外部ユーロ初期化

ユーロの外部通貨初期化のみ実行できます。取引通貨をユーロ以外の通貨に変換することはできません。

外部ユーロ初期化を使用すると、オーダ契約およびサービスオーダに関して選択された取引通貨をユーロに変換できます。外部ユーロ初期化の終了後、オーダ契約およびサービスオーダに関して実行される会計取引はユーロ建てになります。

LN での外部変換と LN より前のシステムでの変換との違いは、LN では未決済の購買オーダと販売オーダが変換されない点です。この理由は、LN では、変換対象となるオーダ関連データの複雑性がさらに増したため、特定の状況でデータが破損する危険性が以前のシステムと比べて高くなったことです。通常、データの調整 (特に財務会計データと作業管理データ) は、以前のシステムよりも LN の方が優れています。また、ほとんどの場合にオーダの存続期間は限られているため、業務上、未決済オーダの変換に至急対応する必要はありません。外部初期化の終了後、EMU 通貨をユーロに変更した取引先には、新規のオーダが新規のユーロ通貨建てで生成/デフォルト設定される点に注意してください。通常、存続期間の長い契約は変換されます。

取引先との新規のオーダおよび契約にユーロを使用するには、同じ外部ユーロ初期化で、取引先のデフォルト通貨をユーロに変更します。取引先が今後のオーダと既存の契約にユーロを使用することを希望している場合は、その取引先に関して外部ユーロ初期化を実行する必要があります。

未決済請求額

法的基準と会計原則では、登録済の購買および販売請求書の通貨と金額を変更することが禁止されています。このため、LN では、外部通貨初期化中に 請求 および 財務会計 データベース内の未決済請求書の金額が変更されません。

外部通貨初期化が終了した後、外部換算機能を使用して、EMU 通貨建ての未決済請求書を処理することができます。この章の後半にある 「財務会計 での外部ユーロ換算」 を参照してください。

価格帳と価格表の変換

価格帳と価格表を複数の取引先に使用することができます。価格帳または価格表を使用しているすべての取引先に関して外部ユーロ初期化を実行した後、取引先に関連していない外部ユーロ初期化を実行して、価格帳の通貨と価格表の通貨をユーロに変更できます。

価格帳または価格表を使用している一部の取引先に関して外部ユーロ初期化を実行しない場合は、価格帳と価格表をコピーし、そのコピーの通貨を変更することができます。

銀行支払ファイルの調整

銀行通貨が EMU 通貨の場合は、自国通貨またはユーロのどちらでも支払ができます。銀行ファイルを使用して支払を銀行に報告する場合は、外部ユーロ初期化の終了後、EMU 通貨ではなくユーロで報告するように銀行支払ファイルを調整する必要があります。

外部ユーロ初期化の実行

「通貨初期化処理」 の内部通貨初期化の説明に記載されている方法でユーロ通貨初期化を実行します。

この章では、内部通貨初期化との違いと外部ユーロ初期化にしか適用されない追加情報だけを説明します。

前提条件

外部ユーロ初期化を実行する前に、変換クラスタの会社ごとに次の操作を行っておく必要があります。

  1. [通貨 (tcmcs0102m000)] セッションでユーロ通貨を定義します。[EMU 通貨] チェックボックスをオフにする必要があります。
  2. 該当する会社でユーロが 「移行中通貨」 (LN FP5 以降) または 「ユーロ通貨」 (それ以前のバージョン) として [会社 (tcemm1170m000)] セッションで定義されていることを確認します。

外部変換タイプ

[CI クラスタ (tccri7101s000)] セッションで、次の 2 種類の外部変換のいずれかを選択できます。

  • [外部取引先]

    特定の取引先または一連の取引先にリンクされている取引通貨額および通貨を変換します。例: 

    • 未決済契約
    • 取引先通貨および保険付貸方金額
  • [外部の非取引先]

    どの取引先にもリンクされていない取引通貨額および通貨を変換します (例: 価格表通貨)。

外部変換対象の変換クラスタ会社

LN では、内部通貨初期化と外部ユーロ初期化で同じ変換クラスタ会社が生成されます。LN で生成された変換クラスタ会社のリストを変更することはできません。このため、外部変換は、変換クラスタのすべての会社に関して実行されます。

変換クラスタ取引通貨

外部変換対象の変換クラスタを作成すると、LN で変換取引通貨のリストが生成されます。このリストには、変換クラスタのすべての会社で使用されている通貨がすべて記載されています。

[CI クラスタ (tccri7501m000)] セッションで、適切なメニューから [取引通貨の指定] を選択して [CI クラスタ取引通貨 (tccri7104m000)] セッションを開始します。このセッションを使用して、それぞれの通貨をユーロに変換するかどうかを指定する必要があります。

取引為替レート

[CI レート (tccri7100m000)] セッションで、EMU 取引通貨とユーロとの間の通貨為替レートを次のとおりに定義する必要があります。

  • EMU 通貨とユーロとの間の固定レートを使用する
  • [基準通貨] をユーロにする
  • [レート係数] を 1 にする
  • [基準通貨 で表示] チェックボックスをオンにする

変換ルール

外部変換中に、次の変換ルールを使用してテーブルを変換できます。

  • 取引通貨
  • 取引通貨額
  • レート/レート係数 (外部)
  • DLL

詳細については、次のトピックを参照してください: 「変換ルール」。