資産の減価償却

減価償却とは、税務または記録を目的として、資産の原価をその資産耐用年数にわたって割り当てる方法です。時間の経過につれて摩耗や損傷が生じるため、資産価値は減少します。この価値の減損を定期的に記録するため、資産の減価償却を行います。資産の減価償却は、計上後から完全に除売却されるまで、または計上が削除されるまでのいつでも行うことができます。除売却後でも減価償却の累積を行えるのは、ビンテージ/グループ勘定科目の資産だけです。

LN は、減価償却頻度を使用して、資産が減価償却の対象となるかどうか、および減価償却を計算する頻度を判断し、各帳簿に割り当てられた減価償却方法を使用して、減価償却の計算をどのように行うかを判断します。各方法の詳細については、「減価償却方法の使用」 のトピックを参照してください。

ビンテージまたは修正加速償却制度 (MACRS) グループ勘定の資産に関する資産減価償却弾力制度 (ADR) 帳簿を減価償却するには、[ビンテージ/グループ勘定の減価償却 (tffam7272m000)] セッションを使用します。詳細については、「ビンテージ/グループ勘定の減価償却」 のトピックを参照してください。

当会計年度末日以降に減価償却を行うには、まず [期間終了 (tffam8205m000)] セッションで最後の期間をクローズしておく必要があります。以前の期間については、減価償却を修正できます。減価償却の修正方法の詳細については、「資産の減価償却の修正」 のトピックを参照してください。

減価償却は、特定の期間または年度に等しい終了日によって実行されます。減価償却をいつまで行うかを LN に伝える終了日を指定します。終了日を、最後に行われた減価償却日よりも前に指定した場合には何も起りません。減価償却を計算する際、LN は新規の値を算出して既存の値と比較します。この差額は、該当期間の減価償却取引として記録されます。

どの帳簿にある選択済資産が減価償却の対象となるかを判断した後、LN は対象となる資産および帳簿ごとに次の処理を行います。

  • その関係を対象とする減価償却がまだ計算されていない場合は、[資産帳簿 (tffam1510m000)] セッションで帳簿の状況を [取得済]から [減価償却中] に変更します。
  • 指定した期間の減価償却額を計算し、記録します。
  • 計算された減価償却額を、累計および年初来の減価償却に加算します。
  • 最後の減価償却日を、LN で減価償却が計算された期間の最後の日に変更します。
  • 資産耐用年数のうちどれだけが減価償却されたかを示す残存耐用年数を変更します。
  • LN は必要に応じて仕訳を作成します。
注: 

[資産帳簿 (tffam1510m000)] セッションの [残存価額以下の減価償却] チェックボックスがオンになっている資産は、原価がゼロになるまで、残存価額を下回って減価償却できます。

資産は、その関連帳簿に記録されている資産耐用年数に基づいて減価償却されます。大半の資産は年数と月数により資産耐用年数が測定されますが、生産高比例減価償却で資産耐用年数を追跡する資産も存在します。関連帳簿で生産高比例減価償却を使用して資産耐用年数が測定された資産を減価償却するには、LN が資産とその関連帳簿の減価償却を最後に計算した後で使用された単位数を指定する必要があります。使用された単位数は、[使用済資産単位の登録 (tffam1245m000)] セッションで記録します。詳細については、「使用済資産単位の計算」 のトピックを参照してください。

注: 

資産減価償却弾力制度 (ADR) または修正加速償却制度 (MACRS) グループの減価償却の対象となる資産は、[ビンテージ/グループ勘定の減価償却 (tffam7272m000)] セッションで減価償却できます。詳細については、「ビンテージ/グループ勘定の減価償却」 のトピックを参照してください。

減価償却の中断

減価償却の中断方法には、次の 2 とおりがあります。

  • 減価償却方法ですべての資産帳簿の減価償却を一括して中断するには、[中断期間 (tffam7120m000)] セッションを使用します。この方法を使用する場合、減価償却を中断する期間が残存資産耐用年数に含められます。詳細については、中断期間 (tffam7120m000) を参照してください。
  • 一連の年度および期間を対象とした一連の資産帳簿の減価償却を中断するには、[一括減価償却の中断 (tffam1207m000)] セッションを使用します。詳細については、「減価償却の中断」 を参照してください。

加速償却

加速償却とは、特定年度における追加額で資産を減価償却することをいいます。加速償却を年次標準減価償却額の最大 100% まで (資産価値がゼロになるまで) 許可している国もあります。加速償却を行うと、減価償却期間が短縮されます。加速償却取引は、特定の元帳勘定に転記する必要があります。

加速償却は標準減価償却と同じルールに従います。標準減価償却が中断されると、加速償却も中断されます。資産の実際の使用が変更された場合、その変更に応じて加速償却を短縮または中断することができます。

[一括減価償却累計額 (tffam1208m000)] セッションを使用すると、一連の資産帳簿を追加金額で減価償却できます。この減価償却の実行可能頻度は、年 1 回のみです。