LN での購買オーダ/スケジュールレートの処理方法

IFRS では関連するすべてのコストが在庫に反映されるので、商品の購買は、商品の購買または支払が行われたときのレートに照らして評価する必要があります。このことは、FTP 評価方法などのすべての実際原価評価方法に適用されます。

未着買掛金に影響する購買オーダまたはスケジュールによって作成された財務取引 (買掛金) は、取引の借方と貸方の両方の側に関して購買オーダ/スケジュールレートデータとともに転記されます。これが適用されるのは、購買オーダのレート換算基準が [固定] または [マニュアル入力] である場合です。それ以外の場合は、財務取引の中間勘定が購買オーダの為替レートタイプで転記されます。この為替レートタイプを使用して、取引日に有効だったレートデータが取得されます。
注: 

購買レートを考慮するには、[購買元取引先 (tccom4120s000)] セッションの [価格設定] タブで、[入庫に購買レートを使用する] チェックボックスをオンにします。この結果、次のセッションでも対応するチェックボックスがオンになります。

  • 購買オーダ (tdpur4100m000)
  • 購買スケジュール (tdpur3110m000)

[入庫に対する購買レートの使用] 設定は、各種購買オーダおよび購買スケジュール統合伝票タイプに適用されます。

これらの統合伝票タイプの中間勘定は、(一部が) 購買オーダレートデータに記帳されます。使用されるレートデータは、レート換算基準によって決まります。

レート換算基準 使用される項目
  レートタイプ レート日 レート レート係数
[固定]、[固定ローカル]、[固定ハード]、[固定ローカルとハード]、[マニュアル入力]   購買オーダのデータを使用  
[入庫日]、[予定入出金日] 購買オーダのデータを使用 実際の取引日を使用 [為替レート (tcmcs0108m000)] セッションのデータを使用

取引の見越の側 (オーダ通貨と財務会社購買オフィス) に適用される購買オーダに定義されたレートは、取引の中間勘定にも使用されます。複数会社環境では、中間勘定の財務会社は、購買オフィスの財務会社とは異なる可能性があります。そのため、購買オーダのレートを直接使用することはできません。まず固定レートまたはマニュアル入力したレートを換算する必要があります。

為替レートが固定であるか、または購買オーダヘッダにマニュアル入力されている場合、通貨システムで固定レートまたはマニュアル入力されたレートが定義される換算対象の通貨が指定され、このレートを取引の中間勘定に使用する方法が指定されます。

通貨システム 固定レートまたはマニュアル入力されたレートが定義される、購買オーダ通貨との換算対象通貨
[標準]

購買オフィスの現地通貨

現地通貨はさまざまな財務会社で異なっている可能性があるので、固定または購買オーダにマニュアル入力されたレートを直接使用することはできず、最初に換算する必要があります。「換算後」 の財務会社の取引通貨と現地通貨との新しい交換レートが計算されますが、そのときに、「換算前」 の財務会社で取引通貨から現地通貨へ換算する固定レートまたはマニュアル入力されたレートが使用されます。

[単一]

購買オフィスの現地通貨

現地通貨はすべての財務会社で等しいので、購買オーダレートおよびレート係数を取引の中間勘定にも直接使用できます。

[依存]

購買オフィスの参照通貨

参照通貨からその他の自国通貨への換算レートが無効になると、[為替レート (tcmcs0108m000)] セッションからオーダ日のレートが取得されます。

[独立]

すべての自国通貨

自国通貨はすべての財務会社で等しく、位置も同じなので、購買オーダレートおよびレート係数を取引の中間勘定にも直接使用できます。