ラインステーションで実行されます。仕掛品振替は前のステーションで生成できますが、仕掛品振替が実際に実行されるのは最終ステーションです。また、仕掛品振替は、最終ラインステーションのラインステーションオーダ (LSO) でのみ登録可能です。
- 組立管理では、仕掛品は常に組立ライン間で振り替えられます (ワークセンタ間では振り替えられません)。この点で組立管理は、仕掛品をワークセンタ間でも振り替えることの可能な工程管理とは異なります。
- 関連セッションは、[プロセストリガ定義 (tiasl8100m000)] セッションで開始することができます。
仕掛品振替に使用されるセッションには、次のものがあります。
- 仕掛品振替の生成 (tiasc7200m000)
- 仕掛品出庫の実行 (tiasc7201m000)
- 仕掛品入庫の実行 (tiasc7202m000)
- ラインステーション - 組立オーダ (tiasl6510m000)
- 組立ライン (tiasl1530m000)
- 組立オーダ - ラインステーションオーダ (tiasc2510m000)