複数会社の購買請求書との照合

LN の複数会社構造では、財務会社が購買請求書の照合を目的として正しいテーブルを共有している場合はその構造のすべての財務会社の購買請求書照合が可能です。

複数会社購買請求書の照合は、次をサポートするために必要になります。

  • 買掛金の共有サービスセンタの使用

    購買請求書入力、請求書の照合、および複数の財務会社への支払の集中処理
  • 複数の EU 国での VAT 登録

    会社が登録している加盟国以外で EU 諸国の付加価値税 (VAT) に従う会社の活動が指定されたしきい値を超えると、会社は法的にその他 EU 諸国に VAT 登録する義務があります。

    複数会社構造では、諸外国の VAT 登録に対し専用の財務会社が作成されます。通常、購買オーダを入力する購買オフィスはこのような財務会社にはリンクされていません。

    購買請求書との照合が VAT 登録会社で実行されると、購買オーダのコストは自動的に購買オフィスの会社に請求されます。照合シナリオが使用される場合、2 つの財務会社間の内部請求書を作成する必要はありません。

転記方法

購買請求書照合のこの方法に適用する転記方法は、次のとおりです。

  • 購買オーダおよび/または在庫に直接関連付けられたコストは、購買オフィスの財務会社に転記されます。価格差異、FTP の結果、および照合時に転記された追加コストの例がいくつかあります。
  • 未決済入力の結果が、購買請求書が登録、照合されている財務会社に転記されます。通貨の結果、支払割引、延滞金利、および支払差額の例がいくつかあります。

購買請求書の照合設定

2 つの目的をサポートするために、次のように非常に柔軟性のある購買請求書との照合設定が必要になります。

  • 買掛金の共有サービスセンタに対し、いくつかの財務会社にリンクされている購買オフィスからのオーダが 1 つの財務会社ですべて購買請求書と照合されるように設定する必要があります (多対 1 の関係)。
  • 複数 EU 諸国での VAT 登録に対し、各 VAT 登録会社の購買請求書が複数会社構造のすべての財務会社にリンクされた購買オフィスからの購買オーダと照合できるように設定する必要があります (多対多の関係)。
注: 

複数会社の購買請求書を照合できるようにするには、関連する会社間で次のテーブルを共有する必要があります: tfacp240、tfacp245、tfacp250、tfacp251。

複数会社の購買請求書処理

複数会社構造では、次のルールが購買請求書照合に対して適用されます。

  • オーダ関連購買請求書

    自己請求請求書を含むオーダ関連購買請求書は、次のように処理されます。

    • 購買請求書は、必要なテーブルを購買オフィスの財務会社と共有するすべての財務会社に入力できます。請求書の照合中には、照合する財務会社にリンクされたオーダおよび入庫の情報のみ提供されます。
    • 照合中に転記された追加コストは、デフォルトで購買オフィスの財務会社に転記されます。請求書を照合する財務会社にこれらのコストを転記する必要がある場合は、[照合済購買請求書/取引明細書ライン取引 (tfacp1133s000)] セッションの [ターゲット会社] フィールドに会社番号を入力できます。VAT は請求書と関連付けられるとみなされるため、請求書を照合する財務会社に転記されます。例外として、オーダに関連付けられるコストとしてみなされる払戻されない税金 (消費税) が購買オフィスの財務会社に転記されます。
    • 原価品目は購買オーダに関連付けられるものとしてみなされ、購買オフィスの財務会社に転記されます。原価品目の経費勘定は、オーダ入力または購買請求書入力時に指定できます。後者の場合、原価は最初に購買オフィスの財務会社の中間勘定に転記されます。買掛金モジュールでは、原価を特定の経費勘定に転記することができます。購買オフィスの財務会社では、中間勘定を振り戻す必要があります。デフォルトで、コストは購買オフィスの財務会社の実際の費用勘定に転記されます。会社番号は、[照合済購買請求書/取引明細書ライン取引 (tfacp1133s000)] セッションで変更できます。
  • 費用請求書

    費用請求書は、すべての財務会社で登録できます。取引明細で、財務会社と原価勘定を関連付けることができます。これにより、関係会社間の入力が作成され、原価が正しい財務会社に移動されます。