このガイドについて
このガイドでは、LN での汎用変換環境フレームワークである通貨初期化 (CRI) の導入について説明しています。
目的
このガイドの対象
このガイドは、通貨初期化を設定および実行するユーザを対象としています。
読者は LN ソフトウェアをよく理解しており、LN ソフトウェアのパッケージ、モジュール、およびセッションの全体的な構造を理解しているものとします。財務会計 に関する一般的な知識を有することが推奨されます。
このガイドの概要
このガイドでは、LN での 通貨初期化 の導入について説明します。通貨初期化 は、汎用変換環境です。
CRI を使用して、次のことができます。
- 通貨システムの変更
- 複数通貨導入用の推奨される標準への切替: 標準通貨システム (LN FP5 以降)
- 使用する自国通貨の変更または拡張
- 取引通貨をユーロに変更
- システムをユーロ対応にする
- 1 つの標準通貨システムで複数の機能通貨を有効化する (LN 10.2.1 以降)
略称および頭字語
このガイドでは、次の略称および頭字語を使用します。
A/P | 買掛金 |
A/R | 売掛金 |
BP | 取引先 |
CI | 通貨初期化 |
COP | コロンビアペソ |
CRI | 通貨初期化 |
DKK | デンマーククローネ |
DLL | 動的リンクライブラリ |
EMU | 経済通貨同盟 |
EUR | ユーロ |
FST | 財務諸表 |
GBP | 英国ポンド |
G/L | 総勘定元帳 |
INR | インドルピー |
NZD | ニュージーランドドル |
USD | 米国ドル |
このガイドの使い方
このガイドには、次の章が含まれます。
- 第 1 章 「通貨初期化」 では、通貨初期化とは何か、また通貨初期化によってシステムをユーロ対応にする方法について簡単に説明します。
- 第 2 章 「通貨初期化環境の設定」 では、変換クラスタの会社間で CRI テーブルを共有する方法、および正しい情報で CRI テーブルを初期化する方法を説明します。
- 第 3 章 「通貨システムと会社の構造」 では、LN で使用できる通貨タイプと通貨システム、および会社を互いにリンクする場合の会社の通貨システム要件について説明します。
- 第 4 章 「通貨初期化のシナリオ」 では、CRI を使用することによって実行できる通貨システムの変更について説明します。
- 第 5 章 「通貨初期化処理」 では、CRI セッションを使用してさまざまなタイプの通貨初期化を実行する方法を説明します。
- 第 6 章 「為替差」 では、内部の通貨初期化の前後で通貨の為替レートが異なるために生じる為替差の転記方法を説明します。
- 第 7 章 「ユーロ初期化」 では、CRI セッションを使用して自国通貨の 1 つと (EMU の) 取引通貨をユーロに変更する方法を説明します。
- 第 8 章 「変換ルール」 では、通貨初期化処理において金額や為替レートの変換および再計算に使用される標準の変換ルールを説明します。
- 付録 A 「財務会計フィールドの確認」 では、内部の通貨初期化後に確認および修正できるフィールドをリスト表示します。
- 付録 B 「並列処理の設定」 では、並列処理に必要な追加設定を説明します。
- 付録 C 「並列処理の性能調整」 では、並列処理を使用して [CI プロセス (tccri7203m000)] セッションを実行するときに必要な性能調整について説明します。
- 付録 D 「用語集」 では、本書で使用する用語の定義をリスト表示します。